『紫の夜と月光の刃』
十月の夜風は冷たく、静まり返った後宮の廊下に吹き抜けていた。
自室のベッドに横たわりながら、皇女シンシアは天井の暗がりをじっと見つめていた。胸の奥を焦りとも不安ともつかぬ冷や汗が撫でていく。寝返りを打っても、重く沈んだ胸騒ぎは消えてくれない。
——夕食の折、母であり皇后であるリゼリアが漏らした一言が、どうしても頭から離れなかったのだ。
『今夜は……どうしたことでしょう。胸がざわついて落ち着きませんの』
優美な磁器のティーカップを置く母の細い指先が、かすかに震えていたのをシンシアは見逃さなかった。母の予知にも似た直感は、これまで何度も帝国の危機を知らせてきた。
そのとき、薄絹の帳とばりを透かして差し込んでいた清廉な月光が、にわかに変色した。
淡い銀色だった光線が、濁った妖しい赤紫色へと染まっていく。
「……ッ!」
シンシアは跳ね起きると、枕元に置いていたクリスタルロッド『空斬水鏡くうざんすいきょう』を手にした。透き通る結晶の奥で、蒼い水光が静かに脈動している。
窓辺へ駆け寄り、夜空を見上げた彼女は息をのんだ。
天を覆うのは、まがまがしく揺らめく赤紫色のオーロラ。星々は闇に呑まれ、不気味な光芒が帝都を舐めるように照らしていた。
「水明宮すいめいきゅう……!」
シンシアの脳裏に、ココロギの言葉が鮮烈に蘇る。 ——『秘密結社黒山羊』が真に狙っているのは、彼らの脅威である貴妃セシリア様です——。
度重なる不可解な襲撃。そのすべての渦中にいたのはセシリアだった。
「セシリア様、どうか無事で……!」
シンシアはドレスの裾を翻し、夜の廊下へと飛び出した。シルクの靴底が廊下を叩く音だけが、静寂を破って響き渡る。彼女は風を纏い、全力で水明宮へと疾走した。
◇
一方、四つ葉堂の静寂の中で、ココロギは冷や汗を額に浮かべていた。
「……なぜ?くっ……!」
手にした錫杖しゃくじょうの柄を固く握りしめ、歯噛みする。七月に発生した紫の結界は、ひとたび念を込めれば薄氷のように容易く打ち砕くことができた。しかし今、目の前の空気を覆う粘質な気配は、彼女の放つ念力をあざ笑うかのように弾き返していたのだ。
動揺が波紋のように広がる。
(この硬度……いや、性質そのものが変わっているの……!?)
焦りを押し殺し、もう一度渾身の念を錫杖へ注ぎ込もうと息を整えた——まさにその瞬間。
ゴロゴロゴロゴロ!!
春宮の方向から、天地を揺るがすような落雷の轟音が響き渡った。直後、天を突くまばゆい光の帯が夜空を切り裂く。
「シェルランテ様……!」
ココロギは目を見開いた。彼女が結界の核を破壊してくれたのだ。
かつて二度の結界破壊では、まるで繊細な薄ガラスが「パリン」と儚く砕け散るような音がした。だが今回は違った。粘着性のある禍々しい液体に、極上の石鹸水を垂らしたかのように、紫の膜がどろりと溶解し、消えてゆくようである。
(観察している暇はない……!)
