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第21話

大変遅くなりました。

前後編のお話にしてましたが、長くなりすぎた為がっつりカットしました。

それでも長いですが。


ただのモブに時間かける価値あるか?と考えた結果でもあります。

哀れなり適当に名付けた枯れ枝くん

商業ギルドは3階建ての真っ白で綺麗な建物だ。

どこか役所のようにも見えるな…これちょっと入りづらくないか?

敷居が高いというか…


「夜でもやってるんだな?」

「商人たちが夜に着くこともあるからな、その関係で夜もやってるんだ」


どうやら移動には馬車が一般的で、護衛も雇って大人数で移動してくるそうだ。

道中に出てくる魔物や賊から身を護るため、そして大人数だと魔物も賊も減ると。

まぁ数で負けてたら尻込みするのは人も魔物も一緒か…


エルドと一緒に中に入ると

外観と同じ白を基調に所々に黒が入り、引き締まった印象を与える綺麗なロビーだった。

中の作りは役所と似てカウンターがあり、様々な種族の綺麗な受付嬢が居る。

横の方には扉がいくつかと、ソファとローテーブルが置かれ商談用らしきスペース。

反対には階段があるが…さすがに上は分からんな。


「綺麗なところだな」

「商人だけじゃなく貴族も来るからな」


ふむ…やっぱり貴族制度みたいなものはあるのか…

エルドが受付嬢の一人に声をかけると、受付嬢が俺たちを横の方の扉に案内した。

中は大きめのテーブルと椅子が4脚並んである小部屋だった。

促された椅子にエルドと揃って腰掛けると、受付嬢はお辞儀をして退室して行った。


「ここは?」

「ここでは登録は小部屋でするんだ、情報を漏らさない為にな」


なんでもカウンターで登録してた時期に、扱う商品で難癖つける輩がいたり

扱ってる物が欲しくて粘着する者が現れた事で小部屋で登録されるようになったそうだ。

ここでどういった品物を扱うのか、それを自分で売るのか委託かをある程度決めたり

場合によっては販売者名を変える事もできるとか、もちろん秘密厳守。


「うーん…どこでも面倒な輩はいるんだな」

「はははっ世界共通か!」

「そればっかりは変わらんみたいだな」


俺とエルドが話してる間、テーブルの上でじゃれ合って遊ぶ精霊達。

癒やされるなぁ…


なんて考えてると扉がノックされた。

エルドが答えて入室を促すと、入ってきたのは身形の整った痩せ細った男性だった。

なんだ…?妙な違和感がある…


「ご無沙汰しております、エルド様」

「久しぶりだな、ヤーセ殿。今回は友人の登録をしにきたんだ」

「左様ですか」


そこで初めて真正面から男と顔を合わせたが…顔立ち自体はよくいる感じだ。

ただ…その目が異常に仄暗く淀んでいる…違和感はこれ…か?

向こうが俺の顔を見て僅かに眉を上げ、頭の方に避難した精霊たち(恐らく光)

そして肩に乗ってるニクスを見てさらに目を見開いていた。

…品定めされてる気分だな。


「これはこれは美しい方ですね、私こちらでサブマスターを努めています

 ヤーセ=カレエダと申します」

「サブマスターでしたか、俺はシェイドと言います。宜しくお願いします」


俺は牽制を兼ねた態とらしい笑みをして挨拶を返した。

エルドがちょっと引いてるが…やりすぎたか?

まぁいいか、ちょっと協力要請しておこう。


『悪い、少しこの人の注意引いといてくれ。気になることが出来た』

『わかった』


フレンド機能でエルドに伝える、思考で連絡とか楽だなー。

そのままエルドは世間話をし始めた、俺はその横で顔に笑みを貼り付けたままだ。

…痩せ枯れ枝、ね…適当だな運営。

にしても、どうもこいつは信用出来ない…何でそう思うのかも謎だが…


ピロンッ

[スキル《直感》を取得しました]

直感ね…見てみるか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《直感》

隠されている物があれば何となく分かる。

自分に必要なものも何となく分かる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

また曖昧だが…つまりこいつは何か隠してると、さすがに必要なものはないだろうしな。

んー…確かアリアが言ってたのは…人を視る為のスキルは識別…だっけ?

