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『異世界転生してみたら、何もおかしくない世界のおかしい国名に俺だけが困惑している2』  作者: スコ平おじさん


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第29話 大東亜の光と、事後法の罠

前回の放課後、教育勅語の真の法学理論を知り、ネットの浅はかな知識人たちの歪んだプログラミングを内側から完全に粉砕したあの日から、さらに数日が経った、よく晴れた昼下がりのことだ。


サークル室の長机には、スマホをいじる奴などもう誰一人としていなかった。先輩や部員たちは、自ら図書館や古書店で集めてきた、戦前の国際会議の議事録や世界地図の資料を真剣な顔で読み合わせ、ホワイトボードに新しいタイムラインを書き込んでいた。


「――おい佐藤、御剣! 俺たち、昨日の生麦事件や高杉晋作の強さに味を占めて、その先の歴史のデータを自分たちで色々調べてたんだけどさ。

この大東亜戦争の最中に日本が世界に仕掛けた『大東亜会議』のデータ、これ、マジで鳥肌が立つほど凄まじい大奇跡のファクトじゃねえか!」


先輩が、興奮して鼻息を荒くしながら、西暦1943年の古い白黒の写真データをホワイトボードの画面へと映し出した。


自ら歴史を掘り起こす楽しさに完全覚醒した先輩たちの背中を、パイプ椅子に腰掛けていた俺――佐藤は、彼らが手に入れた鮮烈な歴史のデータを見つめながら、静かに言葉を返した。


「いい疑問ですね、先輩。それこそが、学校教育が絶対に触れようとしない、この国の最も強固な背骨のファクトですよ」


俺が静かに声をかけると、先輩が手元のノートをトントンと叩きながら振り返った。


「学校の教科書だと『戦前の日本はアジアを侵略して迷惑をかけた暗黒国家だ』って、そればっかり耳にタコができるほど教えられるだろ?


だけど、当時の世界地図のデータを陳列したら、実態は180度真逆じゃねえか。当時、アジアのほぼ全ての国々は、イギリスやフランス、オランダやアメリカといった白人列強に数百年も土地を奪われ、現地の人々は奴隷のように搾取され続けていた絶望の暗黒世界だったんだ。


その白人たちの植民地支配を、圧倒的な武力で正面から撃破してアジアから追い払い、さらに現地の独立政府の樹立をガチで支援して、彼らに『自立の力』を授けたのが、俺たちの先祖の日本だったんだよ!」


「その通りよ、先輩」


ホワイトボードの前へ歩み出た御剣が、マーカーを手にして、年表の『西暦1943年11月・東京』の文字を力強く丸で囲んだ。


「その日本のアジア解放の執念が、最高の外交ドキュメントとして結晶化したのが、この『大東亜会議(だいとうあかいぎ)』のデータよ。


東京に、インド独立の英雄スバス・チャンドラ・ボースをはじめ、ビルマ、タイ、フィリピン、中国の首脳たちが、白人列強の支配を跳ね返して『対等なパートナー』として一斉に集まったの。


そこで日本が主導して採択した『大東亜共同宣言』のファクトは、白人が世界を暴力で支配していた大航海時代以来の歴史の中で、世界で初めて公に掲げられた『人種差別の撤廃と、お互いの独立を尊重し合う共生(和)のロジック』そのものだったのよ」


部員たちが、ボースたちの熱い演説の議事録データを凝視しながら、声を震わせる。


「すげえ……。じゃあなんで、こんな世界を救った偉大な人道の光を、今の日本人は誰も教わらないんだ?