結界が霧散した一瞬の隙を逃さず、ココロギは空間転移する。
彼女の姿は揺らめく光の粒子となり、水明宮の庭園へと姿を消した。
◇
水明宮の庭園は、すでに地獄の相を呈していた。
「ハッ……く……っ!」
貴妃セシリアは、荒い息を吐きながら美しくもしなやかな肢体を躍らせていた。しかし、その表情にいつもの不敵な余裕はない。
彼女を取り囲んでいるのは、正気を失い、瞳を濁らせた無数の帝国兵士たち。彼らの全身からは、粘着質な紫の怨気が立ち上っていた。
先の「クリスタルヘイム」での戦いでは圧倒的な力を見せつけたセシリアだったが、今夜は極めて不利な状況に追い込まれていた。兵士たちの前方に強固な結界障壁が展張されており、前回使用した『空間転移で敵を遠方へ飛ばす』がことごとく遮断されていたのだ。転移が使えぬ以上、力ずくで群がる大軍を相手にするしかない。すでに彼女の絢爛なドレスは切り裂かれ、白皙の肌には痛々しい朱の筋が幾本も走っていた。
「セシリア様——ッ!」
凛とした叫びとともに、空間が歪み、シンシアとココロギが疾風のごとく参戦した。
「背後からの空間転移なら通るはずです!」 ココロギが短く叫び、錫杖を振るう。
シャリン、シャリン——
涼やかな澄んだ金属音が夜気に響くたび、セシリアに襲いかからんとしていた兵士たちが次々と空間の歪みに呑まれ、消去されていく。
だが、敵の数が多すぎる。次から次へと溢れ出す紫の兵士たちに、セシリアの体力が限界に近づいていた。
「セシリア様を助けないと!」
シンシアは『空斬水鏡』を固く握りしめ、しなやかな動作で大空を薙いだ。クリスタルの錫杖から放たれた無数の真空刃が、不可視の嵐となって敵陣を切り裂いていく。
しかし、その背後——。
音もなく忍び寄る禍々しい気配に、シンシアの背筋が凍りついた。
振り返ると、全身に狂おしい紫のオーラを揺らめかせた貴族風の男が、歪んだ笑みを浮かべて剣を構えていた。その瞳には獰猛な殺意が宿っている。
「前回の戦いでは、あの女にえらい目に遭わされましてねぇ……。復讐のために這い戻ってきましたよ、可愛らしい皇女様」
男は舐めるようにシンシアを見つめ、せせら笑った。
「まずは貴女から……血祭りにあげて差し上げましょうかねぇ!」
男は地を蹴り、驚異的な踏み込みでシンシアへ突進した——はずだった。
「……え?」
男の顔から笑みが消えた。 どれほど脚に力を込めようとも、体が前進しない。まるで底なしの泥沼の中を這っているかのように、その動きは滑稽なほど緩慢になっていた。
シンシアの持つ『空斬水鏡』の先端から、目に見えるほどの凄まじい向かい風が爆風となって叩きつけられていたのだ。
「ぐっ……! なんて風だ。す、進まん……!?」
男は顔を歪め、青筋を立てて強風に立ち向かおうと躍起になった。かつてセシリアによって極寒の北極点へ叩き飛ばされた屈辱と怨念が、彼を泥臭く前へ押し動かそうとする。どれほど激しい暴風を受けようとも、執念でシンシアの喉元へ届こうと足掻く。
その必死で不気味な形相がじわじわと迫ってくる恐怖に、シンシアの忍耐は限界を迎えた。
「嫌ッ! 来ないで……っ、あっち行ってえぇぇッ!!」
半ばパニックになった皇女の叫びとともに、『空斬水鏡』から解き放たれた風は絶大な暴風へと変貌した。
「がぁぁぁぁぁッ!?」
男の体はあっけなく宙を舞い、後方へと猛烈な勢いで吹き飛ばされていった。
そこへ、重厚な甲冑の音を響かせて皇帝イリアードと皇太子リアムが駆けつける。
◇
皇帝たちの到着を確認したシンシアは、すぐさまセシリアの救助へと転じた。
