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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道のサミィちゃん 】
13/36

✒ 手紙 3


「 ──よし、準備はととのったな。

  これから手紙の差出人── “ サミィちゃん ” とやらを強制的に呼び出すぞ! 」


「 強制召喚ってヤツだな!

  ワクワクするなぁ~~! 」


「 マオ、霊視眼鏡を掛けて、とうを構えてろよ 」


「 えぇ~~?

  霊視眼鏡、掛けないと駄目なのか? 」


「 当たり前だろ!

  僕の式神と一緒に痛め付けて瀕死状態にするんだ!

  ことだまで縛ってしきれいにしてやるんだ! 」


「 エゲつい事するなぁ…。

  さっさと除霊して、輪廻の流れへ還してやればいじゃんか 」


「 駄目だね!

  新しい怪奇グッズを開発する為に必要だからな!

  怪奇グッズ【 リアル不幸の手紙 】を思い付いたんだ。

  コイツを完成させるには、サミィちゃんなるあやかしが必要なんだよ! 」


「 シュンシュンに利用されるあやかしが不憫過ぎるぅ~~ 」


「 煩い!

  始めるぞ。

  には結界を張ってある。

  思う存分痛め付けてやれ! 」


「 分かったよ…… 」


 しゅんれいは数枚の御札を取り出すと呪文を唱え始める。

 御札に法力を込め、陰陽術を発動させた。

 地面に描かれた特殊な陰陽陣が不気味にひかり出す。

 内の空気が重くなり、冷気がただよい始める。


「 さっむぅ~~~~。

  この寒さ、なんとかならないのかよ… 」


「 強制召喚だからな、我慢しろ。

  サミィちゃんとやらがだぞ! 」


 陰陽陣が消えると現れたサミィちゃん(手紙の差出人)は、マオやしゅんれいが想像していた姿とは天と地ほどに違っていた。


「 ……………………これが……サミィちゃん??

  あの手紙を書いて落とした犯人?? 」


「 どうやら、そうらしいな 」


「 ………………きっもぃ!!

  体の中に取り込まれてるのって──、行方不明になってる子かな? 」


「 そうだろうな。

  どうやら手紙の被害者は1人や2人じゃないらしい。

  ほかにも大勢た訳だ 」


「 つまりさ、【 手紙のサミィちゃん 】って怪談は都市伝説じゃなくて、ガチもんだった──って事かよ? 」


「 行方不明事件ってのは、“ 神隠し ” って事にされて捜索を打ち切られる場合もある。

  コイツに取り込まれてる人間の中には、捜索願いを出されてる奴もるかも知れないな 」


「 シュンシュン、取り込まれてる人間を助け出す事は出来ないかな? 」


「 はぁ?

  もう生きてないと思うぞ 」


「 そうかも知れないけどさ、待ってる家族がるなら帰してあけだいじゃん!

  死んでるかも知れないけど、ずっと帰りを待ってる家族がるなら、帰らせてあげたいじゃんか 」


まったく……御人好しだねぇ。

  それじゃあ、式神で集団リンチも出来やしないだろが! 」


「 集団リンチから離れろよ……。

  リンチなんてしなくてもシュンシュンになら余裕だろ? 」


「 ……………………まぁな。

  動きはめてやるから、マオが攻撃して弱らせろ!

  僕が式神に命令して取り込まれてる人間を引き抜いてやるよ 」


がとな、シュンシュン! 」


「 チッ!

  この貸しは大きいからなぁ!! 」


「 分かったよ 」


 しゅんれいは数枚の御札を取り出し、法力を込めると陰陽術を発動させて、丈夫な長い鎖を作る。

 長い鎖はあやかしの体に容赦なくい込み、あやかしの動きを止める。


 あやかしの周辺にはしゅんれいが召喚した式神達が、取り込まれてる人間を引き抜く為に待機している。

 マオはとうを振り上げ、素早くあやかしを斬り付け、ダメージを負わせていく。











「 ──これで最後だぁ!! 」


 マオがトドメの一撃をあやかしにらわせる。

 あやかしは取り込んでいた人間を1人残らず引き抜かれて、抵抗が出来ないほどに弱まり瀕死状態に陥っていた。


「 でかしたぞ、マオ!

  ──よこしまあやかしよ、僕にくだれ!

  生涯、僕のしきれいとして、僕に絶対服従するんだぁ!! 」


「 シュンシュン……完全に悪役の顔してるなぁ。

  生き生きしてるし、ノリノリじゃんな 」


「 フフン!

  これで1体、しきれいが増えたぞ 」


かったな? 」


なんで疑問系なんだよ?

