OPPAIテロリストに敗北する英雄魔導騎士~リーサルウェポンとヴァルハラ~
「全部脱ぎましたよ! どうですか、センセー! あ、違った! ご主人様!」
「っ……身体から火が出そうなほど恥ずかしいですが……わたし、見事にこの修行をやり遂げましたわ……!」
やはり直視できない。
俺は視線を反らした、のだが――。
「センセー! あ、ご主人様だった! あたしたちのこと、ちゃんと見てください!」
「こ、ここまで覚悟を決めて裸体を晒したのです! 逃げるなんて許さないですっ!」
なんという激しい生徒たちだ。
こいつらに精神修行なんて、絶対に必要なかっただろう。
「ご主人様、ふたりともがんばったのです! しっかりと見てさしあげてください!」
そして、トヨハふたつの突起をビンビンに尖らせながら進言する。
もうやだ、女の子怖すぎる。
なんで君たち、そんなに肝が据わってるの? 俺が逆の立場だったら、全裸を全世界に晒すなんて言われたらショックで引きこもる。さっさと次の世界に転生する。
「ご主人様! あたしたちを見て!」
「お願いします、わたしたちを見捨てないでください!」
「ご主人様、わたくしのことももう一度見てください!」
迫る三人の迫力に、危うくと転移魔法で逃げそうになった。
だが、俺にはここまで三人をヒートアップさせてしまった責任がある。
だから――男らしく、見る!
現実から目を逸らさない!
俺は女体に立ち向かう!
「かあああああああああああああ!」
俺は気合もろとも、三人の裸体を直視する。
ここまで追い詰められたのは、これまで百回世界を救った経験の中でも初めてのことだ。
そして、俺の眼前にさらけ出される――リーサルウェポンOPPAIたち。
「ぐはっ……!」
あまりの破壊力によって止血魔法が撃ち破られ、勢いよく鼻血が噴き出す。
そのまま吹っ飛ばされるようにして、後方へ倒れ込んだ。
「センセー!?」
「どうしたんですか!?」
「ご、ご主人様っ!?」
心配した三人が、大の字になって倒れこんでいる俺のところへ駆け寄ってくる。
ここまで完膚なきまでに倒されたのは、初めてだ。
一番最初の魔王戦のときだって、ここまで無様な姿はさらさなかった……。
「や、やるな、おまえたち……。おまえたちの度胸は、見事に俺を打ち破った……」
度胸というか、胸だが。
「ふえ? あたしたち、なにもしてないんだけど」
「意味がわかりませんわ……」
「ありがとうございます、ご主人様! これも、ご主人様のご指導の賜物です!」
サキとミナミは事態が飲みこめないといった表情だが、トヨハだけは感激していた。
もう俺も、わけがわからない。
「センセー、とにかくこれでこの修行は合格ですか?」
「なんだかよくわかりませんが、これでいいんですの?」
「ご主人様! これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします!」
もう羞恥心はどこかへ行ってしまったのか、サキとミナミはこちらを覗きこんでくる。
そうなると、当然、OPPAIがモロに目の前へくることになる。
トヨハと比べるとOPPAIというよりもCHIPPAIなのだが―ーむしろ、だからこそ――見てはいけないものを見てしまった罪悪感と破壊力が跳ね上がった。
「ぐはっ……!」
俺はさらに鼻血を噴き出してしまう。
しかも、この姿勢だと出た鼻血が逆流して呼吸困難に陥ってしまう。
「ごぶっ、ぐふっ!」
なんということだ。このままでは本当に死んでしまう!
しかし――これでいいんじゃないだろうか。三人のOPPAIに囲まれながら昇天できるということはパラダイスと言ってもよいのではなかろうか――?