それどころか、なんで戦後の日本は世界中から国際犯罪の国みたいに一方的に責め立てられることになったんだよ。どうしてもそこだけロジックの計算が合わねえんだ」


先輩が、悔しそうに顔を歪めてホワイトボードを見つめる。


俺は、そんな先輩の横へと歩み寄り、静かにノートPCのキーボードを叩いて、画面を戦後のあの暗黒の裁判の資料へと切り替えた。


「それこそが、戦後に白人戦勝国が総力を挙げて仕掛けた、歴史上最もアンフェアな侵略プログラム。それがあの『東京裁判(極東国際軍事裁判)』の真実の正体ですよ、先輩方」


部室の空気が、俺の陳列した法学データによって、一気に冷徹な緊張感へと包ましていく。


「白人列強は本気で恐怖したんだ。自分たちが数百年かけて築き上げてきた美味い植民地利権を、日本の圧倒的な武力と人種平等の背骨によって、根底から全てぶち壊されたからね。


だから彼らは、自分たちの数百万人の大虐殺の罪を棚に上げ、日本だけを絶対悪に仕立て上げて歴史からその偉大さを隠蔽するために、近代法学の大前提を力任せに踏みつぶした。彼らは、『戦争を始めること自体が罪(平和に対する罪)』という、戦争当時には世界のどこにも存在しなかった新しい法律を、戦後になってから自分たちの都合の良いように勝手に作り、それを過去の日本人に無理やり適用して処刑したんだ。


事件が起きた後から勝手に作った法律で、過去の人間を遡って裁いてはならないという『事後法(じごほう)の禁止』は、近代法律の絶対に動かしてはならない背骨だ。それを無視した、ただの勝者による残酷な私刑(リンチ)だった、これが東京裁判の冷徹なデータさ」


「なんだそれ、ズルすぎるだろ……! 後から勝手にルールを作って死刑にするなんて、法律でも何でもねえ、ただの暴力じゃねえか!」


先輩が、怒りで拳を強く握りしめる。


「そうよ、先輩。だけどね、その狂った勝者の暴力の前に、国際法のプロフェッショナルとして、たった一人で真っ向から国際社会に真正面から異議を申し立てた偉大な法律家がいたの」


御剣がマーカーを持つ手に力を込め、ホワイトボードに新しく『パル判事』と、そして『大津事件・児島惟謙』の文字を巨大な矢印で結んだ。


「インド代表のラダ・ビノード・パル判事よ。パル判事は、白人たちのあまりの欺瞞を見抜き、数千ページに及ぶ『パル判決書』を陳列して、『被告人は全員無罪である』と世界へ向けて堂々と宣告したの。

『勝者が勝手な都合でルールを捻じ曲げ、敗者を裁く悪しき前例を作れば、世界から本当の法の正義が消滅する』と叫んでね。


そして先輩、このパル判事が命懸けで貫いた法の正義のロジック、何かにそっくりだと思わない?」


御剣が、冷徹で知的な瞳をきらめかせ、声を優しく弾ませた。


「これこそが、私たちが学んだ、あの我が国の誇り高き大審院長、児島惟謙(こじまこれたか)の背骨そのものなのよ!


大国ロシアの脅威や当時の政府の都合の前に一歩も引かず、『いくら国難であっても、都合よく法律を捻じ曲げることなど絶対に許されない。それこそが国家の自滅である』と法の独立を貫いた、あの日本人の誇り。


パル判事が東京裁判の場で叫んだ正義は、かつて日本人が命懸けで世界に証明した、あの気高い法の支配の精神だったの。


さらにパル判事がインド代表として日本の無実を叫んでくれたのは、西暦1408年に足利義満が急死して以来ずっと守られてきたこの国の正統性や、西暦1943年の大東亜会議で、日本がボースたちと結んだ『インド独立への命懸けの約束と敬意』が、戦後のパル判事の心へと、時空を超えて完璧に地続きで繋がっていたからに他ならないわ」


ホワイトボードの前に静まり返ったサークル室。


挿絵(By みてみん)


いつもなら興奮して声を上げるはずの先輩は、手元の世界地図の資料をじっと見つめたまま、今度は拳を叩きつけることもしなかった。その目元が、かすかに赤く潤んでいる。


「……おい、俺、ちょっと言葉が出ねえわ。ただの戦争の勝ち負けの雑学だと思ってたのにさ。先祖たちが命を懸けてアジアを助けたから、その恩義のバトンが、戦後のパル判事の正義になって俺たちの国に帰ってきてくれたんだな。全部が、ひとつの巨大な血筋の約束で繋がってたんだ……」


