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世界の壁を堀り抜いた

俺の名前はホロウ。しがない世捨て人だ。


俺の朝は早い。太陽が登る前から作物の世話を、昼からは狩りをし、夜になると洞穴を掘り進む。


最初は居住区分の敷地を確保するために洞穴を掘っていただけだったんだが、今では倉庫だとか地下農地だとかいろいろ拡充し続けているうちに掘ることが目的となってしまっていた。


「弁当よし!松明よし!砂時計よし!いざ!」

かつんかつんと小気味良い音が洞穴に響く。


「お?また綺麗な石が出てきたな!」


この洞穴。最初のうちは何も無かったのだが、奥に行けば行くほど綺麗な石が割と頻繁に出てくるようになった。

だからコレクションは膨大にある。


それからしばらく掘り続けていたが、他に綺麗な石は出てこなかった。


「ふぅ...流石にこれ以上進むと基礎がなくなって危ないか。今日は早めに切り上げようかな...ん?」


今日の最終到達地点の壁に謎の穴が空いてた。


「何だこの穴...?少なくともピッケルで出来た穴じゃ無さそうだが...」


すごく気になるが好奇心でこの穴に触れた途端洞穴が崩れないとも限らないのでさっさと撤収しようと思った時だった。


ドン!と俺の後ろで大きな音がした。


何が起こったのかと慌てて振り返ると掘り進んできたはずの道に何故かでかい岩が鎮座していた。


「な、なんだ?基礎が崩れたのか?やっぱこの穴触れなくて正解だったな...」


しかし困った。この岩を削るにも食料が尽きる。いや、先に空気も尽きるかもしれない。


松明もあるし窒息死は早いだろう。


と悩んでいると今度はボコッ!という音と共に水が流れ込んできた。


「うぉ!?ちべたっ!」


今にして思うと、冷たい水に体力は奪われたが、もしこれが熱湯だったらと思うとぞっとする。


あの当時の俺は人生に絶望していたから自殺を何度も考えていた。

だからこそ苦しまないように死ねる薬を常備していたし、もし洞穴の奥で事故にあった時には飲もうと思っていた。


要するに俺は苦しんで死にたいなどとは思っていなかったのだ。

これ以上苦しみたくないとも。

ただ、今まで死ぬ勇気と機会がなかっただけで。


「後ろには岩...これは...自殺用の薬を使う時が来たか?」


そんなことを真剣に悩んでいると先程壁にあった穴から一筋の光が伸びてきた


「え?なんだ?」


その穴を覗きこんだが、光以外は何も見えなかった。


ここで俺は相当悩んだ。

自殺用の薬を飲めば楽に死ねるかもしれない。

だが、それはこの光の意味や理由を知ることなく死ぬという事だ。


知っても意味などないかもしれない。

その時、俺はある信念に動かされた。




自分は満足して死にたいと。




「...どうせ死ぬなら掘ってみるか」


そんな気持ちで俺は人生で最後となるであろう一振を振り下ろした。



























サクッとピッケルが岩に刺さり込んでいくような違和感だらけの感触だった。

そして、俺からは見えなかったがピッケルがその穴の奥に到達したんだろうというところで...












俺は空中に投げ出された

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