挨拶周り
その後、ふらりと彼女の前に姿を表す事になった。神社を空にする訳には行かない為、御魂分けを行い、彼女の家の隣に越すことにした。これで大丈夫。
越してきてから数日が経過してしまったが、挨拶は必要だと思い、手土産に柿を持ってお隣に伺う。一度目、呼び鈴を鳴らしたものの、出てくる気配は無い。もしや留守なのでは? と思い、神通力で彼女の気配を探る。いらっしゃるにはいらっしゃる。とりあえず、もう一度鳴らしてみる。
「はい.......」
恐る恐ると言ったように、彼女は顔を出した。顔には不安が張り付いていて、警戒心を解くことはない。怖がらせてしまっただろうか。まぁ私も本来は人ではない者だし、少ししか顔を合わせていない大人が家を尋ねて怖がるのは無理もない。だからこそ、出来うる限り笑顔を浮かべた。
「こんにちは。隣に越してきた崇島です。これからお世話になります」
一礼した後に挨拶品を渡す。これは私が仕えている者の庭でとれた柿。引越しの挨拶に持たされたものだ。渡す前に一つ味を見たが、美味であった。
「有難う御座います」
彼女はすっと一礼をした。髪が肩から零れ落ち、甘い香りを放つ。
彼女は送り届けた時と同じく、高い霊力を保っていた。幸い今は禍に好かれては居ないようだ。一安心、と言いたいところだが、やはり私にとっても香しい事に変わりはない。早くこの場を去ろう。
全国各地に同じ神社があるのは、御魂分けをしているからだそうです。
(御魂分けを行った神様は、大元の神様と同じように働きをするそうです)
※ずぶの素人が書いてます。参考程度に。
社を作らずそれをやるって、相当な事だよな.......。という思いです。




