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BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました(連載版)  作者: 花果 唯
IF ありえた未来2

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小話集⑥

発売日記念ということで表紙の四人の小話です。

楓、柊、夏緋、会長の順です。

◆楓




「あれ? 楓はどこにいった?」


 休憩時間になりボーッとしていたのだが、いつもはすぐに僕の席までやって来る楓の姿がない。

 どこに行ったのだろう。

 トイレの時だっていつもは一緒に行こうとうるさいのに。

 戻ってくるのを待っていようかと思ったが、特にすることもないので近くを探してみることにした。


「あ、いるじゃん」


 まずはトイレか職員室かなと思いながら廊下を進んでいたのだが、すぐに正面から黄金の髪の美少年が歩いて来るではないか。

 何やら手にはラッピングされた小さな袋を持っていた。

 距離が近くなり、声を掛けると楓は少し気まずそうな顔をして僕を見た。

 手に持っていた袋も隠すような仕草を見せたが、諦めたのか手に持ったまま僕の前までやって来た。


「ボクを探しに来てくれたの?」

「ああ。どうしたんだ、それ」


 目の前まで来るとそれがなにか分かった。

 どうやら手作りのクッキーのようだ。


「違うクラスの女子に渡された。いらないって断ったんだけど、泣かれそうだったから面倒臭くて。まあ……捨てるのは可哀想だから一応食べるけど」

「へえ」


 女子に呼び出されて手作りのお菓子を貰うとは……。

 攻めの僕より男として女子にモテるとはどういうことだ!


「何? 妬いてるの?」


 腹立たしくて顔を顰めていると、何故か嬉しそうな表情の楓が僕の顔を覗き込んできた。


「ああ。僕だってモテたい」

「はあ!? そっち!? 『受け取るな!』って怒ってよ!」


 小悪魔キュートな表情からキュートが旅立ってしまった。

 怖いから急にキレないでくれ。


「いや、別に受け取っていいと思うけど」

「なんで!? 大体モテたいって何!? ボクがいるのに!」

「モテたいのとお前は完全に別枠だ」

「え?」

「お前は特別だから。モテたいのはチヤホヤされてみたいだけ」

「ふうん? ……だったらいいけど」


 どうやら納得して貰えたようで、キュートが帰って来た。

 おかえり、ずっといてください。

 頻繁に出掛けるから困ったものだ。


 機嫌が良くなった楓と並び、教室に戻る。

 歩きながら周りにいる視界に入った女子を見ていると、かなり失礼な思いが湧いてしまった。


「まあ、チヤホヤされてもなあ。お前より可愛い子いないしな」


 どう見ても楓の方が可愛い。

 雛は間違いなく美少女だが、それでも追い抜くことは出来ない。

 肩を並べているし、女子力でいえば楓が勝っている。

 一番可愛くて好きな子と付き合っているのだからモテても仕方が無いな。


「そうでしょ! ボクがチヤホヤしてあげるからモテなくてもいいよ」


 パアと輝くような笑みを浮かべて腕に飛びついてきた。


「こら、学校ではやめろって言ってるだろ」

「大丈夫だよ、誰もいないし」


 人目のない場所なら押し倒したいところだが、万が一人に見られたらどうするのだ。


「辛い……BLスクールラブ生現場……死ぬっ……」

「!?」

「アキラ? どうしたの?」

「いや……今、悪寒がしたんだけど……」


 ゾゾッと寒気がして辺りを見回したのだが何もない。

 汚れた波動を感じたのだが……。

 小さな声も聞こえた気がしたのだが幻聴か?