人に鑑定は使えないし、識別は名前と犯罪の有無しか分からんとか。

目関係だから神眼で試してみるか…

エルドと世間話を続けるヤーセを意識してみると

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[住人]ヤーセ = カレエダ 性別 男 年齢 36

[職業]商業ギルドサブマスター

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

()()()な文字で表示されたウィンドウ。

うーん…取り敢えずエルドに相談…の前にこの人の退出だな。


『エルド、ちょっとこの人遠ざけられないか?あと出来ればココの上の人呼べるか?』

『わかった。ちょっと待ってくれ』


気になるだろうに理由を聞かずに動いてくれた、ありがたいな。

問題は上の立場の人も同じかどうかだな…違ってて欲しいが…

しばらくすると扉がノックされ、受付嬢が整った顔立ちの男性を連れてきた。

身のこなし的にこの人も戦えそうだな…


「やぁ、エルド。来ていると聞いて思わず挨拶に来てしまったよ」

「おお、アラン。久しぶりだな」


かなり親しげに挨拶を交わす二人。

男性がそのままヤーセに別の仕事を命じて席を外させた。

ヤーセは残念そうな顔で頭を下げつつ受付嬢と一緒に退室して行った。

だが去り際の目は苛立ちが見えた。


席に着いた男性はそのままエルドと話続けているが…

今のうちに識別を済ませてしまおう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[住人]アラン = マイルズ 性別 男 年齢 29

[職業]商業ギルドマスター・伯爵家当主

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真っ白な文字で表示されたか…

ギルマスの上に貴族かー…もうお腹いっぱいなんだが。


男性がこっちに視線を向けてきた、エルドがそれに気付いて紹介してくれた。


「あぁ、こいつは俺の友人だ。異邦人だが中々面白いやつだよ」

「それは褒めてるのか?ええと、シェイドです。よろしくお願いします」

「こちらこそ宜しく、僕はここのギルドマスターをしてるアラン=マイルズだ。

 言葉使いもエルドと同じで構わないよ。敬称もいらないからね」

「わかった」


楽しそうに笑みを浮かべながら自己紹介をしてくれた、挨拶をして握手を交わす。

そして精霊組とニクスの紹介をすると面白そうな表情になった。

精霊たちも安心できる相手なのか、挨拶の後は気にせずに遊び始めた。

うん、やっぱり識別をかけたことは謝っておこう。


「それでエルド、呼び出したのは何か事情があるんだろう?」

「あぁそれなんだが…」


エルドが俺を見るとアランもこっちを見てきた。


「まず最初に、アランに識別をかけさせてもらった。すまない」

「あぁ、まぁそれは別に構わないけど…」


良くわからないという顔のアランと、何かを察した顔のエルドの対比がすごいな。

エルドの方は職業柄気づきやすいのかね?


「念の為確認したいんだが、識別の色の違いは?」


軽い説明はアリアに聞いてたが、エルドに再確認。

識別をかけたときに文字の色によってどの程度の犯罪者か分かる。

白=無犯罪者、一切の罪を犯していない者。問題なし。

黃=軽犯罪者、軽度の犯罪を犯している者。一定の罰金や奉仕活動で白に戻れる

赤=重犯罪者、重度の犯罪を犯している者。牢獄行き。無償奉仕などで減刑の場合もあり。

ただし相手が隠蔽系のスキルを所持している場合もあり

識別をかけた者のスキルレベルによっては見えない場合もある。


「だからどうしても見落としが出来てしまってな」


そう告げるエルドは悔しそうだ。

取り敢えず俺が動いた理由、そして識別結果を伝えたら…


「そうか…うちには上位の識別水晶もあるから確認は可能だが…」

「シェイドの識別レベルはいくつだ?」


考え込むアランと聞いてくるエルド。

うーん…正確には識別じゃないんだが…ステータス見せるか?


