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闇堕ちのうた
独りいる
冷たい部屋の板の間で
猫も一人と数えてもいい?
蟻たちの
朝から晩まで動くさま
見習いたい夏、爛れる愛欲
くちの奥
置かれたまことの純真を
わかってほしいと瞳で告げたい
過去がいま
罪の一夜を鮮明に
サーチライトみたいに照らして
この闇を
あたりまえだと言われたら
すこし軽めのウインクをする
冬の海
消えそうな花が咲き
海鳴り 海潮 海しぶき 雨
この国に
サラバといってみたいけど
天に唾はく獣になりそう
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お読みくださり誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。
でわ。