ココロギの念創によって作られた錫杖『空斬水鏡』。近接戦を一切必要とせず、間合いの外から敵を断ち切るその威力を、シンシアは遺憾なく発揮する。
「はぁぁッ!」
大きく振り抜かれたクリスタルロッド。生じた巨大な竜巻が、セシリアへ群がっていた兵士の半数を一網打尽にして連れ去った。
退路と視界が開けたことで、セシリアは土壇場で絶望的な劣勢を挽回した。
「よくも……やってくれたわね……っ!」
セシリアは残る敵へ向けて凄まじい攻勢に転じた。しかし、いつもの華麗で無傷な立ち回りとは程遠く、全身傷だらけである。最後の敵をその手で叩き伏せた瞬間、疲労困憊に達した貴妃は糸が切れた人形のように両膝を折り、冷たい石畳の上へと崩れ落ちた。
「セシリア様!」
シンシアとココロギが素早く駆け寄り、抱き起こす。
ココロギはすぐさま深く息を吸い、掌を彼女の傷口にかざした。温かな白い念の光がセシリアの体を包み込み、痛々しい傷を急速に癒やしていく。
すると、青ざめていたセシリアがうっすらと目を開け、かすれた声で呟いた。
「……せっかく念を使って治してくれるなら、ついでに……美肌にしてちょうだい……」
死線から生還したばかりとは思えないおねだりに、ココロギは、破顔して深く首を垂れた。
「かしこまりました。……10歳ほど若返る特別仕上げにしておきますね!」
軽妙なやり取りが交わされる中、セシリアの頬にみるみるうちに赤みが差し、規則正しい呼吸が戻ってきた。傷跡が消え去った肌は、もとからの美貌ゆえか、はたまたココロギの念の妙技によるものか、年齢を疑うほどの圧倒的な透明感と艶やかさを取り戻していた。
「セシリア、大丈夫か!」
そこへ、先ほど吹き飛ばされた紫オーラの男にとどめを刺してきた皇帝イリアードが息を切らせて駆けつけてきた。男は皇帝の威厳あふれる一撃の前に、大した見せ場もないまま息絶えたようだった。
月を見上げれば、禍々しい赤紫のオーロラは次第に薄れ、澄んだ銀の月光が再び水明宮を優しく照らし始めていた。
戦いの終わりを告げる静かな夜空の下、安堵したシンシアの口元に、小さな微笑みが浮かんでいた。
《 登場人物一覧》
【親王家・アルヴェリア親王家】
• ルシア(ルシア・フォン・セレスティア / 巫女ルナ)
イリアードとセシリアの娘で転生者。
空間や物質の操作・修復・回復、空間跳躍など強大な異能と稀代の軍略を操る。
義賊『六棘の霜華』や『真理の光教団』の巫女「ルナ」として暗躍し、『聖ゲンドラス教国』の聖騎士団長を極秘裏に務め、裏から大陸の歴史を動かす。数年前に帝都の結界を破るために命を落としたが、のちに「シェルランテ」として転生・復活を果たした。
• イリアード・フォン・セレスティア
セレスティア親王であり、アルストラーナ帝国軍の総大将。先帝アラリックの腹違いの弟。
「軍神」と称される冷徹かつ無双の武勇を持つ指揮官。愛娘ルシアを溺愛しており、彼女の危機には理性を失い「鬼神」と化す。のちに「大元帥」に就任。第15代アルストラーナ皇帝に即位した。
• セシリア・リヴィエール
イリアードの側室(貴妃)でルシアの母。「水明将軍」の称号と軍権を持つ。
念話や念動に加え、無から植物・花々を生み出す能力を持つ。ルシアの演出により、ノバージェの民を救う女神『紫苑のヴィオレット(月姫)』を演じた。
• リゼリア・リヴィエール
イリアードの正妃(皇后)で、リアムとシンシアの母。「水鏡将軍」の称号を持つ。
念話・念視・予知の異能を司り、ルシアの計画の意図を一瞬で見抜くよき理解者。
