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完全模倣VTuberは自分が分からない  作者: 妃羅


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11/16

【反省会】

―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

空音 ミラ@カレイド四期生


これから反省会になりました。

私だけです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――






「————ひとまず初配信お疲れ様でした」


「ありがとうございます」


神代さんの表情は疲労感のある笑顔。

眉間にシワが寄っているところを見るに頭が痛そうである。


「まず確認なんですが……

何故あんなことを……?」


「……?あんなことと言いますと?」


「一人四期生雑談です……!!!」


「そんな風に言われてるんですねアレ」


何とも愉快な名前が着いたものだと思いつつもそこまで大したことをやった気はないため『僕』は肩をすくめる。


「……現在の切り抜き動画は八割程このタイトルです……」


「みんなそう思っているんですね」


「そうなんです……」


神代さんは遠い目をした。


「……ちなみに同期の皆さんも困惑してますからね?」


「そうなんですか?」


「そうなんです」


神代さんはパソコンを操作するとこちらへ画面を向ける。


「見てください……」


「はい」


そこにはSNSの投稿が表示されていた。




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


久遠 いろは@初配信○月✕日 カレイド四期生


今日の初配信で一番緊張していたの私じゃなくて空音さんだったということにしませんか……?

あと本当にびっくりしました……


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「久遠さんですね」


「はい」


「驚いていたんですね」


「驚いてましたよ!?」


神代さんが勢いよく突っ込む。


「むしろ一番被害を受けた側です」


「被害……?」


「被害です」


断固たる意思の即答だった。




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


皇 レン@カレイド四期生ゲーマー


似すぎだろ

意味わからん

もっかいやれ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「これは気に入ってませんか?」


「……そんなことは……いやおそらく……」


「納得しました」


「……ちなみに配信後の通話では三分くらい『意味分からん』しか言ってませんでした」


「そうなんですか」


「そうなんです」




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


神楽 琴音@カレイド四期生お喋り担当


ウチ、自分のドッペルゲンガーに遭遇したんやけど


誰か助けて……!!!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「神楽さんらしいですね」


「神楽さんは配信終わってからもしばらく騒いでました」


「元気ですね」


「そこじゃないんです」




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


橘 リンカ@カレイド・スフィア四期生


アーカイブを複数回確認

説明可能な仮説を現在検証中


結論:分からない


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「……?」


「はい」


「どういう意味でしょうか」


「私にも分かりません」


神代さんが疲れた顔で答えた。


「ただ三時間くらい考えた結果らしいです」


「そうなんですね」


神代さんは深いため息を吐く。

そのものに重さでもありそうなほどに深く長いため息だった。


「……ちなみにですね」


「はい」


「困惑しているのは同期だけじゃありません」


「そうなんですか?」


「そうなんです」


そう言って神代さんはパソコンを数回操作する。

すると今度はSNSではなく動画投稿サイトの画面が表示された。




【衝撃】新人VTuber、初配信で同期全員を召喚する

再生数:38万


【空音ミラ】四期生全員集合!?【初配信】

再生数:29万


【新人の特技が意味不明すぎる件】

再生数:25万


【怪異】コメント欄がパニックになった瞬間

再生数:21万




「……人気なんですね」


「そこじゃないんです……!!!」


神代さんの腹の底から聞こえてきそうな程の即答だった。


「……ちなみにこんなものもありました」


神代さんはさらに画面をスクロールする。

それはいわゆる切り抜き動画ではなく別のもので。




【検証】

空音ミラは本当に一人で喋っていたのか音声解析してみた


【考察】

『空音 ミラ』同期は実は裏で通話していた説


【考察】

『空音 ミラ』一人四期生雑談はAI音声説


【考察】

空音 ミラ〜実は五人いた説〜




「……五人?」


「私も意味が分かりません」


神代さんが頭を押さえる。

初配信から一夜明けただけにも関わらずこういったものが沢山あるのだろう。


「……ただ皆さん必死に理解しようとしているんです」


『俺』は画面を見る。

確かに理解しようとしているらしい。

————それは一体何を?


「何が理解できないんでしょうか」


「……そこからですか?」


「はい」


「そうですか……」


神代さんは諦めたように頷いた。


「ちなみに社内では……」


「はい」


「早川さんを担当した面接官の皆さんが————」


咳払いをして準備を始める神代さん。


「————『だから言っただろ』。

『録画じゃ伝わらないんだ』。

『現物はもっとヤバいんだよ』。

……と言ってました」


「なるほど……お上手です」


「なるほどじゃないんです……っ!!!」


恥ずかしそうに頬を染めた神代さんはしばらく黙った後。

少しだけ表情を引き締めた。


「————ただですね」


「はい」


「今回の初配信————」


パソコンをこちらへ向ける。

そこには配信データが表示されていた。

様々なグラフが過去データとの比較となっており、私を含めた四期生の名前の書かれた場所は平均を飛び抜けている。


「————大成功です」


「そうなんですか」


「はい……!」


同接。

高評価。

登録者増加数。

アーカイブ再生数。

どれも四期生の数字が好調な中で————トップ。


「なので叱るために呼んだ訳じゃありません」


神代さんは苦笑する。


「ただ一つだけ」


「はい」


「次から何かやる時は相談してください」


「相談ですか?」


「相談です。

今回の件————()()()()()()()()()()()()