「風邪? 大丈夫? ボクにうつしていいよ?」

「お前は何を言って……」


――ダンダンッ


「「?」」


 近くから壁を殴ったような大きな音が聞こえた。

 周囲には誰もいない。

 不思議で思わず楓と顔を見合わせた。

 悪霊でもいるのかなと思ったら……いた。

 楓の背後、横に抜ける廊下の際に一瞬菫色の髪が見えた。

 悪ではなく腐だったか。


「……教室に戻るぞ」

「うん」


 これだから腐女子は。

 どこにでも湧くから困る。

 あとで勝手に薄い本にしないように注意しなければ。 




※※※


◆柊




 体育の授業が終わり、グラウンドから校舎に戻っていると柊を見つけた。

 見ていると向こうも僕に気がついた。

 目が合ったからといって手を振ったりはしない。

 いつも通りに軽く微笑み、そのまま通り過ぎようとしたのだが……。


「ん?」


 珍しく柊が手招きをして僕を呼んでいた。

 何の用だろう。

 人目のあるところで接触するのはよくないと思うんだけどなあ。

 でも無視するわけにはいかない。

 出来るだけ人目を避けるようにコソコソと近づいた。


「何?」


 顔を顰め、不快感を匂わせながら声を掛けた。

 あまり長い話はしないぞ?


「今日は仕事が早く終わるんだ。放課後、どこかに行こう」

「嫌」


 顔を顰めている僕を見て苦笑いを浮かべていた柊だったが、即答で断ると真顔になった。

 その顔は怖いのではやめてください。


「だって……。柊さんは先生じゃないけど、校外で生徒と二人きりでいるところを誰かに見られるのはあまりよくないんじゃない? 男女じゃないから大丈夫かもしれないけどさ……って何するんだっ」


 話している途中で頬を撫でられた。

 こんなところを誰かに見られたらどうするんだ!

 慌てて手を叩き落とし、一歩下がって距離をあけた。


「俺の心配してくれているんだなと思ったら身体が勝手に」

「笑い事じゃないから」


 嬉しそうに笑っているが、僕とのことで何か問題になってしまったら柊の方がダメージが大きいだろう。

 何度も注意しているのに、いい加減学習して欲しい。

 心配だし生活がかかっているのだからもっとしっかりしてくれ。

 それを言ったらまたベタベタされるという無限ループが始まるから言わないけど。


「外でうろうろするのが駄目なら俺の家に来る?」

「嫌」

「どうして?」

「身の危険を感じる」

「失礼な。襲うけど怪我はさせないよ」

「……」


 いや……発言がおかしいことに気づいてくれ……。

 怪我の心配なんかしていない。

 襲われないか心配しているのだ。

 だから今の発言はスタートした瞬間にアウトだ。


「あ、『痕』を怪我とするなら怪我させちゃうな」

「黙れ! そんなところは気にしてないからな! 出だしでもう転んでるんだって!」

「?」

「……いいや。行かないから」

「じゃあ央の家に行きたい」

「嫌」


 家には兄や春兄がいるかもしれない。

 二人には合わせたくないし、柊を家に入れるのは嫌だ。

 家に入れたってことは誘ってるってことだよね? なんて言い出しそうだ。

 ……絶対言うな。


「央は『嫌』ばかりでわがままだな。……そんな央も可愛いよ」

「それはどうもありがとうございますー」


 最近はフェロモンをまき散らしながら『可愛い』と妖艶に微笑まれても流すようにしている。

 そうじゃないと身が持たない。


 はあ……もう教室に戻ろう。


「とりあえず、授業が終わったら用務員室に来てくれ」

「はいはい」


 結局その日もいつも通りに用務員室に籠もって二人で過ごしたのだが、家に行こうが用務員室にいようがあまり変わらないというか……。

 だったら柊の家に行ってみればよかったと僕の方が学習した。




※※※


◆夏緋




 一日の授業が終わり、放課後になったので急いで家に帰ることにした。

 理由は夏緋先輩に会いたくないからだ。

 今は顔を見ると舌打ちをしたくなってしまう。


 僕は朝から苛々していた。

 昨日夏緋先輩と喧嘩をしたせいだ。

 喧嘩というか、僕が一方的に怒っただけだけど。

 だってあいつ……!

