7/30
司の悩み
翌日の大学。視線が痛い。
「つ~か~さ~‼てめぇ何でいきなり莉子さんの婚約者になってんだよ!」とモブに言われた。
どうやら大学中その噂でもちきりらしい。
――政略結婚なんだけどな…
俺は内心ちょっと悲しい…。莉子さんが俺を想ってくれていたらどんなに嬉しいだろう?
「あ、莉子さん。おはよう」
「おはよう、早坂君。今日も早朝トレーニング?」
「何で知って?」
「師範に教わった」
――親父かよ‼
「まぁ、日課だから」
「私は空手する人の体形は好きよ」そう言い残し、俺とは違うゼミに行った。
――カラダ…。卑猥だ。性格とか人格を好きになって欲しいんだけどなぁ
「うーん。どうしたら莉子さん俺を好きになってくれるんだろう?」などとは同じゼミ生に相談できない。
――独占欲とか?あと、長い時間一緒に過ごすのもいいかもな。俺の事知ってほしいし