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ひぐらしの鳴く
通り行く人の中にもあの人がいるんじゃないかと目が追う黄昏
星月夜、迷子になって泣きながら親さがす目で私をみた君
カステラを空と海とにたとえつつ食べた彼女が今も好きです
庭先へ西瓜の種を飛ばしてた田舎の夏で聴いたひぐらし
並列の電池のように君と僕、永くゆったり生きてゆきたい
ただ生きているだけなのに降りつもる金属疲労のような悲しみ
トマトという名の銀行があると知る、単身赴任をエンジョイしようか
ただ君に会いたい気持ちを依存という病いみたいに言ってくれるな