 ああ思い出すと腹が立つ!


「おい」


 ……何故いる。

 会いたくなくてすぐに教室を出たのに、廊下で神経を逆なでるイケメンボイスに呼び止められた。

 待ち伏せしてやがったな?


「……」

「おい! 無視するな! ぶっ飛ばすぞ!」

「はあ!?」

「いいからついて来い」

「ちょっと! ああ、もう……クソッ」


 無理矢理腕を引かれ、反抗しようとしたが教室の前で騒いでいては目立つ。

 仕方なく後をついて行くことにした。

 本当にこういうところも嫌だ!


 僕がこんなに怒っている理由は夏緋先輩の浮気だ。

 僕との約束を『用事が出来た』と言って断った日に女の人と歩いていたのだ。

 僕ははっきりとこの目で見たからな!


 女の人は後ろ姿しか見えなかったけど、スタイルのいい綺麗な人だった。

 顔は見えないけれどいい女オーラが滲み出ていた。

 それはもう良い雰囲気に見えましたよ、ええ。

 二人で仲良く買い物袋を下げて歩く後ろ姿を見てショックだった。

 きっと何かの間違いだ、見なかった振りをしようかと思ったけど……無理だった。

 その後顔を合わせた時、すぐに様子がおかしいと問い詰められた。


 『言いたいことがあるならはっきり言え』と叱られて腹が立った僕は、見てしまったことを告げて問い詰め返したのだが……何故かこいつは爆笑しやがったのだ!

 何が面白い!

 僕は怒りと悲しみで泣きそうになったのに!


 笑っている夏緋先輩を放置して帰ったのが昨日だ。

 思い出していると怒りが増してきた。


 着いたのは生徒会室だった。

 会長から鍵を借りたようで解錠して中に入っていく。

 仕方なくついて行くけれど、二人きりの空間は嫌だなあ。


「昨日は人の話も聞かずに帰りやがって。今日はちゃんと聞けよ」

「知らない」


 入ってすぐにこれだよ。

 聞きたくないし!


「ああ!? ここで脱がすぞ!」

「はあ!? 馬鹿じゃないの!」


 何故この状況で襲われなきゃいけないんだ。

 頭がおかしい。

 会長より夏緋先輩の方がまともだと思っていたけれど勘違いだったか?


「なんで気がつかないんだ。お前も知っているだろう? あれは叔母だ」

「どこがおばさんだ! って…………え?」


 一瞬『おばさん』と言ったのかと思った。

 そんなわけあるか、綺麗なお姉さんだったぞと反論しようとしたのだが……おば……『叔母』?


「えーっと……希里子さん?」


 以前会長と夏緋先輩に連れて行って貰った小料理屋の女将で二人の叔母、それが希里子さんだ。

 年齢は不詳だが、二十代後半くらいに見える上品な和服美人だった。


「そうだ。お前は着物姿しか見ていないから分からなかったのかもな」

「……」


 確かに夏緋先輩と一緒に歩いていたあの女の人はワンピースを着ていた。

 髪は長かったが……あ、そうか。

 いつもは着物に合わせて髪を結い上げているけれど、洋服だから下ろしていたのか。

 それも気づかなかった要因なのかも。

 本当に僕の早とちり?


 ……どうしよう。

 顔が段々熱を持ち始めたのが分かった。


「買い出しに付き合えって言われて手伝いに行ったんだ。まあお前とはいつも一緒だし、叔母さんから頼まれることなんて滅多にないから手伝う方をとった。約束していたのに優先しなかったのは悪かった。でもお前が思っているようなことは絶対にない。疑うなら本人に確認してみるといい」

「……そう、なんだ」


 確認しろと言うくらいなのだから間違いないのだろう。


「納得したか? お前の勘違いだ」


 今思えばスタイルのいいあのシルエットは希里子さんだった。

 頭がカッとなって気がつかなかった。


 わあ……恥ずかしい……恥ずかしい!!