「ステータスを見てもらった方が早いんだが」

「それは…自分の手札を知られることになるぞ?」

「二人なら信用出来るしな。問題ないよ」


俺が告げると二人は顔を見合わせて、一気に笑い始めた。


「本当にお前は面白いな!」

「本当に変わってるなぁ!」


ステータス画面の右上に可視化させるボタンがあったはず…

これでよし。


▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

【名前】シェイド

【種族】エルフ

【レベル】Lv.6

 HP :3.000

 MP :1.900

 STR :155

 VIT  :150

 INT  :190

 MIN :140

 DEX :180

 AGI  :160

 LUK :300

 BP:0

 SP:20

【固有スキル】

《精霊魔法》《森の友》


【通常スキル】

《投擲Lv.2》《蹴技Lv.5》《採取Lv.4》《疾走Lv.2》《跳躍Lv.3》

《テイムLv.1》


【MAX】

《精霊言語 》《軽業》《威圧》《直感》


【EXスキル】

《神眼》


【称号】

『創造神の加護』『精霊の親愛』『友誼を結ぶ者』

『魅了する者』『テクニシャン』『友誼を深める者』

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


俺のステータスを見て固まった二人を尻目に確認。

んー?DEXが増えてる…そういや効果ついてる称号あったな。


「ステータスもおかしいが…加護持ちだったのか…」

「神眼…全ての眼関係スキル統合で最高レベル…そりゃ見えるわけだ…」


なんだか疲れた顔をしているが、納得もしたようなので続きを話すことにしよう。

と思ったがすぐに解決した。


「この部屋に呼んで水晶を使わせるしかないかな」

「それが無難だろう。もし暴れても俺かシェイドで取り押さえられるだろうしな」


とのことで。

アランは一旦退出して両掌で包めるサイズの水晶玉を持ってきた。

どうやらその時に受付嬢にヤーセを呼ぶように言いつけたらしい。

その間にエルドが出入り口近くに立ち、ヤーセが入ると同時に扉の前に陣取るようだ。

さすが本職、手慣れてるな。


アランはテーブルの前に立っている。

もちろん、入った瞬間に水晶玉が見えないような位置に。

逃げられても困るしな。


そんな俺は反対側に座っている。

アランは武術が出来るのが知られているそうだし、出入り口には隊長のエルドが居るからな。

一見非力そうに見える俺を狙ってくるのは確定だろう。実際には戦えるが。

つまりは囮&餌役だ。


ニクスたちは危ないから部屋の隅に避難してもらっている。

一塊になっててかわいらしい…


俺がほっこりしてる間にヤーセが入ってきた。

表情は胡散臭い笑顔だが、目が訝しげだ。


「お呼びですか?ギルドマスター」

「うん、ちょっと君に用があってね」


と、アランの会話中にエルドが移動を済ませた。


「単刀直入に言うと、これを使って見せてほしいんだ」

「それ…は…」


アランが笑顔で水晶玉が見える様に横に逸れた。

水晶玉を見た瞬間に固まったが、何か言い訳をしている。

正直聞く価値もないから全て流しているが。


何やら喚き散らし始めたが…視線があった瞬間に走ってきた。俺に向かって。

アラン何を言ったんだ…

掴みかからんばかりに伸ばしてきた腕を、手首を掴んで捻り上げると悲鳴を上げた。

そのまま地面に押し付けつつ背中を踏んづける。

手加減ミスったら折れそうだなこれ。


「はいはい、大人しくしようね」


と言いつつヤーセのもう片方の手を水晶玉に触れさせた。

空中に浮かび上がったのは、真っ赤なウィンドウだった。

ただし俺が見た情報だけじゃなく、今までの犯罪歴も全てが書かれてあった。


「うん、これで確認が取れたね。エルド」

「任せとけ」


エルドがこちらに向かってきたのでヤーセを渡すと、謎の腕輪を着けていた。

何でも重犯罪者用の魔法の手錠で、スキルを使えなくしステータスも半分以下になるとか。

まぁ犯罪者ならそれくらいしないと逃げられる可能性があるか…


そのまま全員で――ニクスたちは回収済みだ――部屋の外に出ると人垣が出来ていた。

まぁ悲鳴とか聞こえてただろうしな…

ヤーセに手錠がかかってるのを見て、状況を察したのか道を作ってくれた。

建物の外には兵士が揃っているが、エルドの部下かな?

エルドがいくつか言葉を交わしてからヤーセを引き渡していた。


とりあえず、これで一件落着…のはず。

一緒に出てきた俺にプレイヤーたちの視線が刺さる。


現在の台風接近に伴い避難勧告されたので、色々準備でばたばたしております。

窓がやばい…

続きは…いつになるかなぁ…パソが奇妙な音してるので怪しいです…

あまり期待せずにお待ち頂けると幸いです。

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