• リアム・フォン・セレスティア
イリアードとリゼリアの息子でルシアの異母兄(のちに皇太子)。
16歳で初陣を飾り、混戦を切り裂いてグラッデェ皇帝ベグ・バールを捕縛した武功(実際は気絶したベグを縛り上げた)により最年少将軍に就任、聖剣アウレリウスを賜る。シンシアの兄。シェルランテとソルンの父。
• シンシア・フォン・セレスティア
イリアードとリゼリアの次女(ルシアの異母妹)。異能を持たない「普通の女の子」として育ち、後宮でココロギの元へ通う。シェルランテを抱き上げた事により、異能の門が開かれて、覚醒を果たした。
・フェリス
シンシアが可愛がっている純白の鷹。シンシアの要望によって、ココロギが初めて念創によって制作した生命体。卵の状態で発現した為にシンシアが懐で温めて孵化した。シンシアを鳥と思っているか、自分は人間と思っているかのどちらかである。高慢で我儘で天邪鬼なので、制作者のココロギは失敗作だと思っているが、シンシアはこの貴公子然とした、変な鳥を気に入って可愛がっている。シンシアを守るために命を惜しまない特攻をする為に、ココロギにより試行錯誤した法具が、装着させられている。
・シェルランテ・フォン・アルストラーナ(白鷺姫)
皇太子リアムと皇太子妃シルヴィアの間に生まれた皇女。生まれた直後から強力な念動・念力を発散させ、ルシアの生まれ変わり(転生)としての記憶と意図を秘めている。誕生時に住まいの春宮にて白鷺が住み着いたことから白鷺姫と呼ばれるようになった。
【親王家を取り巻く人々・一族】
• フレデリカ・リヴィエール
大一族リヴィエールの長老でイリアードの母(皇太后)。かつて先帝の『御前琴師』であった。街や宮殿を創り出せる突出した異能の持ち主で、ルシアの最大の理解者。
• ベルナデット
完璧主義者の侍女。20歳で結婚し旅立った後、リヴィエール本家に嫁ぎ、リヴィエール商会・リヴィエール銀行を総括するリヴィエール財団の理事として大陸全土をコントロールする。
• エミーナ
セシリアとルシアに仕えた侍女。ルシアの空間跳躍を追える強大な異能を持ち、軍服を纏って戦場に赴き、決死隊の高速艦『ブラッド・エミーナ』にその名を残す。聖ゲンドラス教国にて『神託の聖母』として君臨している。
• ロゼッタ
リゼリアやセシリアに仕えた元侍女。
• ベルトト
皇后リゼリアの側近であり、熟練の女官長。セシリアやルシア、リアムの世話をする完璧主義者。ベルナデットの妹で、リヴィエール一族の娘。
【聖ゲンドラス教国・真理の光教団】
• ゲンドラス・サイリュン(崔厳)
『真理の光教団』の教祖であり『聖ゲンドラス教国』の教皇。ココロギとアレスの父。ルシアの下僕として神々しい威厳と沈黙で信者を平伏させ、表面上の統治を行う。
• ココロギ(ココロギ・サイリュン / 崔心木 / 四つ葉様)
教皇ゲンドラスの実子で、後宮の『四つ葉堂』の巫女。リヴィエール一族の血を引き、空間跳躍や護符生成の異能を持つが、極度のパニックや生理現象で暴走・誤作動させることが多い気弱で優しい少女。のちに大水没の危機を救う。法具・神器の開発に優れており、失敗も多いが唯一無二のアイテムを生み出す。
• ヴォルフラム・フェイ
アンチアルマ大聖堂の枢機卿。元・吟遊詩人かつ一騎当千の凄腕の剣士。ルシアたちと合流・共闘する冷徹な知識人。
• スライロ・ハリス
かつて滅亡したダラーン王国の元大臣(「至高の頭脳」)。ルシアの異能と我儘により、サンブリア大聖堂の司教に据えられる。
• カシアン・ヴァロア