 恥ずかしさと勘違いで怒ってしまった気まずさで夏緋先輩の顔が見られない。

 ゆっくり背中を見せ、スーッと離れながら両手で顔を押さえた。

 もう帰っていいですか……。


「おい、どこへ行く。お前、オレに言わなきゃいけないことがあるだろう?」


 背後からどこか嬉しそうな声が飛んできた。

 絶対僕を笑ってニヤニヤしてやがる……!


「……」

「聞こえないぞ?」


 そりゃそうだろう、まだ言ってないからな!

 言いたくないけど、言わなければ言うまで追い詰められそうだ。


「……っさい」

「何だって?」

「ごめんなさい! 勘違いでしたっ!!」


 謝罪というより罵倒するようなトーンで言った。

 自分でも謝る態度ではないと思うが、こうでもしないと口には出せない。

 僕は本当に馬鹿だ。

 勘違いで一人騒いで……穴に入りたい!!


「逆ギレか? まあ、いいだろう。ったく、疑ってんじゃねえよ」

「チッ」

「舌打ちしたな?」

「してません」

「躾が必要みたいだな。兄貴からも躾はちゃんとしろと言われているしな」

「ブラコン」

「……ここで躾けてやろうか?」


 少しだけ振り返り、指の隙間からちらりと夏緋先輩を見ると思った以上に腹の立つ笑みを浮かべていた。

 ぐぬぬっ!

 夏緋先輩が『用事が出来た』なんて断り方をせず、希里子さんの手伝いをすると言ってくれればこんな恥ずかしい勘違いをしなくてもすんだのに!

 僕も一緒に手伝えたし!

 結論、夏緋先輩が悪い!


「お前がこんなに怒るとはな」

「うっさい!」


 失敗したな……。

 これ、暫く弄られそうだ。





※※※


◆会長




 午前の授業が終わり、昼食の時間になった。

 毎日ではないけれど週の半分は会長ときこりで食べる習慣になっていて、今日はその日だ。


「さあ、早く行こ」


 財布は持ってこなくてもいいと言われているが、完全にお金を出さないつもりで行くのは悪い気がするので持って行く。

 ジュースとか買いたい時もあるし。

 会長は出すと言ってくれるけど、毎回出して貰うわけにはいかない。

 財布とスマホをポケットに入れて生徒会室を目指した。


 いつもは門の前で待ち合わせるのだが、今日は生徒会室に来いと言われた。

 どうしてだろう。

 不思議に思いながら、来慣れた生徒会室の扉を開けた。

 多分僕は生徒会メンバーよりも多くここに来ているだろうな。

 中に入ると、会長はいつもの椅子に座ってスマホを見ていた。


「央、来たか」

「会長、今日はきこりに行かないんですか?」

「行く。その前に良いものを見せてやるから来い」


 スマホを手にしたまま、何か企んでいるような笑みを浮かべて僕を手招きした。

 嫌な予感がするなあ……行くけどさ。


「良いものってなんですか?」

「いいから早く来い」

「はいはい。……お腹空いたんだけどなあ」


 食べてからじゃ駄目だったのだろうか。

 愚痴りながら近づき、隣の椅子に腰を下ろそうとしたのだが……。


「そこじゃない」

「えっ! わっ!? ちょっと!」


 座りかけていたところを引っ張られ、転びそうになった。

 会長の手に支えられて倒れることはなかったが……気がつくと会長の膝の上に座っていた。

 慌てて避けようとしたがこれが正解だったらしい。

 同じ方向を見るように座る角度を修正された後は、逃げられないように後ろからお腹に手を回された。

 親の膝に座らされている子供みたいで恥ずかしいんですけど!