  それより、問題なのは救出した人間の方だな 」


「 そ、そだな……。

  これは……あまりにも酷いさまだよ。

  こんなむごたらしい状態のまま家族には帰せないよな…… 」


 あやかしに取り込まれていた人間達を引き抜けたものの、モザイクで隠さないといけないほどに酷い状態だった。

 一般人には見せられないよっ!!


「 シュンシュン……、死体を修復する陰陽術ってないのか? 」


だね!

  高価な御札を死体なんかに使えるかよ!

  面倒だし、このままでいだろ。

  たいに連絡するから、警察に任せるぞ 」


「 ………………セロにてもらおうか?

  セロなら死体を綺麗に修復する事が出来るしさ! 」


「 こんな所に呼ぶなよ!

  お前はセロフィートに依存し過ぎなんだ!

  セロフィートのない不自由さに慣れろ! 」


「 だってさ── 」


「 だってもヘチマもあるか!

  ──たいを呼んだ。

  簡潔に事情も話したし、仲間を引き連れてるだろう 」


「 うん…… 」


「 そんな顔するなよ。

  あとの事は此方こっちの知ったこっちゃないんだ。

  警察が適当に誤魔化して処理するだろうよ 」


「 ……………………うん…。

  そうだな…… 」


 マオは浮かない表情でしゅんれいを見る。


なんだよ?

  不服か?

  僕はセロフィートみたいに知らない死体にまで情けを掛けれるほど、優しくないんだよ 」


「 ……………………………… 」


なんだよ。

  僕になにを期待してるんだ?

  僕はセロフィートじゃないんだぞ。

  たいたら帰るんだ。

  いな! 」


「 ………………シュンシュン……どうしても駄目なのか? 」


「 おい!

  雨の中、捨てられてるいぬねこみたいな目で僕を見るな! 」


「 シュンシュン… 」


「 そんな目で僕を見たって、僕には通用しないんだからな!

  僕はセロフィートじゃないんだ! 」


「 …………………… 」


 暫くすると数台のパトカーが到着した。

 停止したパトカーの中から刑事達がぞく(ぞく)と降りてる。


「 ──しゅんれいさん!

  マオさん!

  『 妖怪に取り込まれていた人間を助けたからい 』って一体、なにがあったんスか? 」


た、たい

  今回だけはバックレた事を不問にしてやるからがたく思え 」


しゅんれいさん、10年も前の事じゃないッスか。

  いくらなんでも引きり過ぎやしませんか? 」


「 僕は根に持つタイプなんだよ!

  覚えとけ!

  忠誠心の欠けてる奴隷の “ 手柄にしてやろう ” って言う、御主人様の優しさに深く感謝しろ 」


がとう御座いまッス。

  しゅんれいさん…… 」


たい、お前も怪談や都市伝説のたぐいには詳しかったよな? 」


「 そッスね。

  従兄いとこがオカルト雑誌の編集部でオカルトライターの助手をしてるんで、その関係で割りと詳しいッス 」


(たい)()、ターゲットに手紙を落として連れ去る “ サミィちゃん ” って言う怪談や都市伝説を知ってか? 」


「 手紙ッスか?

  聞いた事な──いや、あるッスね。

  可愛い封筒がそらから落ちてて──、封筒の裏を見たら自分の名前が書かれていて──、中身を開けたら便箋が入ってるッスけど、なにも書かれてなくて──。

  でも、名前が書かれている本人には便箋に文章が書かれているらしく、読めるらしいッスけど?

  【 サミィちゃんの手紙 】って言われてる比較的に新しい都市伝説ッスね 」


たい、手紙がそらから落ちてるのって、どんな時なんだ? 」


「 情報では “ 帰り道 ” らしいッス。

  だから “ 帰り道の怪談 ” とか “ 帰り道のサミィちゃん ” とか “ 黄昏たそがれどきの手紙 ” とか呼ばれてるみたいッスね 」


「 その現象は今後、起きないぞ。

  犯人のあやかしを僕が倒したからな!

  そのあやかしの体内から救出した人間達がコイツだ 」


しゅんれいさんに!

  マジで妖怪をはらえたんスねぇ~~ 」


「 あぁ゛!?

  たいぁ~~、お前は僕を口先だけのインチキ野郎とか思ってたのか? 」


「 い、いぇ──滅相もないッスよ!

  勿論、凄い陰陽師だって思ってまッス!」


「 フン!

  まぁいい。

  兎に角だ、鑑定士に身元を調べさせて家族の元へ帰してやってくれ。

  捜索願いが出てる奴もるだろう 」


「 分かりました。

  必ず被害者全員の身元を調べて家族の元へ帰すと約束しますよ 」


「 頼んだぞ。

  僕とマオは帰るから、あとの事は警察に任せる 」


「 了解ッス、しゅんれいさん!

  お疲れ様ッス 」


 刑事になったたいにバトンタッチしたしゅんれいは、マオの手首を掴むといわきのから出て行った。

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