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ふられて泣くのは、乙女の名折れよ
ただいちど
やわらか戦車に乗れた夜、
君から涙とキスをもらった
無言でも
過ぎてゆくただ蒼い顔、
胸に秘めたる祖国切る剣
目の前の
ガラスが息で曇るから
叩き割りたい、あなたに逢いたい
目の前の
窓が吐息で曇っても
待ってるあなたの名前は書かない
バーガーを
半分切るときピクルスは
全部あなたに差し上げますから
この恋も
忘れられないほどじゃない、
なんてつよがり身を焦がす蝶
いまという
時を楽しみ生きている
ふられて泣くのは乙女の名折れよ