ギルド スノープリンセス2星猫編 黒幕③
「なんだと!戻れるのか?」
飛鳥さんの言葉『戻れるかも』に、パルムさんたちが驚く。
「装置はギムが斬ったのよ。断面は綺麗だけど、動かせるメドがあるの?」
「煙も出てたから、あれは動かないよ」
さっき戻ったララちゃんに見せているが、こんなに早く直したのかな?
「あくまでも理屈の上の話でありますが、奴らは帰るために、機器でゲートを開くであります。ベルゼブブ男爵の持っていたのは壊してしまったでありますが、次に来る奴のを奪えば、魔界へ行けるであります。魔界なら『閻魔殿』が居るので・・・」
そうか!魔界経由で帰れるかも!
「それだ!!」
パルムさんが叫ぶ!
「その手があるわね!」
「うん!行けるよ!帰れるよ!」
飛鳥さんの案は実行可能ポイ。
だが、と言うことはだ・・・私も行けるということだ。敵の本拠地に。
私は勝利への道筋が見えた。
「俺たちも行くぞ!」
「そうです。姫だけじゃ危険です!」
「わらわも反対じゃ。主だけ行くなど論外じゃ!」
「僕も反対だね。姫が心配だよ」
「がおがおがお」
「ダイル様は、絶対にダメだと申しております」
「あたいも反対だよ」
「私も、今回は・・反対です」
今度ベルゼブブが来たら、装置を奪って穴を開いて魔界へ行き、アブソリュートで決着をつける提案をした。
ギムを除く幹部全員に反対された。
「自分が付いて行くであります」
「私もいますよ。私が雪姫を守りますよ」
飛鳥さんとミサキさんが言うが、幹部たちは全員で行くと言い出す。
「聞いて!他世界に行くということは、穴のルールが働く危険もある。何かを失う可能性があるんだ。私と飛鳥さんは1度経験してるし、元居た世界を経由して帰るから、リスクは少ないはず」
私は説得する。
「それに、もしもであります。こちらが襲われた時、スノー不在では戦えないであります」
飛鳥さんも全員で、には反対だった。
「しかしだな、いくらお前でも敵の戦力もはっきりしていないんだ」
飛鳥さんが得た情報だと、『兵力は?』の質問に、ベルゼブブ曰く『一杯』だという回答を得ている。
一部の科学ハエ以外は、数字もろくに数えられない知能しかないのがベルゼブブ一族らしい。
「俺たちがいる。雪姫さんと飛鳥さんは、俺たちが責任をもって帰還させる」
パルムさんが言うが・・・
「信用しないわけではないが、雪姫を預けられるほど信用はしていねーよ」
「そうじゃ!雪姫はわらわ達の宝じゃ。そうそう預けられるものではないぞ」
ブルックも銀姫さんも引かない。勿論ほかの幹部たちもだ。
「あなた達のトップの命令なのよ。『ギルマスが敵地でケリをつけてきます』と言ってるのよ。あなた達には『ここを守れ』とね」
「うん。雪姫さんを信用してるなら、この作戦で行くべきだよ」
前に出たセシルとアリッサ。
1度気圧された相手に、幹部たちは腰が引けた。
そしてもっともな正論に反論できない。
「ふむ・・確かに雪姫様は信用しておりますが、離れるということには大いに不安もありますな。マックス様なら、なんとおっしゃるか?」
ギャリソンが言う。
「マックスなら、可愛い子には旅をさせろ!って言うはずだ!」
「マックスなら、お前は無茶ばかり考える!って言うはずだ!」
「白姫なら・・・なぜ淑やかにできぬのか?って言うはずじゃ」
思わぬ反撃を食らった。まさか白姫さんを出されるとは・・。
「聞きなさい。この戦いは守っていただけでは終わりません。守りながら敵地に乗り込み、本陣を叩かなければ延々と続く戦いです。広範囲に敵を凍らせる雪姫以外に適任はいませんよ」
ミサキさんの言葉は的を得ていた。
「がおがおがお」
「ダイル様は・・・そんなこと言って、何か企んでるのでは?と申しております」
カウラちゃんは訳しにくそうに言う。
「私が信用できませんか?まぁ、普通ですね。しかしです、私は・・」
と、ミサキさんは言いかけるが、私が割り込む。
「ダイル、私が信用したんだよ。それに私が着ているのは、白姫さんの打掛だ。仲間に対して、滅多なこと言うもんじゃないよ」
白姫さんが残してくれた打掛は、私に対する悪意や攻撃から守ってくれる。打掛が反応しないのは、ミサキさんに悪意や攻撃の意思は無いと、白姫さんが言っているのも同然だ。
これを言われれば、もう誰も何も言うことはできない。
「こっちの守りはルナさんも協力してくれる。ルナさんが協力するということは、いざとなればドワーフさんも関与してくれるということだ。後はみんなが私が帰る場所を守ってくれればいい」
結論は出た。
私と飛鳥さんが魔界へ行き、みんながラムタ世界を守る。
「雪姫、わらわは主を信じておる。ハエ共に負けるなどとは思わぬが、主の故郷の世界に行くとなると、わらわは不安じゃ」
銀姫さんの言葉だが、おそらく全員が思っていたことかな?
「大丈夫。帰ってくるよ。ここが私の生きる世界だからね。だからしっかり守ってね」
「しゃーねーな。ミサキ、雪姫を頼んだぞ」
ブルックも納得した。
「姫、ちゃんと帰ってきてくださいよ」
「がおがおがお」
「ダイル様は、ミサキ様・・頼むよと仰っております」
アーロン君とダイルは不安そうだったが、帰ってくるよ。
今更女子高生なんかできそうにないしね。
私は王様に決まった方針の説明に行く。




