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天より楽しむ者

「何か面白い事になってきてるね」


 アポロンは画面を見ながらそう言った。美女が注ぐワインを飲みながら世界の様子を楽しむ彼は情勢が動き出す世界に胸を躍らせていた。


ライオンちゃん(レオル帝国)は勇者を寝取られて、弓矢ちゃん(サジタリア王国)の所も死にかけの重症。乙女ちゃん(ヴァーゴ王国)の所は……、凄く好みだったし侍らせたかったんだけど残念だな~。でも、これで四人中二人が駄目になって一人は表向きは行方不明。これらの国々がどういう行動を起こすのか楽しみだねぇ。……それに()


 アポロンの言葉と同時に街道を歩く二人組に切り替わる。黒髪の二人は仲よさそうに歩いており時折笑顔を見せていた。アポロンは画面が置かれたテーブルから紙を手に持つ。紙には先ほど映っていた男、鈴木和人の詳細なプロフィールが書かれていた。彼の出生、人生、性格、趣味に至るまで事細かに書かれている。

 それを見ながらアポロンは口角を上げる。


「鈴木和人。誰も干渉していない(・・・・・・・・・)にも関わらず次元の壁を越えてこの世界にやってきた存在。人間を逸脱した力を持つ彼の存在がこの世界に一体どんな影響を与えてくれるのかな?」


 アポロンがそう言ってワインが注がれたグラスを口に付ける。……が、すぐに離した。グラスにはワインがなくなっていた。それを見たワインボトルを持つ美女は顔を青ざめた。過去に同じことになり殺された美女が存在していたからだ。アポロンに気に入られてこの場にいる彼女たちはアポロンに殺されれば転生すら出来ずに魂を消失する。そう言う事を抜きにしても二度目の死(・・・・・)を迎えるのは嫌だった。

 一瞬真顔になり美女を見るアポロンだったが直ぐに笑みを浮かべた。罰せられる雰囲気ではなくなったが怪訝に思う美女にアポロンは告げた。


「服、脱いで」

「……え?」

「聞こえなかった

服を

脱げ」

「っ!直ぐに!」


 言葉を区切りながら圧を込めて言ったアポロンに美女は直ぐに行動した。ワインボトルをテーブルに置き布面積が少ないワンピースタイプのドレスを脱ぐ。下着を付けず、そのドレスのみをまとった彼女は服を脱ぐと直立不動で次の指示を待つ。


「うん。やっぱり良いね。それじゃ続きは僕の部屋で行おうか。君の体をグラスにしてワインを飲むにはここじゃやり辛いからね」

「……ありがとうございます」


 絶対に逆らう事が出来ない超常の存在に、美女はただお礼を言う事しか出来なかった。


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