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【 影 】
これは、私の考えた話。
その日は朝から雪がちらついてた。
深夜過ぎになって、いい加減に寝ようと思った時、ふと戸締まりが気になって確かめたんだ。
『カシャン』
思ったより大きな音を立てて鍵が掛かった瞬間、
「ガシャシャシャシャシャシャシャ!!!」
って玄関戸が激しく揺れ始めた。
えっ!? と思って飛び退いたら、磨りガラスの向こうに大きな人影が見える。
ソレが玄関戸の格子に指引っ掛けて、
「ガシャシャシャシャシャシャシャ!!!!」
って凄い勢いで揺らしてる。
一瞬、人かと思ったけど、違う。
影は動かない。戸だけが揺れてる。
──人じゃない。
直感的にそう思った瞬間、動けなくなった。
でも、だんだん腹が立ってきて、
「うるせーッッッ!!!!」
って叫んで玄関戸に飛び蹴りしたら、
シンッ……、てなった。
さっきまでの音も影も消えて、磨りガラス越しに舞う雪がうっすら見えるだけ。
家族は、誰一人起きてこなかった。




