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【完結】TS転生で悪役令嬢に!?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで婚約金返済です。~【祝23万PV感謝】  作者: 近衛 愛
第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編

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【男の娘097】帰った矢先の?誘拐?

「ガーネット。可憐なレディを連れてくるのは私も甚だ心が痛んだのだよ。だがねガーネット、お前が快く私たちに協力してくれる為には彼女の協力が必要だと判断したんだ。」


「分かったわ。レディアントさん、あなたの意志に指示に従います。だから、キャロットちゃんを解放してお家に返してあげて、彼女はこの件とは一切関係ないわ。」


「お姉様、ダメです。お姉様が犠牲になって、私だけが助かるなんてそんなこと出来ません。」


 パチパチパチパチとレディアントさんが拍手してくる。


「美しい姉妹愛だね。まるで演劇を間近で見ているようだよ。どうだね感想は、ダイナ。」


「ふんっ、姉さん。あなたの真の妹は、目の前にいる私なんですけど。どういった茶番を私は見せつけられているのかしら?姉さんがやらかしてくれたつけのお陰で、レディアント家は没落してこんな盗賊紛いのことに手を出しているのに、姉さんは自分だけぬくぬくと安全な所で幸せに暮らしているの?新しい家族、妹を作って。」


「ダイナごめんね。不甲斐ない姉の不始末のせいであなたにまで迷惑をかけてしまって。」


私がしでかした訳ではないけど、この体のガーネットがしてきたことは事実なんだよ。この身体で生きている以上、彼女のしたことは私のしたことでもある。たとえ、私の意思が介在していなかったとしても。


「ダイナやレディアントさんが望むなら、ベジタルさんに私からお願いして一緒に暮らして、働ける様にお願いするよ。だから、こんな誘拐なんて犯罪紛いのことはしないで、今からでも遅くないから真っ当に働いて生きていこうよ。」


 ダイナが目に手を当てて涙声で話しだした。


「姉さん、私はね。上流の貴族のイケメンでお金持ちの方と結婚して何不自由なく、社交界で生きていくことが夢だったの………。そんな辺境の田舎で、汗水垂らしながら、泥にまみれて生きていくなんて死んでも嫌よ。野蛮な亜人がいるじゃない。奴隷みたいな人達と暮らすなんて、私が奴隷になったみたいじゃないの。そんなのごめんだわ。」


「えっ、ダイナ。だって、私が幸せに暮らしてるって言ったじゃない?私と同じ生活をしたら、あなたも幸せになれるのよ。」


「姉さん。姉さんには人の最下級の身分として暮らすのがお似合いなのよ。でも安心して、もっと高貴な身分をお父様が用意して下さいましたわ。ねっ、お父様。ふふっふふふっ。姉さんがきてくれれば、私たちは元の身分に返り咲くことが出来ますわ。」


「そうだなダイナ。お前の言う通りだよ。ガーネットの申し出は非常にありがたいが、私達にも誇りというものがあってだね。奴隷と同じ暮らしをするというのは出来ないのだよ。安心しなさいガーネット。お前には高貴な暮らしをしてもらうから。」


「あなた、約束の時間までまだありますわ。お食事を先に済ませておきましょう。ガーネットさん、今暫く考える猶予を与えますわ。いきなりの状況で理解が追いつかないでしょう。ゆっくり冷静になって、どの選択がみんなが幸せになれるかしっかりと考えなさい。」


レディアント家のみんなは、キャロットちゃんを連れて出て行ってしまった。見張りの人が2〜3人突っ立っている。


 いや、どの選択が最善かといれても、誘拐された後の引き渡しの所って、どう考えてもまともな所じゃないと思うんだよね。


 逃げようにも何かしようにも、キャロットちゃんが一緒なら何か出来るかもしれないけど、連れて行かれちゃうと逃げる訳にもいかない。


 私だけが逃げるなんてそんなことは出来ないんだよ。逃げるならキャロットちゃんも一緒じゃなきゃ。なら、どうすることが私達にとっての最善なのかしら?


 きっとお父様やマッシュ兄さんは、私達がいなくなっていることに直ぐに気づくから、探してくれる筈だよね。問題は、誰に連れ去られたか、どこに連れて行かれたかが分からないことだよ。


 おそらく、販売会の時の不穏な動きは、報告してあるから、レディアント家の仕業だと考えるとは思うんだよね。私達がいる場所をなんとかして伝えないと………。


 とは言ってもどうやって?猿轡は外されているから、魔法は使えるけど、相変わらず手足は縛られているから、手紙を書くことも出来ないんだよ。


 こんな時鳥の召喚なんかが出来たら、ピューっと飛んでってもらって道案内できるのに………。


 ダメだよ。アカネ、諦めちゃダメなんだよ。


 私一人の命じゃない、キャロットちゃんの人生も掛かっているんだ。私がなんとかして連絡しないと。


 手足が動かない以上は、魔法を使ってなんとかしないと。


 でも私の使える魔法って、発酵(フェルメンテ)は、この場でパン作りをする訳じゃないし、圧縮梱包の魔法も袋が取り出せないし、そもそも持っていないから使ってもしょうがない。


 加速(アクセラレイト)は、動けないんだからそもそも加速しても意味がない。だから、遅延デイレィも同様にこの場は使えない。


 うーん、あとは転移ゲートだけど、使ったら逃げる事はできそうだけど、場所が分からないから、下手すれば魔力を全部消費するだけして、なにも起こらない可能性の方が高いわね。


 これは本当に何も出来なかった時の最後の手段だわ。契約の魔法は、私じゃなくてティムだし。そうだ!ティムが来てくれたら、バッチリこの場を制圧して、私達を逃してくれるわ。でも、そのティムと連絡する手段がないのよね。


 こう、他の小説や漫画だと、契約魔獣とはなんらかのパスで繋がって、意思疎通が言葉に出さなくても出来ることが、多いのに。


 って出来る世話ないよね。できたら……この一年絶対ティムが私に連絡してくる筈だもん。

 



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