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「心配ならお傍で見守るのは如何でしょう?」

「..............」

「? 何かご不安が?」

小首を傾けてぱちりと瞬きをした。そんな彼に私は物凄く渋い顔をした。彼の言うことも一理ある。けれども私が襲ってしまったら本末転倒だろう。だからと言って問題事で忙しない彼を使うのも忍びない。そう暫く考えていると、にっこりと笑った。

「あの子を見た時に、霊力のせいか取り込んでしまいたくなるのです..............」

「しませんよ。貴方様は」

茶を啜りながら大真面目な顔で此方を見る。飲み終わった湯呑みを一度置き、また注ぐ。それから真っ直ぐに此方を見る。圧倒的な信頼。それが表情から見て取れる。願わくばこの期待にそぐわないようにしたい。

「貴方様はとてもお優しい。亡きもの為に数年掛けて.......」

「その話は止めなさい」

過去の地雷を踏み抜かれ、思わず目が吊り上がる。ピシャリと言い放たれた彼は一度口を噤んだ。目は憂うような光を宿している。それから申し訳御座いませんと一礼した。

わざとじゃ無い。うっかり口に出してしまっただけ。だからこれ以上咎める事はしない。

「でも、貴方はお優しい方です。か弱い女子を自らの為に消費するとは到底思えません」

それからまた真っ直ぐに私を見た。

「貴方様に悩みがあったら、参拝者の相談に乗ることが難しい。見守ってあげてください」

懐の大きさに甘えて、何をしてもいい。なんて事、無いんですよね。私もやりがちですが。

やっぱり何より自制が大事です.............。

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