かつての大遠征に失敗した元宦官(42歳の大提督)。敗戦後に名誉の戦死を装い、ルシアの手配によりシューコルン司教やオクタヴィア大聖堂司教を歴任。
• ジル・オテ(旧名:ジルグード):元オテゲン皇国第4王子。11年前に燕国を占拠(鳳山城を占領・籠城)するもルシアに敗北し、半ば強制的に改心させられて聖ゲンドラス教国の司教となる。
• ビー・スー
ディヌイヤ王国から随行した丸盾使いの青年。ディヌイヤ・ラーナ公国の司教。冷静沈着な判断力でルシアの護衛や参謀、ココロギの協力者を務める。
【アルストラーナ帝国皇室・他国関係者】
• アラリック
アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)第14代皇帝。イリアードの腹違いの兄で、冷徹かつ厳格な支配者。弟イリアードを非常に好いており、彼を帝都に留めるために「大元帥」の職を新設・授与した。
• シルヴィア・フォン・アルストラーナ
アラリックの第6皇女で、リアムの正妻(皇太子妃)。シェルランテの母。
• ルネッタ・リヴィエール
セシリアの実妹で、アラリック皇帝の徳妃(22歳)。帝都後宮の「翡翠宮」に住まう。
• ロザリア
アラリックの皇后。没落したシュタインベルク家の出身。紫の異能(黒山羊結社・天信教の暗黒の力)に侵され狂気に陥る。
• イスファ
アラリックとルネッタの間に生まれた第4皇子(4歳)。絵が得意だったが、紫の異能に支配され惨劇を引き起こす。
• イスマ
アラリックとロザリアの間に生まれた第二皇子(皇太子、8歳)。異能に狂ったイスファに殺害される。
• アルベール&エレノア
セシリアとルネッタの両親。アルベールはリヴィエール商会ルミナリア支社長。
• ボロ・ディヌイヤ
南南海の覇者であるディヌイヤ王国国王。圧倒的な威厳を持ち、ルシアと旧知の仲であり密約(通商条約)を結ぶ。
• アレス・マクウェン
セレスティア水軍の若き優秀な副官で、特攻艦『ブラッド・エミーナ』の元艦長。エミーナに想いを寄せる。
• ヴァレリオ・フォン・ボルゲーゼ
72歳の老将で帝国太尉・征西将軍。ヴェロニカ砦にて敵将を討ち取る。
• リョウ・マルディ
ノバージェ共和国の有力金融家で最高執政官ドージェ。莫大な債務で国を支配したが、ルシアたちに倒される。
【敵対組織・その他の勢力】
• エスゲイ・バール
中央高原を支配するバール朝グラッデェ帝国の隻眼の覇王。ベグ・バールの父。前年5月に『六棘の霜華』によって暗殺された。
• ベグ・バール
エスゲイの次男で、バール朝グラッデェ帝国の皇帝。父の復讐のため50万の大軍を率いてアルストラーナへ侵攻するが、ルシアとリアムに敗れて捕縛される。
• カサル
エスゲイの弟で大将軍。領地を焦土化する暴挙を行うが、ヴィオに首を討たれる。
• カルヴァル
古都ラーナの天信教総主教。ルシアによって権威を失墜させられ降伏する。
• アルノルト
天信教の老総主教。虚無の終焉と「救世主の死」を望み、禍々しい禁忌の術式を行う。
• アルカディアス
帝国の影で暗躍する『黒山羊結社』の頂点であり、天信教の真の黒幕である初老の男。
《用語集一覧》
【地理・舞台・施設】
• アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)
作中の舞台となる強大な大帝国。
• セレスティア親王国
アルストラーナ帝国領内の親王国で、イリアードが治める領地。
• アクアパレス
セレスティア親王領の首都。「水の都」と呼ばれ、運河網が縦横無尽に走る。