まさにヴァルハラ(OPPAI宮殿)。
これこそ、戦いの果てに辿りついた最後の地――。
「わわっ、センセーが危険な咳きこみ方してる!」
「こうなったら魔法の出番ですわ! 浄化魔法発動!」
さすが状況判断に優れているナナミは、ステータス異常回復魔法を行使して――生命の危機に瀕する俺を救ってくれた。
「ふぅ……ありがとう、助かった」
俺はあえて三人の胸から視線を逸らしながら、礼を言う。
やはり童帝の俺には刺激が強すぎた。
修行をするどころか、俺のウィークポイントが露わになった。
「あはっ、センセー、もしかして、あたしたちのおっぱい見て鼻血出しちゃったの?」
「そ、そうなんですの?」
「ご主人様に興奮していただけたなんて、こんなに嬉しいことはありません! もっと! もっと見てください! 触ってください! 揉みしだいてください!」
もはや形成は逆転していた。
俺の弱点を見つけたサキはニヤニヤしながら、CHIPPAIを近づけてくる。
そして、暴走したトヨハはOPPAIを思いっきり俺の顔面に押しつけてきた。
「ちょ、ちょっと、サキ、トヨハ姫様っ! さすがにはしたないですわよっ!」
この中で比較的まともなのはミナミだけだった。
しかし、その制止も虚しく――サキとトヨハはタッグを組んで攻撃してくる。
「センセー、ほらほら、あたしのCHIPPAIでツンツンしてあげる!」
「うふふ♪ ご主人様、これまでの感謝の気持ちをこめてOPPAIでマッサージをさせていただきますね♪」
もう、これ、絶対にアカンやつですやん!
関西人じゃないのに、関西弁でツッこんでしまう!
「待て、本当にこれ以上は色々な意味でアウトだと思うから。な? 落ち着こう。話せばわかる」
自分から修行を持ちかけたくせに、なんとも情けない。
しかし、このOPPAIテロリストたちの好きにさせるわけにはいかない。
恥丘の平和、いや、地球の平和のために断固として戦わねばならない。
それが童帝である俺の使命ではなかろうか。
「えー、センセー、ずるい! あたしたちをさんざん煽っておいて、いざ自分が逆の立場になったら逃げるの?」
「そうです、ご主人様! わたくしたちの愛から逃げないでください!」
いかん、こいつらは絶対に暴走させてはいけないタイプだ。
二対一で多勢に無勢だし、弁舌だと勝てる気がしない。
だかれ、俺は救いを求めるべくミナミのほうを見たのだが――。
「こ、このままではふたりに色々な意味で先を越されてしまいますわ……こうなったら、わたしも覚悟を決めます!」
いや、決めないでいいから! 救ってくれ、俺を!
しかし、俺の願いは虚しくミナミまで参戦する。
「先生! おっぱいは大きすず小さすぎないのがベストだと思います! なによりも大事なのは形です! 見てください! わたしのおっぱいは見事なお椀型です! そして、乳輪のバランスもよくて乳首もツンと上を向いていて芸術的です!」
力説しながら、ミナミは俺の眼前に芸術的なおっぱいを向けた。
そこまで解説されたら、どうしたって興味を惹かれて見てしまう!
「ぶぐはっ――!」
もろに直視してしまった俺は、盛大に鼻血を噴いた。
自画自賛するだけあって、本当に見事なおっぱいだった。
「あたしだって負けてないもん! センセー! あたしのもちゃんと見てくださいっ! 手のひらサイズもかわいいもん!」
「いえ、大きさを軽視してはなりません! 母性の象徴たるおっぱいが小さくては殿方を癒すことなどできません!」
サキはムキになって怒り、トヨハは姫モードに戻って反論する。
やはり、女性にとってバスト問題は非常にセンシティブなようだ。
エキサイトするばかりである。
「ま、まぁ、落ち着いてくれ。みんな違って、みんないいじゃないか」
ほとばしる鼻血に対して止血魔法を行使し続けながら、俺は三人をなだめる。
もう俺のライフはとっくに0だ。
精神修行をするつもりが、逆に俺のメンタルがボロボロになっている。
「でも、センセーにだって好みはあるんじゃないですか!? どれが一番好きか聞かせてください!」
「ご主人様! ぜひわたくしを選んでください! この大きさがあれば、色々なご奉仕をしてさしあげられます!」
「先生! お願いします! わたしを選んでください!」
迫る三人。迫る、六つの膨らみ。
もう俺の頭の中では、おっぱいがグルグルと回っている状態だ。
こうなると、魔法を唱えることもできない。止血魔法も中断してしまう。
これまで百回世界を救ってきたが――ここまでのピンチは初めてだった。
「センセー!」
「ご主人様!」
「先生!」
そして、絶賛エキサイティング中の三人は生命の危機に瀕している俺に気がつくことはなかった。
「ぶごぼっ」
こうして世界を百回救った英雄魔導騎士ナサトは三人の乙女たちのおっぱいによって、十七年の生涯を閉じたのだった――。
完(?)
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