今までで一番真面目な表情と言えるであろう神代さんが淡々と言う。


「空音ミラとして同期の皆さんを模倣することそれ自体は全く問題ありません。

むしろ早川さんの模倣は最初に開示することでリスナーさんの興味を引きやすい」


『僕』の目をしっかりと見ながら神代さんなりの解析をした結果であろう内容を語る。


「結果的に視聴者さんも盛り上がりました。

————でも私、途中から凄く焦ったんですよ」


「焦った?」


『私』の配信に神代さんが焦るとはどういうことだろうか。

神代さんは小さく頷く。


「だって私、何をするか知らなかったんです」


それはそうだろう。

『私』の配信なのだから『私』が考えて実行する。

失敗するも成功するも『私』の責任のはずだ。


「コメント欄がパニックになって。

SNSが騒ぎ始めて。

切り抜きが量産されて」


いずれも神代さんがリアルタイムで見ていたであろう内容。


「その時の私————事情を知ってるはずなのに何が起きてるのか分からなかったんですよ」


『僕』は神代さんを見る。

観察するに神代さんは怒っていない。

これは本当に怒っている人の顔ではない。

どちらかと言えば————困っている。


「だからですね————」


神代さんは真っ直ぐに『僕』を見つめたまま視線をずらさない。


「————相談してほしいんです」


「……相談……?」


「はい」


「どうしてですか?」


純粋な疑問だった。

すると神代さんは数秒だけ考え。

そして苦笑する。


「————私、早川さんの味方なので」


その言葉に『僕』は何も言えなくなり部屋が静かになる。

神代さんは少し照れくさそうに続けた。


「マネージャーですから」


「……」


「何かあった時に守るのも仕事です」


「……守る??」


「はい」


神代さんは当たり前のことを言うように頷いた。


「でも————事前に知らなかったら守れません」


————守る。

その言葉が『俺』の頭に残る。

今までそんなことを考えたことはなかった。

VTuber()』も『医者()』もその選択の責任は『俺』にしかないはずだ。


「……分かりました。

次からは相談します」


「本当ですか?」


「はい」


「本当に?」


「本当です」


「絶対ですよ?」


「絶対です」


神代さんはしばらくこちらを見つめ。

そして深いため息を吐いた。


「……信じますからね」


「はい」


『僕』の言葉にひとまずの納得はしたのか神代さんはにっこりと笑った。

その笑顔には喜びとは違う色が混じっている。


「じゃあ次の話をしましょう」


「次?」


「はい。

実は先輩方からも反応が来てます」


「そうなんですか?」


「……はい」


神代さんの顔が分かりやすく変わる。

今までとは別種の胃痛がやってきた、そう言わんばかりだ。


「……というか今までの反応を見るに早川さんSNSの確認してませんね……?」


「ここに来る前に投稿はしましたよ?」


「えぇ、もちろん存じておりますとも?」


先輩方の話をするのかと思いきや神代さんは『私』がSNSに投稿した件について触れる。

パソコンを再び操作すると『私』が投稿した内容を表示した。


「早川さんが投稿された内容に既にかなりの量の反応がついてます」


「多いですね」


「……早川さんは自分が注目されているという自覚を持ってください……」


頭でも抱えてしまいそうな様子の神代さん。

しかし『私』が注目されているというのは多方初配信直後だからだろうというのが『俺』の見解だ。

神代さんが慣れた手つきでスクロールしていく。


《お?今度は一人四期生反省会か?》


《反省会(意味深)》


《一人四期生雑談の件かな》


《むしろ褒められる側では?》


《何かやらかしたの?》


《まだ初配信しかしてないのに伝説作った女は違うな》


反応の大半がそう言ったものでコンテンツとして楽しんでもらっているようだ。

そしてチラホラと見える同期や先輩方の反応。




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

久遠 いろは@初配信○月✕日 カレイド四期生


私たちも反省会したから大丈夫です!

オンラインですからお家でリラックスしましょう!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「『私』は何故本社(ここ)に?」


「それ相応の対応です」


「……そうですか」


「そうです」


神代さんの目が笑っていなかった。




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

皇 レン@カレイド四期生ゲーマー


反省会終わったらもっかいやれ

そしてあたしを呼べ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

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「やっぱり気に入っているみたいですね」


「そういう解釈になるんですね……」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

神楽 琴音@カレイド四期生お喋り担当


反省会で済むんや!?

