【男の娘098】帰った矢先の?誘拐?2
なにか、なにか役に立つ魔法はなかったっけ?私が使える魔法は、梱包圧縮。それから、ベジタル領で初めて覚えた七人の小人、発酵。
そうだ。七人の小人にお願いしたら、小さいから見つかりにくいし脱出出来るかも。後は転移ゲートの魔法とポイントを記憶するアンカー。
アンカーを打ち込んでおけば、ティムがもしかしたら気付いて転移してくれるかもしれない、打ち込んでおこう。
『七人の小人』
魔法を唱えると、7人の小人が静かに現れた。みんな挨拶をしそうだったので、
「しーっ」
と口にして、注意を促した。手が使えないので、口に人差し指を当てられないからしまらないんだよね。
真似して小人達が小さくじーっとして、人差し指を口に当てる。
よしよし、意味はちゃんと通じているね。
周りに聞こえない様に声を落として話しかける。
「私はね。ちょっと悪い人たちに捕まっちゃったの。それでね。お家に住んでた子で若い女の子いたの分かるかな?」
うんうん、と7人の小人が揃えて首を縦に振ってくる。
「その子がね。その悪い人達に人質にされちゃったの。私だけなら、小人さん達と転移ゲートで逃げられるかもなんだけど、その子がいるから私だけじゃ逃げられないの。お願い小人さん達、キャロットちゃんを逃がして上げて。私は自分で何とかするから。」
うん、分かったよ。とばかりに小人さん達が親指を立ててグッジョブしてくる。
「ありがとうね。帰ったらキャロットちゃんも含めて、みんなで美味しいもの沢山食べようね。さっ、赤色と緑色の帽子さんはここに残って、残りのみんなはキャロットちゃんを助けに行ってね。」
5人の小人さん達がキャロットちゃんを助けに走って行った。
キャロットちゃんの無事が確認出来ないと、私が逃げられないから、手足を縛っているものを小人達に解いてもらう訳にもいかないよね。
なんとかして、ティムにSOSの信号を送らないと………。そういえば、初めての時ってどうやってティムと会ったんだっけ?確かあの時は、牧場が狼達に襲撃されて、撃退した後の帰り道にお弁当取りに戻ったら、ティムがマッシュ兄さんのお弁当をむしゃむしゃとドラゴンの姿で食べてたんだよね。
で、その後は、あーーー、そう。そう。そうだ。ティムが虹の柱を見て、誰が上げたのかを探しに来たって言ってたっけ。もしかしたら、虹の柱って特殊なもので、ドラゴンならどこにいても分かるものかも知らないわね。
魔法陣は覚えているから、書こうと思えば書けるけど、やったら絶対に私がしたとプラダ達に分かるわよね。
うーん。これは最後の手段かな。ひとまず、小人さん達にお願いして、小さな判定用の魔法陣を書いてもらう。後は、手順を踏めば魔法陣が作動して、虹の柱が立つはずだよね。
その時、目の前にゲートが開いて声が聞こえてきた。
「アカネ。無事か。」
「マッシュ兄さん?私は捕まったけど、まだ何もされてないよ。でも、キャロットちゃんがレディアント家の人に人質にされちゃったの。」
「今は、ティム殿にお願いして、転移ゲートを開いてもらっている。今すぐ出て行きたいがキャロットが捕まっているなら逆効果になるな。やるならキャロットを救出して一気に乗り込む。」
「うん、私もそれがいいと思う。今は見張りがいるから、ゲートからは出てこないでね。」
「分かってる。だからこうやって分からない様に小声で話してる訳だろう。」
「うん、ティムはいるの?」
「うむ、ここにいるのじゃ。」
「よかった。キャロットちゃんを助けたいの。ティムこっちに来れない?」
「アカネ。それだと、こちらから転移ゲートを通して、通信が出来なくなるんだ。キャロットは助けたいけど、あいつらを一網打尽にしないと、また、2度3度起きることになる。」
「それはやだねー。またみんなを危険に晒すのはちょっとなー。うーん、小人さん達にキャロットちゃんの救出はお願いしてるけど、ティムがいた方が確実なんだよね。」
「アカネよ。我は無理じゃが孫娘ならそっちへ送れるぞ。リリム。」
「はい、お爺様。アカネさん初めまして、ティムドバレンの孫娘のリリムです。お爺様が大変お世話になっていた様で。」
「これリリム。自己紹介をするのは偉いが、今は火急の時じゃ…。小さくなってアカネのそばで手助けしてやってくれ。アカネ、リリムはとてもいい孫娘じゃ。なんなり頼むが良い。」
「はい、お爺様。」
ぼふんと変化の音がして、転移ゲートの中から小さなピンクの手乗りドラゴンがやってきた。
「じゃーアカネ。これで一旦通信は終わるな。必ずアカネとキャロットは助けに行くから、それまで安心して待っていろ。」
「うん、マッシュ兄さん。みんなありがとうね。連絡が取れて安心したよ。私も出来る限りやってみる。」
「無理はするなよ。」
転移ゲートが閉じてしまった。ティムとマッシュ兄さんが一緒にいたから、ティムが急いで飛んでベジタル領まで来てくれたのかな?
「アカネさん、宜しくね。」
リリムちゃんが私の目の前を飛んで挨拶してくる。とってもキュートで可愛いピンク色のドラゴンだ。余裕があれば是非とも可愛がってあげたいのに。




