プロローグ
初めて投稿します。
春、いい匂いがする。少し残った雪の匂いと澄んだ空気が好きだ。だが、やはり地元の方が心地がいいな…。まぁ、もう少ししたら慣れるだろう。
今日から自分は大学生だ。
入学式の2日前、俺は一人暮らしをするために借りたアパートで荷物を整理していた。そして、そわそわしている。理由は…
「ピーンポーン!」
「あ、来た…。」
ドアを開けた時入ってきた人は、
「ちょっと遅れてごめんね」
「よっ、元気してるか?」
両親だ。
俺の地元は山形だ。しかも、かなり田舎の方の。だから4月と言っても雪はまだ解けていないので時間がかかるのは当然だ。ちなみにここは宮城県仙台市である、田舎から来た自分からしてみればかなり都会だ。仙台でいろいろ買いたいものがあるのか母さんは少し興奮気味だった。
そしてそわそわしている理由は両親が来るというのもあるが本棚を早く父に組み立ててもらいたかったからだ。ただそれだけ。それくらい自分でやれと思う人がいるだろうが失敗するより父に任せた方が安心だ。本棚以外にもいろいろやらなきゃいけないことあるし。
入学式当日、最寄り駅から人はたくさんいた。
こんな満員電車乗った時ない…
そもそも地元の電車は1両で走ってた、たまに2両だったりするけどやはり仙台だ。4両編成にも関わらず車内はぎゅうぎゅう詰め。まぁ、これも慣れるんだろなぁ。
大学の最寄り駅で降りると新入生でいっぱいだった。
キモ…。
正門をくぐるとたくさんの人が花道をつくるようにして何かを配っている。
「よろしくお願いしまーす!」
「楽しいですよ!よかったらお願いします!」
どうやらサークルの勧誘をしているみたいだ。
うわぁ、めんどくせぇ…
通りたくなかったので花道を避けようとしたのだが、時すでに遅し。母がもう既に歩き始めていた…。
「はぁ…」
自分の手元はチラシでいっぱいになった。軽音、ダンス、学生リーダー、学祭、オープンキャンパススタッフ、サッカー、野球、バスケ…
「バスケか…」
「なんか入りたいのあった?」
俺がチラシでいっぱいになってるのを見て申し訳なさそうに母さんは尋ねてくる。
「いや、特には無いかな」
「そっか、でもやりたい事があるならやった方がいいよ怪我しない程度に 」
顔は笑っているがその目は心配をしている目だった。
「うん…」
俺は持っていたチラシをカバンの中に入れた。
会場の体育館にはやっぱり人がたくさんいる。どうも人混みには慣れない。暑苦しく感じるなか各学科専攻のプラカードを持った学生がいる。自分の専攻に行くともう結構揃っているようで俺は少し焦りながら自分の名前がある椅子に座る。
周りを見渡すと個性豊かな人が多い。スマホをいじる人、式はまだ始まってないがぐーすか寝てる人、貧乏ゆすりが止まらない人、などいろんな人がいたがその中で一際目立つ2人組の男がいた。
1人は髪は紫色の髪、耳にはピアスをしていた、もう1人は髪は色が落ちたのか頭の上の方だけが黒く残りは金髪、やはりこの男もピアス、しかも隣のやつより多い。
田舎者の俺にとっては恐怖でしかなかった。
あいつらには絶対関わらないようにしよ…
式が始まる直前くらいに急いで席に着いた人がいた。
ん…?なんか見覚えあるな。あ、まさか…
式が終わり学科ごとに教室に案内された、先生が来るまで各々いろいろしていた。目の前のやつはもう既に連絡先を交換している。斜め前の女子は隣の子と和気あいあいと会話している。
みんなコミュ力高いなぁ…
そう感心してると隣のやつが話しかけてきた。
「あの…地元どこですか?」
「え、あぁ…山形です」
突然の質問に驚いて少しぶっきらぼうな言い方になってしまい、初日からやっちまったな…なんて思ってると
「え!ほんとですか!自分も山形なんです!」
「え、ほんとですか!山形のどこですか?」
「東根です!」
「そうなんだ、ちなみに俺は長井市です」
偶然にも隣の男は地元が一緒だった。スポーツをしているという共通点も見つかり意気投合した。
「あ、俺高橋綾人!よろしく!」
「俺は鷹平蒼、よろしく」
新入生を歓迎する学科長とその他の先生の話が終わり、明日から始まる大学生活に関する連絡などが終わり入学式の全過程が終了した。
両親が実家に帰り部屋に1人。
「はぁ、大学生かぁ…」
ポツリと呟く。もちろん誰も返事はしてくれない。わかってはいるけどつい最近までは家族と一緒に生活していたのだからさすがに少し寂しく感じる。
「とりあえず風呂でも入ろ。」
と重い腰をあげる。
これから本格的に一人暮らしが大学生活がスタートする。




