第1章5
ガタガタ揺れる、兵員輸送トラックに乗っけられて、向かった先は、苫小牧のフェリーターミナルだった。
ターミナルの駐車場で、オレがサルベージ隊に選ばれた理由が見つかった。
置いてあったのは、ユニッククレーン付きの日野の十トントラックよ。
ゾンビ対策のためか、フロントにゃ頑丈な鋼鉄バンパーが取り付けられてる上に、窓ガラスの方は、機動隊の車両と同じ金網鉄筋が溶接されてるから、ちょっとやそっとじゃゾンビ野郎には、やられねぇぜ。
トラックの荷台には、ワイヤーロープやら、チェーンブロック、キャンバスの荷物カバーまで括り付けられてるから、掻っ払ってくる荷物ってのは、結構でかい物らしい。
もう一台のトラックは、形は自衛隊の六輪駆動車みてぇだけど、荷台がアルミのパネルで覆われてた。
護衛部隊が乗り込むそのトラックの側面には、何カ所かの銃眼が切り抜かれてるから、走りながらの射撃も出来るらしい。
もちろんゾンビ対策の強化バンパーに、金網鉄筋はお約束よ。
黒のジャンプスーツに着替えた伊東の奴が、オレにトラックのキーを差し出したモンで、自分の散弾銃やらバックパックを運転席の後部スペースに放り込んでから、ゆっくりシートに収まった。
中島と城戸崎が、トラックの助手席に乗り込んできたが、大柄なオレと、ノッポの城戸崎に挟まれた中島は、窮屈そうに体を丸めながら、ブツブツ文句を言ってやがる。
オレはそんな中島に肘鉄を食らわすと、先行した六輪駆動の後を追って、トラックを発車させようとしたのよ…。
そしたら突然、誰かがトラックの行く手を遮りやがった。ブレーキ掛けた俺は、窓枠の鉄網越しにそいつを見下ろしたんだ。
…律儀にも、ZDF(ゾンビ防衛部隊)の奴等、リクエストに応えて、オレのお気に入りの日本刀を、探し出して来てくれたらしい。
そいつに礼を言ったオレは、刀の鞘をチョッとだけ抜いて刃先を確認した。
月の光を反射する吸い込まれそうな刃の輝きが、何とも頼もしく感じたなぁ。
オレは、サイドブレーキとシフトレバーの窪みの間に、鞘を納めた日本刀を固定してから、六輪駆動のテールランプを追いかけて、トラックのハンドルを切ったのよ。




