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暴風の勇者ハバト・マケイラ その3

 ハバトが入ったのは高級店とかではなく人で混んでいる大衆居酒屋だった。店内は小汚いが人の多さを考えれば綺麗な方だしkなり賑わっている事が見ただけで分かった。ハバトは店の人に頼んで奥の方にある板で遮られた、ちょっと個室状態となっているテーブル席に案内してもらった。丁度四人客用のテーブルで俺たちは体面するように座る。


「エールを4……いや、3つと何か子供でも飲める物を」

「かしこまりました」


 ハバトは一瞬全員分のを頼もうとしたがナタリーを見てすぐに変更した。まぁ、ナタリーって14だから明らかに子供だもんな。とはいえ当の本人は納得していないのか不服そうにしている。


「さて、注文も終えたし改めて自己紹介だ。俺はサジタリア王国の勇者ハバト・マケイラだ」

「従者のジェーンです」

「……ナタリー、ダークネス」

「鈴木和人だ。『スズキ』が姓で『カズト』が名前だ」

「へぇ、姓を先に読むのか。という事はこの辺の出身じゃないな」

「二重帝国の北方、黄道山脈の先にその様な文化が存在するとは聞いたことがあります」


 二重帝国?オーストリアか?


「ふぅん、という事はそちらの出身なのか?こんな所まで来るなんて珍しいな」

「……まぁ、いろいろあってね」


 否定や肯定をせずに曖昧に答える。そんな俺を見てハバトは目を細めているがそれ以上追及するつもりはないようですぐに話を変えた。


「まぁ、先程も言ったが俺はこの国の守護者だ。そうである以上レオル帝国の勇者が一体何でここにいるのかを知りたかったわけさ」

「……和人についてきた」

「……らしいが本当か?」


 ハバトは俺に尋ねてくるがそんな事言われても困る。正直俺も未だに混乱はしているのだ。とはいえナタリーが本気で言っている事だけは分かっている。故に俺は頷いた。


「そうらしい。流石に俺も驚いたがな」

「……一応聞くがなんでそうなったんだ?」

「俺が偶々滞在していた砦にナタリーが一人で攻めてきてそれを返り討ちにしただけだ」

「いやいや、勇者を返り討ちって……」


 ハバトは驚きで固まっているが実際そうだからそれ以上は言えない。正直次にやったら勝てるかは分からないがさすがにまたあんな場面に出くわすことはないだろうな。

 そう信じたいよ。


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