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魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第6章 お城
33/50

33.晩餐

 ちょっといろいろあって・・・・落ち込み気味ですが、なんとか第33話あげました。辛いことがあっても、頑張って書く。これしかないんです。他に方法はないんです。ごめんなさい。って言っても通じないかも知れませんが、きっとこれでいいんですよね?(遠い目)


 僕たちは夕餉を呼びに来た召使いと一緒に牢屋を後にした。

もうその頃では、部屋のあちこちでこっそりと作戦が練られていた。

脱出方法、武器の入手方法、人数の確認、誰が指揮をとるのか・・・

そんな様子を見て、僕は安堵した。

 絶望にうちひしがれているのではなく、運命に前向きに闘うこと。

村の人たちがその姿勢を取り戻すこと。

端的に言えば、これがやってきた目的だったからだ。

後はほんの少しの手助けときっかけさえあれば・・・・・


 暗くなり、照明の行き届かない城内は薄暗い。

クロエは僕のそばにくっついている。


「ヤーコブ様、なんだか怖いです・・」

 ろうそくの揺れ動く明かりは、自分の影すら怪物のように蠢かす。


「クロエは恐がりなのね・・・・」

 佑衣さん、ちょっと意地悪モード。


「ラバはビビリだけど、怖くないの?」

 矛先をこっちに向けましたか。


「自分の影にはビビリませんが、これからどうなるかはちょっと怖いです」


 大広間の扉をくぐると、そこは別世界だった。

こうこうと煌めくガスランプの明かり。

白い布を多用した室内は反射で明るく照らされている。

大テーブルの上には、ご馳走の山。

花や装飾品が食卓を飾り、食器やグラスが煌びやか。

僕たち一人一人に給仕やサービス係が付いてくる。


「オネクターブがいない・・・んですか?」

「そちたちと余だけの夕餉にしろと命じた」


 普通なら乾杯で賑やかに宴が始まるところだけど、

伯爵のグラスが静かに持ち上げられることでスタート。

僕も佑衣さんもクロエもむさぼり食った。飲んだ。

品がないけど、洞窟で最後の食料を食べて以来、何も口にしていなかったのだから。

次々と運ばれる料理は、豪華で美味。


 でも、そんな料理を前にしても、伯爵は静かにグラスを傾けているだけ。

(食べないのだろうか・・・・いや、それより、オネクターブがいない、今、

ここで伯爵に襲いかかって、人質にすれば、村の人の解放も、復讐も

一気に片が付くチャンスじゃないか・・・)

 グラスを片手に、口いっぱい料理をほおばった佑衣さんが僕に抱きついてくる。


「ラバぁ、なんておいしい料理だろうねえ・・・食べてる?」

 赤い顔の佑衣さん、酔っぱらいだあ。また飲み過ぎてる。


「ラバ、あんた、変なこと考えてるでしょ」

 しがみついた佑衣さんが小声で囁く。


「気がついてないの?ここのみんな、服の下に武器を隠してるの」

 僕は慌てて周りを見た。

 スカートの膨らみ、上着から覗く剣、ズボンの横の膨らみ。

にこやかな表情とは裏腹に、その視線は鋭い。


「柱の影とか壁の向こうにも隠れている雰囲気、ありありよ。ちょっとでも変な動きがあれば、串刺しになること間違いなし。今は・・・」

 そういうと、佑衣さんは大声で叫ぶ。


「こんなおいしい料理、こっちの世界に来て初めてなんだから思いっきり食べなきゃ!オネクターブがあんな肥満体になるのが、理解できたわあ!」


 騒ぐ僕たちには目もくれず、伯爵はグラスを傾ける。

いや、伯爵の目は魔来子さんに注視している。

魔来子さんはその視線に耐えながら、黙々と食べている。

時折、伯爵の様子をうかがうように視線をあげている。


「・・・・本当に似ているな・・・・」

 伯爵の独り言。


「伯爵様、前にもそのようなことを。私はどなたに似ているとおっしゃりたいのでしょう」

 食べ終えた魔来子さんがグラスを持って問いかける。


「・・・昔のこと。我が心にとまった少女がいた。その少女は消えてしまった。

しかし我が心には永遠に残っている。その少女に似ているというのだ・・・・」

 

 魔来子さんは笑う。

「いくらなんでも、少女と呼ばれる歳ではございませんわ。私ごときでは、

その心の少女にもご迷惑な話でございましょう。他人のそら似というものでございます」


「・・・そのとおりだ。髪の色も、瞳の色も違う。だが、あのときの少女が成長していれば、きっとそなたのような美しい女性になっておるのだろうかと・・・

いや、余迷い事だ。忘れてくれ・・・・食事には満足されたか・・・では、そろそろお開きということに・・・・」


   ◇     ◇     ◇     


 さらに僕たちを驚かせたもの。

食堂の後、案内されたのが、立派な客間の見事なベッド。

どう考えたって、捕虜と言うよりはお客様扱いじゃないか。


「クロエ・・・・クロエ、ヤーコブ様と一緒に寝たいけど・・・・・それ以上に、父さま、母さまと久しぶりに一緒に寝たい・・・・ヤーコブ様、ごめんなさい・・・・・」

 ううん、それが当然だと僕も思うよ。

召使いに案内されて、クロエは部屋を出ていった。


 久しぶりにベッドじゃないか・・・・

ぐっすりと眠ることが出来そうだ。

あ・・・ベッドが二つ?

で、でも、僕と佑衣さんと魔来子さんの三人だよね・・?

つまり、誰かは二人一緒に寝ることになるんだよね?

普通、佑衣さんと魔来子さんが一緒だよね・・・・


「申し訳ありませんが、今夜は私一人で眠らせていただけませんか?そちらのベッドで佑衣様、ラバ様でお休みいただくと言うことで。ごめんなさい。今夜は無理を言って申し訳ありません」

 珍しく、魔来子さんがそう主張する。


 え、僕はかまいませんが、ゆ、佑衣さんと同じベッドで眠る・・・?そう想像した瞬間!

佑衣さんの蹴りが股間に・・・・・・・ジゴク!な、なんて事を・・・!!


「バカラバは、発情期の犬みたいに腰振ってんじゃないわよ。犬は床で寝ればいいの、床で!」


さて、次回の予告。


 久しぶりに佑衣さんの蹴りが炸裂!でも、イタイよ、これは・・・

 次回: 第6章 城 第34話 幽霊

 刮目して待てっ!

 (サブタイトルは変更の可能性があります。ご了承下さい)



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