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第1話 まだ眠たいです。

 最後に生き残った小さなロボットチルドレンのうたごえ。


 まだ眠たいです。


 うたごえのそばにはたくさんの小さなロボットチルドレンたちがまるで眠るように目を閉じて横になっていました。

 みんなとても深い眠りの中にいて、どんなに声をかけても体を揺らしてみたりしても起きる子はいませんでした。

 起きて、動いているのはうたごえだけでした。

 うたごえは小さな丘の上にいました。

 どこかから鳥の鳴く美しい声が聞こえました。

 うたごえは空を見ました。

 空は晴れていて、とてもいいお天気でした。ぽかぽかしていて気持ちも良くて、優しい風も吹いていました。

 鳥の姿はどこにも見えませんでした。

 うたごえは今度は大地を見ました。

 大地は見渡す限りその全部が緑色に染まっていました。

 小さなロボットチルドレンたちはその長かったお仕事をやり終えたのです。(たぶん千年くらい時間がかかったと思います)

 そして、みんな深い眠りの中に落ちていってしまいました。

 いつもとは違って朝がきても(どんなに大きな声でお仕事の時間ですよ! 起きて! と言っても)目を覚ますことがないくらい深い深い眠りの中にです。

 とても疲れていたのかもしれません。

 みんなぐっすりと眠っています。

 きっとみんなその深い眠りの中でとっても楽しい夢を見ているんだろうなって、うたごえは思いました。

 だってみんなとっても優しい顔で眠っていたからです。

「ほぁー。なんだかぼくも眠たいです」

 みんなの寝顔をぼんやりと見ていたら、うたごえもなんだかとっても眠たくなってきました。

 うとうとしながら、うたごえはみんなと一緒に眠ろうかなって思いました。

 うたごえもとってもとっても疲れていたのです。

 でも、ふとうたごえは『自分のお仕事がまだひとつだけ終わっていないこと』を思い出しました。

 そのことを思い出したうたごえは眠っている小さなロボットチルドレンのみんなに小さく手をふってばいばいをして、それから小さな足を動かして歩き始めました。

 遠い遠いところにある小さな研究所に行って、小さなロボットチルドレンたちを作ってくれた博士にお仕事が終わりましたって、そのことを言うためです。

 きっと博士はとっても、とっても喜んでくれると思いました。

 うたごえのこともみんなのこともきっといっぱい、いっぱい褒めてくれると思いました。

 うたごえは元気に歩き続けます。

 緑色の大地の上を。

 優しい風の中を。

 世界は蘇ったのです。

 新しい世界が生まれたのです。

 新しい命のために。

 愛が溢れている世界が生まれたのです。

 うたごえとみんなのたくさんの小さなロボットチルドレンたちの小さな力で。

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