3.
あ、足音が聞こえる
母上と父上達が来たみたいだ
「そうか…じゃ、私は一時寝る。影とシアトルまたな」
「シアトル様、ご両親にご説明されますか?」
「いや、黙ってよう。玲は静かに過ごしたいようだし」
影からの問い掛けにシアトルは微笑んで答える
「私が言うかもしれませんよ」
それにシアトルは一瞬驚いた顔をしたがすぐにまた微笑む
「それはないだろう。影、君は玲の事を主と認めようとしたのだから」
「…」
シアトルがそう言うと影は黙ってしまった
シアトルはこれを肯定と取った
「名前、玲に教えるんだったら僕にも教えてね」
影はそれには答えず一礼をして物陰の中に消えていった
【影渡り】という魔法を使ったのだ
【影渡り】という魔法はこの公爵家に使える影ならば全員が使える魔法である
ーーコンコン
「シアトル、入るぞ」
「シアトル、大丈夫?」
シアトルの母と父が部屋の中に入ってきた
「母上、大丈夫です」
「そう?なら、良かったわ」
シアトルは何か探るような視線を感じてその視線の方を見る
視線の先には父がいた
「…なにか」
「いや、何でもない。シアトル、もう大丈夫なら私と一緒に来なさい」
「それは…シアトル、大丈夫なのかしら?」
「はい。先ほども言いましたように僕はもう大丈夫です」
「そう?」
シアトルの母はとても心配性である
父の方は考えてる事が読めない
「早く来なさい」
「はい」
ーー書斎
「…シアトル、お前の中にいるそいつはなんだ?」
シアトルの父は着いた途端そう切り出した
「そいつ…とは?」
「隠すのは止しなさい。【鑑定】で簡単に判る」
「はぁ…玲は僕のもう1つの人格ですよ」
シアトルは面倒くさそうに答える
「シアトル、その玲とやらと話させてくれ」
「分かりました。玲、起きてくれ」
………
「玲」
…シアトル、なにか用か?
「僕の父と話してくれ」
別に構わないが…
この話し方で大丈夫か?
「うん、大丈夫」
そうか
「…それで、シアトルの父が私に何の用なんだ?」
「君が玲なのか」
玲は頷く
「そうか…君はシアトルに危害を加える気は無いんだな」
「ない。私は穏やかに過ごせればそれでいい。シアトルのことは私がしっかりと守るから安心しろ」
玲、さすがに上からものを言い過ぎじゃない?
一応君の父でもあるんだけど…
「あ、そうか。シアトルのお父さん、申し訳ない。私の親は私が子供の頃に亡くなってしまったから、どう接していいかが分からない」
「そ、そうか。別に気にしなくていい」
シアトルの父は戸惑いながらもそう返す
「まぁ、これから貴方は私の父だ。困ったことがあれば何時でも呼んでく…ださい」
玲が奥の方へと潜り代わりにシアトルが表へと出てくる
「…今の玲という者はいったいなんなんだ?」




