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No.7
彼女のダンスは躍動的で、輝くような華麗さと生命を感じる力強さが僕を一層魅了する。彼女の短い茶髪は振り乱れ、上気した頬が仄かに桃色に染まり、普段の彼女とはまた別の美しさがある。『すごい』という言葉しか出て来ない。気づくと、彼女は目を細め、白い歯を覗かせて笑っていた。照れるような、幸せそうな、それでいて、燥ぐようなその笑顔を見て、いつか彼女の言っていた言葉がふと浮かんだ。『ダンスはただ見せるだけじゃなくて、観客を魅せることが大切なの』『楽しんでもらうためには、踊ってる方が楽しまないとね!』それが、あるいは本当の芸術性なのかもしれないと思った。それまでダンスにあまり興味がなかったのが嘘のように、僕の心は魅了された。彼女を好きだから、というだけではないだろう。一度ダンスを披露すれば、彼女は人々を魅了するのだ。素人に何が分かる、と怒られるかもしれないが、僕は彼女には真性の魅力があると思った。ずっと眺めていたい、そう願う僕の想いとは裏腹に、音楽は終盤へ。そして音源の停止と共に、彼女の動きはピタッと止まり、決めのポーズを数秒間続けた後、肩の力を抜いて、彼女はゆっくりと顔を上げ、はにかみながら、柔らかく微笑んだ。




