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シージャック

「第二観光船から停泊要求です!」

見張り台にいた船員から声が上がる。

「何があったんだ?」

薪がそう呟く中、植村と桜木は望遠鏡を第二観光船に向けた。

「おかしい…」

植村が呟く。

「何がです?」

甲上が聞いた。

「普通、座礁した以外のトラブルなら、他の船員や観光客の姿が甲板にあるはずなのに無いんです」

植村は望遠鏡を向けたまま答えた。

「一華、お前は普通に対応しろ」

桜木はそう言うと、靴を脱ぎ始めた。

「指宿、お前、こっちの反対側から潜って、あっちの船の反対側まで息もつか?」

薪も服や靴を脱ぎながら言った。

「あっ、はい!」

「力抜け!

余計、もたないぞ」

桜木にそう言われた指宿はゆっくり深呼吸して脱ぎ始めた。

どうやら、海から3人で侵入を試みるみたいだ。

「何があったって言うんですか?」

甲上には何が起きているのか検討がつかなかった。

「多分、乗っ取られたんだと思います」

植村はこれからに備えて深呼吸した。

つまりはこうだ。

第二観光船は何者かに乗っ取られた。

停泊要求してきたことから、犯人から何かしらの要求があるということだ。

そして、その対応を植村がしている間に、潜って反対側から桜木、薪、指宿の3人が潜入し、奪還しようと言う作戦だ。

停泊した両船。

人質に拳銃を向けて引きずってきた犯人の顔に甲上は記憶があった。

海賊だ。

「この船を奪った!

人質は観光客と船員!

こいつらを殺されたくなければ食料よこせ!」

声を荒らげる男。

「海軍の植村だ。

わかった。

どこまで行く?

食料はその分渡す」

植村は平静を装った。

「全部渡せ!」

そう男が言った瞬間、反対側から乗り込んでいた桜木から合図があった。

植村は拳銃を奪い、男に向け、人質を一人開放。

それから海賊たちと、乗り込んだ3人、隠れて準備をしていた兵士たちによって戦いが始まった。

人質を庇いながらの戦いはいつもの戦闘よりも大変だ。

甲上にはとても長い時間に感じた。

でも、実際は5分程度だった。

事件は無事解決した。

人質に怪我人も出なかった。


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