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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)ソロキャンプ


非アクティブな俺がとち狂ってキャンプをしようと思い立った


思いつきで行動を始めたのでとりあえずバイクに荷物を括りつけ

途中で食料を揃えて近くの川原にテントを張ったのは夕暮れ間近の事だった


飯盒飯とレトルトカレー、淹れたてのコーヒーを啜って一段落すると早速テントに潜り込んだ

水音と虫の声、時折風に揺れる枝の音が聞こえる

少し冷えるのか、なかなか寝つけずにいると急に不安を覚えた


静かとはいえ絶えず聞こえていた水音も虫の声も一切が消えていたのだ


あまりの無音に耳鳴りがしそうな状態に状況を把握したくなってテントの外に出てみた


本当に無音だ、え?川だって普通に流れているのに?

疑問が不安を駆り立てていると川上からゆらゆらと光が漂ってきた


「精霊流しか?」


良く目を凝らすとその光は小さい船の上にある蝋燭からの光だった

光の元は分かっても無音の原因が分からない


というか盆中だったっけ?

ゆらゆらと揺れながら下っていく精霊流しを見つめながら混乱した頭を整理していると


ザー…と流れる川の音がボリュームを上げる様に戻ってきた

思い返すと盆過ぎではあるが盆中ではなかった


このままいたら何か起きそうだ、

と察した俺はヘッドライトの明かりを頼りにテントとかを片付け家路についた


この時期の夜の川原は禁忌だったのかも知れない

未だに毎年あの状況を思い出している

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