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―X.
ずる……
地面から白い腕が伸びる。それは種が芽吹くようにゆっくりと、しかし今にも枯れそうな脆弱さである。
やがて肩が、首が大地から這い出し、足の先まで出たところで、ようやく呼吸する。
視界にぼんやりと映るのは、星明りの元で静かに輝きながらたゆたう湖面。
―――寒い……
固まっていた身体にようやく立ち上がる力が戻ってきた時、傍らに突き刺さっているサーベルに気付いた。そして理解する―――その意味を。
「は……あ……」
声はろくに出ない。ただ涙だけが頬を伝い、泥を洗い流していった。




