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王女の密会1

 コンコンと、扉が叩かれるのに気づいた私は来たようね。と思った。


「入りなさい」

「失礼します」


 私が入室の許可を出すと女性の声と共に扉が開かれる。そして入って来た人物を確認した私は笑みを浮かべた。彼女はミュレイ。王国騎士団の団長代理(・・・・)を担っている私の親友です。何故代理なのかと言えば彼女の父親であり団長のマッガルト・バン・ラングルトは体調を崩して寝込んでいるためです。その為復帰するまで団長代理となって騎士団を動かしています。先のスコルピオン帝国との戦争でも彼女が率いる騎士団は多大な功を上げました。……そして、今回ミュレイを呼んだのもそれが原因です。


「ミュレイ。改めてスコルピオン帝国との戦争お疲れ様。王国騎士団以外の軍は壊滅したけど貴方達だけでも残ってくれてよかったわ」

「いえ、父さんならもっとうまく立ち回れたと思う……思います」


 副団長兼団長代理になったせいか昔の様に気軽な口調で話してはくれなくなった。その事に寂しさを少し感じるけどお互いの立場を考えれば仕方のない事なのかもしれない……。

 さて、ここからは少し暗い話になってしまうわね。


「そして、貴方への褒賞だけど……。”なし”で決定したわ」

「えっ!?どういうこと!?僕あんなに頑張ったのに……!」

「それに王国騎士団も同じよ。死んだ兵士の補充用の金銭なら与えられる事になるけど」

「そんなの……!それじゃ死んでいった仲間たちが浮かばれないよ!」


 ミュレイの言葉に私は視線を落とす。彼女の言うとおり納得いかない事だ。私も権力さえあれば反対しただろうし。


「軍の総指揮を執ったアバールは”最後まで戦場に留まりさっさと逃げた貴族と王国騎士団のしりぬぐいをした”として多大なる恩賞が与えられたわ」

「何だよそれ!あいつが真っ先に逃げたくせに……!」

「宰相や内務卿などが反対したけど軍務卿の言葉を国王……、お父様は信じたわ。いえ、あれは信じたというよりも軍務卿の言うとおりにするしかなかったという形ね」

「どういう事?」

「今回の戦争は軍務卿が反対を押し切って強硬したことで発生したものよ。それなのに軍務卿の子飼いのアバールは呆気なく敗走。それを帳消しにするためにアバールと王国騎士団の行動を逆にしたのよ」

「それじゃぁ、表向きには僕たちが真っ先に逃げてあいつが最後まで抵抗したって事になってるの!?そんなのひどすぎるよ!」

「信じる者がどれだけいるかは分からないけどその通りよ。本来は他の貴族と同じようにミュレイ、貴方も処刑されるはずだったけど王都で起きた反乱を鎮圧したって事でその功績と帳消しという形になったわ。だからあなたと王国騎士団の褒賞は”なし”よ」


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