暴風の勇者ハバト・マケイラ その4
「取り敢えずお前らはあくまで観光や旅が目的でサジタリア王国に対して悪意ある行動をしようと思っているわけではないんだな?」
「その通りだ」
食事をとりながら俺たちは事情を話した。ハバトは正直まだ疑っているようだが王国の守護者と言っている以上簡単に信じる訳にはいかないのだろう。これで信じたりしたら確実に阿呆だからな。
とはいえハバトの様子からサジタリア王国に害をなそうとしているわけではないという事はある程度信じてくれたようだ。
「それで?ここの次は何処に行く予定なんだ?」
「王都に行こうかと思っている。流石に今東に行くのはまずいからな」
「あー、確かにそうだな」
俺の言葉にハバトは同意するように頷く。昨日スコルピオン帝国に向けて出発する軍勢の姿を見たばかりだからな。今東に行けば巻き込まれかねない。それに軍勢の後を追いかける風になる以上ハバトに疑いをかけられそうだ。
「ないとは思うが王都で騒ぎを起こすなよ。俺たちはこれから南に向かわなければいけないからな」
「南?」
「ああ、ちょっと挨拶にな」
詳しくは教えてくれないがおそらく機密に触れる事なんだろう。そうであるならば南に行くと教えてくれただけマシという感じか。
「さて、そろそろお暇するか」
ハバトは全員分の飲食代が入った布袋をテーブルの上に置くと立ち上がった。今言った通り南に行くのだろう。……次の進路は西だな。態々南に行ってハバトの後を追いかける形になるよりは良い。
こうして俺がこの異世界で出会った二人目の勇者、ハバト・マケイラとの出会いは何事もなく無事に終えることが出来たのだった。




