第3話:電撃の天下布武
本作品は『麒麟と龍の系譜』の前日譚(全10話完結)です。一人の少年がチート能力で南方大陸を平定する爽快サクセスストーリーです!
初陣の勝利は、単なる序章に過ぎなかった。
三千の軍勢を一人で粉砕した「神竜の御子」ルヴァンの威名は、またたく間に南方の密林全域を駆け巡った。
だが、ルヴァンの真の凄みは、単なる「チート的な武力」にとどまらなかった点にある。
「戦で勝った後の始末こそが、次の戦を防ぐ」
ガロウザの領地を接収したルヴァンは、即座に「内政改革」へと乗り出した。
敗残兵を処分するのではなく、自軍の農地開拓や街道の整備要員として雇用。さらに、これまで各豪族が勝手に徴収していた重税を撤廃し、明確で公正な「一律の税制」を敷いたのだ。
「あ、あのルヴァン様は、わしら農民から無理な略奪をなさらんそうだ……!」
「それどころか、街道の野盗を退治して、交易を助けてくれている!」
奪われ、虐げられることに慣れていた民衆にとって、ルヴァンの統治はまさに「救世主」の降臨であった。民の支持を獲得したことで、ルヴァンの領地からは爆発的な経済的余力が生まれ、補給線は盤石なものとなっていく。
「武力で勝ち、内政で胃袋を掴み、外交で敵を孤立させる」
十七歳にして「完全無欠の王者」として覚醒したルヴァンは、破竹の電撃戦を開始した。
――第1の豪族、ガロウザ傘下の二大豪族。
ルヴァンの圧倒的な威光と内政の噂を聞きつけ、戦う前に自ら降伏を申し出る。
――第2の豪族、北方の「鉄鋼豪族」。
堅固な山城に籠城を図るも、ルヴァンが密林の精霊と神竜の魔導で城門を一撃で破壊。わずか半日で落城。
――第3の豪族、西方の「水軍派閥」。
大河を利用した挟撃策を弄するも、ルヴァンが河の水を神竜の力で逆流・増水させるという荒技を披露。恐怖のあまり全軍が逃亡。
圧倒的な武力と、時代を先取りした圧倒的な内政知識。
二つの威力を併せ持ったルヴァンは、たった二年という恐るべきスピードで、それまで誰も成し遂げられなかった「南方豪族連合」の樹立を果たしたのだった。
十九歳になったルヴァンは、密林の要衝に新たな居城――「黄金城」の建設を着工。
破竹の快進撃を続ける彼の背中に、民も配下の将兵たちも「このお方となら、千年の泰平が築ける」と心からの忠誠を誓った。
しかし、南方の覇者として君臨しつつあるルヴァンの存在を、苦々しい思いで見つめる「巨獣」が存在した。
大河の向こう側にそびえる、歴史ある大軍事国家――隣国「シアム」である。
「南方の泥のガキが、調子に乗りおって……。我がシアムの威光を教え込んでやる」
シアムの国王は、ルヴァンの頭角を削ぐべく、ついに「正規の大遠征軍」の出陣を命じたのだった。
(第3話・完)
【次回予告:第4話】
南方を平定しつつあるルヴァンの前に、ついに襲いかかる隣国シアムの大遠征軍。数倍の正規軍を相手に、若き覇王ルヴァンが魅せる「天才的な采配」とは――!




