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エピローグ~胡蝶草をあなたに~
町の一角にある貸しビル、その三階の一室が彼女の事務所で、自宅だ。
階段を早足に駆け上がる。
確か花瓶はあったはずだと、手の中の花を見て考える。蝶のような形をした、美しい花だ。
(今日は少しばかり困らしてみようかな)
おろおろする姿を想像すると、かわいらしくて、自然とほおが緩む。
部屋の前について、そこ――探偵事務所の戸を開ける。
「こんにちは! これ、私からの贈り物!」
花の名前はシザンサス。私は胡蝶草という和名のほうが好みだったりする。
「今日はね、映画を見てデートをしたい気分なんだ」
胡蝶草、その花言葉は――
「――あなたと一緒に!」
もうすぐ春が訪れるのだと告げるように、温かな光が私たちを照らしていた。
後書きってもう書くことなさすぎです。後書き作家ってすごいなぁ。




