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旅立ちの日に、震える言の葉
ねころがる
夏 ワンルーム 板の間で
金魚 数えず 孤りと言います
どの蝉が
朝から晩まで鳴くのかが
わからないから、うるさい太陽
初キッス
とおいむかしの純真を
わかってほしくて貴女に話した
その光り
恋の時間と定めずに
色っぽい罪 咲いて こぼれる
この闇を
大好きなんだという貴女
すこし斜めの、キスをしたがる
夏の海
海面に咲く白い花
霧笛 桟橋 波しぶき 罪
この国を
棄てたといってみたかった
旅立ちの日に 震える言の葉
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お読みくださり、誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。
でわ。