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聖女アリーゼの不思議な旅  ~聖魔法?そんなの知らないのです!~  作者: 夕姫
第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!

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19. 誓い

19. 誓い




 私はロゼッタから、聖女の始まりを聞かされた。本当に今まで色々な文献や本を読んできましたが、初めてのことが多くて驚かされたのです。


「聖女の素質がある者は、身体のどこかに痣のような「聖痕」が発現する。お主のかつての右胸にあったようにの?」


「ロゼッタありがとうなのです!為になったのです!」


「お主は本題を聞いておったのか?『聖痕』が消えた聖女……それは他でもない、大聖女ディアナのことなのじゃ」


「えええええっ!?」


 私はあまりの衝撃に、目を見開いて絶叫してしまいました。だってそんなこと、教会の分厚い歴史書のどこにも書いていなかったのです!世界中の聖職者が崇め奉るあの大聖女様が、まさか今の私と同じ『聖痕なし』だっただなんて!?


 混乱する頭を整理しようと努力するのです。つまり今の話が本当だとすると……その答えをロゼッタがすぐに私にくれたのです。


「お主はもしかしたら大聖女の素質があるのかもしれぬな。あくまでも可能性じゃがな?」


「私が大聖女……?」


 でももしそうだとしたら私はどうすればいいんですかね。私はもう教会の人間ではありませんし……


 私はチラッとミルディの方を見ます。ミルディは魔道具を一生懸命直しているのです。邪魔はできないのです。でもその姿を見て思ったのです。そう……私はカトリーナ教会を追い出されて、旅に出る時に誓ったのです


「教会を不当解雇されて途方に暮れていましたが、むしろちょうど良かったのです!それなら私は、ディアナ様をも超える『世界の大聖女』になってやるのです!決めたのです!聞いてくださいミルディ、私にもついに歴史に名を刻む立派な夢が出来たのですよ!」


(ディアナ様が聖痕なしで世界を救ったのなら、同じく聖痕のない私にも絶対にできるはずなのです!むしろ前例があるなら話は早いのです!)


 私がビシッとポーズを決めて壮大な決意を語ったというのに、ミルディは顔を上げることもなく呟きました。


「ゴメン、なんの話?魔道具の基盤直すのに夢中であたし一文字も話聞いてなかったんだけど」


 ……全く響いていなかったのです!私の記念すべき感動の決意表明を返してほしいのです!


「ふむ。面白いのう、お主は。」


「でもなぜそれをロゼッタが知ってるのです?」


「今の話の後半部分の世界大戦の話。ワシは昔、大聖女ディアナと共に魔物を倒したからじゃ。その時の壮絶な戦いでワシは魔力を失い、ディアナは「聖痕」が消えたのじゃよ。その場におったのでな……」


 はい?ロゼッタと大聖女ディアナ様が?よくわからないのです。でもロゼッタが嘘を言う理由もないですし……ん?でもそうなるとおかしいのです。ロゼッタはいくつなのです?


「あのロゼッタっていくつなのです?」


「いきなり失礼な小娘じゃな、まぁ……もう200年は生きておる。ここで魔力が戻るのを待っておるのじゃ。ワシの失った魔力はおそらくこの世界のどこかに散らばっておるからの」


「に、200年!?」


 私は思わず素頓狂な声を上げてしまいました。魔女が長生きだという知識はありましたが、目の前の椅子でぷらぷらと短い足を揺らしているこの可愛らしい幼女が200歳超えだなんて、リアルに「ワシ」とか言っちゃうのも納得の超ご長寿だったのですね……!


 その時、私にふと疑問が生まれる。私はロゼッタに聞くことにするのです。


「ロゼッタの魔力はあとどのくらいで戻るのです?」


「そうじゃのぉ……あと200年はかかるじゃろうな……まぁもう慣れた」


 そう話すロゼッタは寂しそうな顔をしていました。ずっと1人でここに……私は今決めたはずなのです。だからロゼッタに言うのです!


「それなら私がロゼッタの魔力を戻すのを手伝うのです!」


「?……何を言っておる。そんなこと、出来る当てもないじゃろ……」


「ないのです。でもここにいるよりは可能性はあるのです!大聖女ディアナ様の親友ならば私が何とかするのです!ロゼッタ私と一緒に来るのです!私がロゼッタを救うのです!」


 私の発言にロゼッタはキョトンとしていたが直ぐに笑いながら話してくる。


「ふっ親友……か。あやつは親友などではない勘違いするでない」


「違うのですか!?」


「アリーゼ。ワシはとびきり頑固だし、ワガママじゃぞ?それでも本当に良いのか?」


「全く構わないのです!『偏屈なご老人の正しい扱い方』も『ワガママな子供のあやし方』も、どちらも本で読んでバッチリ予習済みですからね!200歳の幼女という極めて特殊な属性でも、私の知識の前ではノープロブレムなのですよ!」


「お主、ナチュラルに失礼なやつじゃな……。まぁ良い、ここでの引きこもり生活も飽きてきたころじゃ。ある程度の魔法なら使える。せいぜい頼るが良い。そこの魔法鍛冶の娘もよろしく頼むぞ」


「えっ!?だからゴメン、あたしホントに全然話聞いてないんだけど!?なんで私が修理してる間に、伝説の魔女が勝手にパーティーに加わってんの!?」


 こうして私とミルディは極悪非道(?)の伝説の魔女ロゼッタ=ロズウェル様を仲間に加えて、今度こそ海鮮のために北の港町クレスタを目指して行くことにするのです!

『面白い!』

『続きが気になるな』


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