「これだ」

「え?」


 何をしたいのか分からず、軽くパニックなっている僕の前に会長がスマホを出してきた。

 表示されている画面をみると、それは僕が最近プレイしているゲームだった。

 タップ操作式のRPGで会長にも勧めていた。

 あまりやってくれなかったけれど。

 画面に出ているのはアイテム欄で、今カーソルが合っているものは……ええええ!?


「『イリオスの鍵』だ! 嘘おお!? まじかー!!」


 思わず会長の手ごとスマホを掴み、顔に近づけて画面に食い入った。

 それは僕が躍起になって探し求めていたアイテムだった。

 実装されたエリアがあるのだが、そこに入るためにはイリオスの鍵が必要なのだ。

 レアアイテムで入手方法も不明。

 多くの人が手に入れられずにいた。

 攻略サイトでもまだ殆ど情報はなかった。


「すげえ! これ、どうしたんですか!?」

「山みたいなデカい奴を倒したら手に入った」

「デカい奴!? デイダラか! あれに遭遇したの!? 凄え……レアモンスターのドロップアイテムなのか!」


 レアなモンスターにレアなアイテム!

 会長はどれだけツイているんだ! 凄え!

 ゲットしたのは僕じゃないけど、誰かに自慢したい!

 『凄い!』しか言葉が出ない。

 うわあ、テンションションが上がる!

 会長の膝の上だということも忘れて大はしゃぎだ。


「早速使ってみるか?」

「うーん使いたいけど……! ゆっくり楽しみたいし、ご飯を食べる時間がなくなりそうだから今は我慢する! 放課後にやりたい! 来てもいい!?」

「ああ。好きにするといい」

「やった!」


 放課後が楽しみだ。

 今から待ち遠しい。


「ん?」


 指が当たってステータス画面が出たのだが、やたら装備が充実していることが気になった。

 会長が始めたのはつい最近だし、あまりやる気もなかったはずなのにこんなに良い装備があるのは不思議だ。

 『一緒に探して!』と頼んだこともあったけど、時間の無駄だって言っていたのに……。


「もしかして、僕がうるさく新エリア見たいって言っていたから頑張ってくれた?」


 レアなモンスターにはそう簡単には遭遇しないだろう。

 時間をかけている内に装備が整っていったのかな、と思った。

 身体を捻って振り返ると、会長は少し気まずそうに笑っていた。


「頑張った、という程ではないが……お前が鍵探しに熱中してしまうと俺が退屈だからな」


 やっぱり、僕のためにやってくれたようだ。

 退屈だからというよりは、僕を喜ばせようとしてくれたのだろう思う。


「ありがとうございました! 今日の放課後に新エリアを見たら暫くゲームはやめます!」


 新エリアを見ることが出来たら満足だし、これからは会長の話に付き合うようにしよう。

 『はいはい』と流してしまうことが多かったから、本当に退屈していたのかもしれないし。

 振り返ったまま微笑みかけると、会長にギュッと抱きしめられた。


「お前は可愛いなっ」


 いや、力が籠もりすぎていて抱きしめるというより雑巾のように絞られている。


「ぐっ、苦しいっ! 痛いって!」

「ああ、悪い」


 足をバシバシ叩いて抗議をすると離してくれた。

 はあ……死ぬかと思った。

 イケメンゴリラは加減を知らないから困る。


「お前は望んだ以上の反応をくれる」


 背骨が折れていないか心配していると、会長が幸せそうに微笑んでいた。

 今までは兄ちゃんのためにも色々頑張っていたけれど、報われることがなかったから感慨深いのかな。

 良かったね、会長。

 今まで頑張った分も幸せになってください。

 ……あ、僕がするのか?


「よしよし」


 とりあえず『今まで頑張ったで賞』として頭を撫でておいた。


「? どうした?」

「ううん、なんでもない」


 大変そうだけど、頑張ってこのイケメンゴリラが幸せに暮らしていけるよう飼育していこうと思います。



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