再開
それから暫く崇島さんは姿を表さなかった。人気の無くなった寂しい洋館の前を通るのは思った以上に応えた。だから残された情報を元に、彼を探すことに決めた。
とは言え、彼の居場所には一つだけ心当たりがある。この近辺に天狗を神の遣いとする神社がある。そして何より私を助ける時に放った『お祓いが必要ですね』の一言。きっと崇島さんはそこで祀られている神様なのだろう。
気が付いたら私の足は神社に向かっていた。長い長い石の階段を登り、息も切れ切れと言った時、大きな木の根元で佇む一人の男性を発見した。
剃刀で切り落としたようなざんばら髪、すらりと伸びた背丈。そして何より内側から放たれる気品ある気配が彼である事を表していた。
「崇島さん!! やっと見つけた。探したんですから!!」
驚いて一歩下がる崇島さんに、ずかずかと問答無用で歩み寄る。相手に羽がある以上、飛ばれたら追えない。だから萎縮しているうちがチャンスだ。
手を引っ込めようとする彼の腕を掴み、真っ直ぐに見る。まだ話すことを戸惑っているように思える。
「私は貴方の事嫌ってません。驚きはしましたけど、貴方が人間じゃ無いことを理由に嫌ったりしません」
絶対逃がさない。そのまま飛び立とうとしても腕は離さない。でも少し気張りすぎた。ゆっくりと深呼吸すると、両手でそっと顔を包み込む。
「お話しましょう。私と」
「叶いませんね.......。満輝さんには」
感の良い満輝。
でも天狗の姿を見だから、予測は立っていたんじゃないかと。