ウチならお祓い案件やったで!?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「元気ですね」


「だからそこじゃないんです」


「一体何を祓うんでしょうか?」


「……自分……ですかね……?」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

橘 リンカ@カレイド・スフィア四期生


反省会内容の共有を希望

検証データとして有益と判断


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「共有する予定はありますか?」


「ありません」


「それは良かった」


「……ホントに思ってます?」




―――――――――――――――――――――――――――――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

星乃 アーク@カレイドの道標


マネージャー?

ほどほどにな?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「何故私が悪い側みたいになってるんでしょう……?」


「お疲れ様です」


「早川さんが原因だと言うことをお忘れなきようお願いしますね……??」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

月夜 ルナ@夢への案内人


マネージャーさんお疲れ様です。

落ち着いてお話してあげてくださいね


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「ルナさんは優しい————ってこれよく見たら私がブチギレてる前提……??」


「……『私』ってそんな風に思われることしました……?」


「報連相ができてないという点で言えば」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

蒼吹 眠@カレイド三期生〜睡眠大魔神〜


流石ボクの子供は反省部屋に呼ばれるのも早いなぁ

将来有望だね


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「生みの親の責任を取ってもらいましょうか……」


「……?先輩から生まれてませんが?」


「言葉のあやと言うものです」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

白百合すず@今日ものんびり勉強中


アーカイブ見返してみたけどどうやってるのかわかんなかったなぁ

反省会ってことは振り返りかなぁ?

頑張れ〜新人ちゃ〜ん!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「カレイド・スフィアが誇る知識担当です」


「……分からないとおっしゃっていますが?」


「知識で解決できないこともあります……」




―――――――――――――――――――――――――――――


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

向日葵ひなた@皆の太陽


ミラちゃん反省会!?

一人で五人分オトクなんだから許してあげてっ!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「『私』お得商品になりました」


「……多分お得ってそういう意味じゃない気もしますが……」


「全員『真似したら』もっとお得に————」


「やめましょう」




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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

緋崎隼人@今日も雑談中


新人の初配信でやる内容じゃなかったもんな?

反省会ってことは多分突発的にやったな?

マネージャーに優しくてやれよ?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

―――――――――――――――――――――――――――――




「相談していないだけで突発的という訳ではなかったんですけどね」


「世間ではそれを突発的と言います……」


「そうでしたか」


「はい……」






「————というわけで」


神代さんはパソコンを閉じた。

『僕』の方でも軽く確認してみたところカレイド・スフィア所属の人たちは全員が反応を返してくれているようだ。


「見ての通り皆さん早川さんに興味津々です」


「興味を持っていただけるのはありがたいことですね」


「はい。ありがたいことです

————ですが……」


ジトっとした視線が神代さんから『僕』に向けられる。

板につきすぎてその表情がデフォルトにならないことを願おう。


「ですが?」


「次に何かする時は?」


「……相談、します」


「よろしいです」


『僕』から発せられた言葉に頷くと神代さんは満足したのか微笑みを浮かべる。


「これから忙しくなりますよ」


「そうですか」


「そうです」


神代さんはどこか楽しそうに、けれど少しだけ疲れた顔で笑う。


「カレイド・スフィア四期生、空音ミラの活動はここから始まっていきます」


「……始まり……」


「はい。

そして……最後に一つだけ」


「なんでしょうか?」


神代さんは少し考えるように腕を軽く組む。

どうやら何か言葉を選んでいるようで何の話がされるのかと無言で待った。


「早川さん。

————()()()()()()()()()()()()()()


「自覚、ですか……?」


「はい」


神代さんはモニターを軽く叩く。

それは今日の反省会の内容を思い出してくれという意図を感じる。


「普通の新人VTuberは初配信の翌日にこんなことになりません」


「そうなんですか」


「そうなんです。

同期が混乱……先輩が反応してくれるのはよくあります」


前半の内容には神代さんは自分で言っておきながらなんとも言えなかったようで誤魔化すような口ぶりだった。


「間違いなく視聴者が考察動画を、しかも複数の人が作り始めて配信内容について社内で面接官がドヤ顔し始めることもありません」


「なるほど」


「なるほどじゃないんです」


神代さんは深く息を吐いた。

そして少しだけ笑う。


「————【空音 ミラ】はもう普通の新人としては見られないでしょう」


部屋が静かになる。

『俺』はその言葉を考える。

————普通の新人ではない。

それは良いことなのだろうか。

悪いことなのだろうか。


「……そうなんですか」


「はい。

————だからこそ」


そして少しだけ優しく笑った。


「次ももっと大勢を驚かせてください」


()()()()()()()


『僕』の言葉に含みがあるように聞こえたのか神代さんが途端に顔色を変えてワタワタし始める。


「ちゃ、ちゃんと相談!相談してくださいね!?」


「分かってますよ」


『私』はそんな神代さんを安心させるように微笑み返すのであった。






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