• フロスト・ヴァイス城
アクアパレス内にある城で、親王府の拠点(居城)。離宮や本城、広大な庭園を備える。
• 常緑宮
フロスト・ヴァイス城内にある本宮で、親王妃リゼリアが滞在する居室。
• ルシア宮
生後6ヶ月のルシアが異能(念創)によって無意識に生み出した、ガラスと白大理石でできた幻想的な小宮殿。
• 蓮花宮
アクアパレス内にあるフレデリカの居宮。フレデリカの異能によって作られた大輪の蓮が咲く幻想的な宮殿。
• 花の都ルミナリア
300年間戦火を免れてきた花と芸術の都市でセシリアの故郷。表面上の繁栄の裏で深刻な貧富の格差が固定化している。
• エレスティアル山
ルミナリア郊外にある単峰。見栄えの良さから『聖なる山』扱いされ、聖地巡礼に活用される。
• エレスティアル大聖堂
ルミナリアの西にある城を買い取り、ルシアの資金と指示によって改造された「真理の光教団」の本山。
• 帝都ラーナ(白亜宮)
古代文明の発祥地でありアルストラーナ帝国の首都。中央に皇帝の居城である壮麗な「白亜宮」が聳え立つ。
• 翡翠宮
帝都ラ都市。
• ガザルカガンド
中央高原におけるグラッデェ遊牧民族の本拠地・交易都市。ガザルカガンド会戦により陥落・焼亡する。
• アシュウェスト
大運河とアシュロン川が交差する物流・交易の要衝。裏社会の「五大商人」が牛耳っており、水底には大洪水で沈んだ旧大聖堂が眠る。
• アルヴェリア
かつて未曽有の水害・大洪水によって沈み、長年不毛の湿地帯となっていた禁忌の地。
• ディヌイヤ王国
南洋の果てに存在する、独自の巨石文化と褐色の肌の民を持つ巨大人間王国。
• シューコルン
大陸中の富や高級香辛料、絹が集まる有数の港湾都市。「金と欲望が渦巻く自由の都」で、南洋・西海貿易の重要拠点。
• ノバージェ共和国
金融・債務取引で繁栄していたが、「裕福なる貧困」に陥った国家。ルシアの計画により「聖ゲンドラス教国」へと再編される。
【組織・勢力】
• 真理の光教団
貧民や被搾取層を救済する名目でルシアが創設した新興宗教。裏で莫大な富と資金を回収・循環させるポンプの役割を果たす。
• 四つ葉のクローバー
聖ゲンドラス教国および真理の光教団のシンボルで、ルシアが率いる組織の象徴。
• 六棘の霜華
雪と霜の結晶を刺繍したフード付きローブを纏う神出鬼没の義賊。ルシアとヴィオの仮の姿。
• バール朝グラッデェ帝国
騎馬民族グラッデェの征服者ベグ・バールが打ち立てた、中央高原を支配する帝国。
• 黒山羊結社
三つの目を持つ黒山羊の銀紋章を掲げ、古代の「原始の力」や呪詛を用いて帝国の影で暗躍する狂信的な秘密組織。
• 天信教
アルノルトやカルヴァルが属する宗教組織。
• リヴィエール商会
一族が運営する巨大な商業組織。教団が回収した資金を専属取引で吸い上げ、正規の税として帝国国庫へ還元する仕組みを担う。
【血統・能力】
• リヴィエールの血(異能)
リヴィエール一族に発現する超常の力。瞬間移動(空間跳躍)、念動、念視、予知、治癒、無からの生成(念創)など多岐にわたる。
• 念創
無から有を生み出し、記憶やイメージ通りの物質や衣服、建造物を瞬時に創造・構成する異能。
【武器・アイテム・特殊設定】
• 短錫杖 / 長柄の錫杖(仕込み剣)
• ルシアとヴィオが携える武器。短錫杖は金環がついた打撃用法具。
• 長柄の錫杖は、柄を捻ると長剣が抜け、柄と石突き部分が強固な鞘となる両手生殺の仕込み杖。
・破邪顕正