先輩が声を詰まらせるように呟くと、周りの部員たちも、息を呑んでホワイトボードの巨大な矢印をじっと見つめ、静まり返っていた。


誰もノートに殴り書きなどしていない。ただ、自分たちの足元に眠っていた二千六百年の誇りと、世界を相手に貫いた「本当の正義」の重みを、それぞれの胸の奥で静かに噛みしめるような、張り詰めた沈黙だけが部室を満たしていた。


(第29話 終)

今回のお話のテーマとなった、西暦1943年の『大東亜会議』が世界に示した人種平等の光、そして戦後の『東京裁判』で事後法の罠を暴いたパル判事の孤独な戦い。


戦後のオキュパイドジャパンの教育システムやメディアの報道では、戦前の日本はただ『アジアを侵略した狂暴な犯罪国家』であり、東京裁判によって正しく裁かれたのだという歪んだプログラミング(自虐史観)を、今でも頑なに刷り込み続けています。


ですが、当時の世界地図と公式な外交議事録のデータを丁寧に繋ぎ合わせてみた瞬間、私たちは歴史の真の因果関係を目の当たりにすることになります。


事実、この大東亜会議に集まったアジア各国は、日本が白人列強を撃破するまで、信じられないほどの長期間にわたり土地と主権を奪われ続けていました。

・イギリスに約190年間も搾取されていたインド(ボース代表)

・イギリスに約60年間も支配されていたビルマ(バー・モー首相)

・スペインとアメリカに計370年間も武力占領されていたフィリピン(ラウレル大統領)

・オランダに約350年間も富を吸い上げられていたインドネシアこれほど絶望的な暗黒世界を圧倒的な武力で解放し、現地の独立政府の樹立を対等なパートナーとして支援したのは、紛れもなく私たちの先祖だったのです。


だからこそ、戦後の独立を果たした東南アジアのリーダーたちは、東京裁判の欺瞞を真っ正面から突っぱね、日本への溢れる感謝の言葉を遺しています。ビルマのバー・モー首相やタイのプラモート元首相らは、公式な声明の中で『歴史において、我々アジアの子供たちに独立という新しい生命を授けてくれた「母親」、それこそが日本なのだ。この母親が自らの命を犠牲にして闘ってくれたからこそ、今のアジアがある』と、最大のリスペクトを捧げていたのです。


実を言えば、日本が世界に向けて『人類は平等であるべきだ』と奴隷制の思想的解体を迫った戦いは、この大東亜会議よりもさらに前に、国際社会の真ん中で堂々と行われていました。それが、西暦1919年の『パリ講和会議』です。日本はアメリカやイギリスといった白人列強の目の前で、世界で初めてとなる『人種差別撤廃提案』を公式に突きつけました。


この日本の誇り高き正義の前に、会議では圧倒的多数の国々が賛成の票を投じました。しかし、自国で差別を肯定していたアメリカのウィルソン大統領は恐怖に駆られ、『全員一致でなければ認めない』という、その場の都合の良いルール変更を力任せに仕掛けて、強引に日本の提案を握りつぶしたのです。戦後の東京裁判で、彼らが『事後法の禁止』という近代法律の大前提を踏みつぶして日本を一方的に裁いたあのペテンは、この1919年から地続きで続く、白人列強の歪んだシステムの正体だったのです。


だからこそ、戦後の東京裁判という勝者による私刑(リンチ)の席において、インド代表のパル判事は命懸けで『全員無罪』を宣告してくれました。それは単なる法律の理屈だけではなく、日本がボースたちと結んだ「インド独立への命懸けの約束と敬意」が、戦後のパル判事の心へと、時空を超えて完璧に繋がっていたからに他なりません。


前話で学んだ児島惟謙の法の独立の精神が、そのままパル判事の正義となって私たちの国へと帰ってきたという『恩義のバトン(血筋の約束)』のファクトを知る時、私たちは自分たちの足元に眠る歴史の本当の重さに自分で気づくことができます。


綺麗に仕組まれた建前の丸暗記を脱ぎ捨てて、先祖たちの紡いできた不屈の独立自尊のバトンを、ここからさらに第2部の最終決戦、そして現代の病巣を解体する第3部(国家奪還編)の戦いへと繋いでいきましょう。

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