『神託の聖母』エミーナの錫杖。ココロギとセシリアが協力して、聖剣アウレリアスと黄金の獅子剣、両方を模して制作した錫杖。四つ葉の象徴らしく緑色のオーラを放つ。
・光華法錫
貴妃セシリアの錫杖。ココロギが黄金の獅子剣を模して製作した錫杖。
・旭日神劫
ココロギの錫杖。ココロギの宙属性が『大地(地球)』の属性であるため、『太陽』の属性でなくても強力な力を発揮できるよう、法華法錫を魔改造した錫杖。
太陽光を集光し倍化して照射する為に、地上にある物質すべてを炭化・気化させてしまう。杖頭が四つ葉の形をしている為に大きなハエ叩きか。布団叩きに見える。
・朧三日月
月華の錫杖。シンシアの錫杖。ココロギの失敗作で旭日神劫を作った際に、
属性が真逆の月属性に極振りしてしまって完成した錫杖。未知の武器・神器であるが、
月属性のシンシアと非常に相性が良く、攻守共に多彩な現象を発生させることが確認されている。ただし、シンシアの戦闘時の美意識の為にストロング&アグレッシブなミタマとの手合いでは負けてしまう場面も多い。ただしシンシアの美意識に見合って、この錫杖を振り抜くと光の塵が四散して大変美しく幻想的な光景が見る事が出来る。
この錫杖に人体が叩かれると、血も出さず光の屑と共に雲散霧消する。
・空斬水鏡
ミタマのクリスタルロッドの短錫杖。当初、風属性のシンシアがこの錫杖を愛用していたが、東雲煌竜の完成と朧三日月の完成(?)を経て、ミタマが使う事となった。
ミタマ自身は水属性であるが、東雲煌竜と合わせて、どんな属性の敵にも対応できるようになった。両手生殺で使用し、繋ぎ合わせると長柄の東雲水鏡となる。
・東雲煌竜
火属性のクリスタルロッド。ミタマとツルギが使用している。
・東雲杓子
シェルランテが東雲煌竜を見て、ココロギに作ってもらったクリスタルロッド。
一見、幼女が喜びそうな、光るだけのクリスタルロッドに見えるが、秘密がありそうである。
・竜鱗盾
殉教したビー・スーが愛用していた丸盾を、ココロギが改良した盾。
念を込めた翡翠を無数に埋め込んであり、それが龍の鱗に見える。
最強の盾を目指して作られた。
・雷丸
『恐ろしき危機が訪れた時の為の雷丸』
通称『雷丸』
思い切り吹くと雷攻撃できる笛。
• 聖剣アウレリウス
オーレリア皇帝直属の伝説的な名剣。真の英雄としてリアムに授与される。
• 黄金の獅子剣
大元帥イリアードが携える大刀。真の力を解放すると眩い黄金の闘気を噴出させる。
• 神秘札・護符
ココロギやルシアが異能の力でその場で作る紙片。受け取った者の悩みを解決する注意書きや治癒・保護の奇跡をもたらす。
• 紫炎石
黒山羊結社が人工的に生み出した物質。強力な結界の展開や他者への精神憑依を可能にする。
• 心木
『真理の光教団』の教義において、世界や生命の魂をつなぎ止め、心(感情・意思)を巡らせる大樹・世界樹を指す言葉。
• ブラッド・エミーナ
セレスティア水軍の新鋭高速艦。3本の斜めマストと高い機動性を持ち、特攻隊長エミーナの名が冠されている。
• 紫苑のヴィオレット(月姫)
100年前に姿を消したとされる帝国の伝説の影。
• 月下氷人(la personne de glace sous la lune)
古書に記載されていた「人と人、国と国との縁を結ぶ仲人」を意味する概念・演劇プロデュース計画。
ーナの後宮内にある優美な宮殿。かつてフレデリカやセシリアが過ごし、現在は徳妃ルネッタが住まう。
• 聖都クリスタルヘイム
聖ゲンドラス教国の首都。ディヴァイン湖と霊峰セイクリッド山の麓に、碁盤の目状に築かれた超巨大




