第85話 サイファー進化!!
そしてサイファーはそのままビビエルにも攻撃した。
ビビエルは彼の力で吹き飛ばされて倒れたビルの壁に叩きつけられた。
サイファーはすぐさま走ってビビエルに近づくと立て続けに攻撃した。
「ほらほら。痛いだろ? 俺に逆らうとこうなるんだよ!!」
彼はそう言いながらビビエルを痛めつけた。
サイファーは新たに強者のオーブを手にしたことに以前よりも力を増していた。
そのせいでビビエルも彼に対抗することは全くできなくなっていた。
ビビエルはそのまま地面に倒れる。
倒れた彼女に近づいたサイファーはベルトに杖を向けた。
「これは俺のものだ」
「や、やめて!!!!」
ビビエルが叫んだがサイファーは容赦なく彼女のベルトを自分の手元に引き寄せた。
そしてそれを自分の腰に付けようとした。
だがその直前、アランがサイファーに向かってエネルギーを放ちそれを阻止した。
ビビエルは飛んできたベルトをキャッチする。
「君の相手は、僕だ!!」
アランはそう叫んでサイファーに掴みかかった。
「何度も蘇るんだったら、何度でも殺してやるよ」
アランはサイファーに向かって再び強力なエネルギーを放ち彼を吹き飛ばした。
サイファーは地面に倒れてもう一度死んだ。
だが彼はすぐに蘇って立ち上がる。
「アハハハハハァ……。さあ! もっと来い!! もっと俺を殺せ!!」
サイファーはそう言って両手を広げた。
アランは言われた通りもう一度エネルギーを放ちサイファーを殺す。
彼はサイファーが蘇る度に何度も殺していった。
「おかしい……。蘇る度にどんどんエネルギーを増してる……」
ビビエルは呟いた。
「アラン!! 気を付けて!! 何かがおかしい!!」
ビビエルがそう叫んだが、アランは攻撃を止めない。
「今はこいつを倒す以外の解決策がない!!」
彼はそう言った。
たしかに彼の言う通りでビビエルはただ見守る事しかできなかった。
だが事実サイファーは死ぬ度に強くなっていっていた。
「もっと殺せ!! もっとだ!!!!」
サイファーはそう叫んでアランに何度も殺された。
「いいかげんに、早く死んでくれよ!!!!」
「ああ!! 殺せ殺せ殺せ!!!!」
アランはいままでよりも力を込めてサイファーを殴った。
サイファーは突き飛ばされて再び倒れた。
サイファーはまたしても立ち上がるがアランはもう一度サイファーを殴る。
だがそこには少しずつ変化が訪れていた。
彼の死んでから蘇るまでの時間が少しずつ長くなっていたのだ。
「君ももうそろそろ限界か?」
殺してからしばらく立ち上がってこないサイファーに向かってアランは言った。
サイファーはゆっくり立ち上がって言った。
「まだまだ。俺はこんなもんじゃないさ」
そう言う彼をアランは容赦なく殺す。
そしてサイファーは再び倒れ、しばらくそのまま動かなくなった。
「どうしたんだ……? とうとう死んだのか?」
アランは恐る恐る倒れたサイファーに近づいていく。
ビビエルは徐々に増していくサイファーのエネルギーを感じ取っていた。
「まだ生きてる。でもさっきよりもエネルギーの増え方が遅い……。弱ったのかな?」
ビビエルは言った。
アランはサイファーに近づいてあることに気が付いた。
彼の体からうっすらと白い光が漏れていた。
それは明らかにオーブによるものではなかった。
「ど、どういうことだ?」
彼は危険を感じて少しサイファーと距離を取った。
するとサイファーがようやく口を開いた。
「アラン・ブラックウォール。お前のお陰で俺は久しぶりにいい気分だ」
「どういうことだ?」
サイファーはそのままゆっくりと立ち上がった。
彼の体から放たれていた光はさらに強さを増していた。
「アラン……。離れたほうがいい……。やっぱりおかしい。さっきよりもどんどんエネルギーが大きくなってる」
ビビエルの言う通りアランはサイファーから離れた。
「ああ、それが賢明だ。今、本当の俺が目覚めようとしてるからな」
サイファーは言った。
「本当の君だと? じゃあ今までのは本当の君じゃなかったっていうのか?」
「ああ違うね。俺は他人の魂の皮を被って自分の本当の力を押さえつけてきた。そうしなければこの肉体が持たなかったからだ。だが今はどうだ? オーブも2つ手に入れ、俺の年齢も十分。まさに完璧な状態だ。そしてお前が俺を何度も殺したことで俺の本当の力が戻ってきた」
「なんだと……?」
「さあ! その目に焼き付けろ!!!! これが俺の真の姿だ!!!!」
サイファーはそう叫ぶとその体から眩い光を放ち始めた。
アランはその姿を目撃しようと必死にその光の向こう側を見た。
「あ、あれは何だ……!?」
彼が目にしたのは鋭い爪と翼の生えたシルエットだった。
光が消えると彼はその正体を現した。
その爪は鋭く伸び、口からは牙が生えている。
そして何よりも背中に真っ白に光り輝く大きな翼が生えていた。
「ど、どういうことだ……」
「アラン!! 気を付けて!!」
ビビエルがそう叫んだのもつかの間、アランは飛んできたアランによって思い切り突き飛ばされてしまう。
「さっきはよくも俺を痛めつけてくれたなァ!? 100倍にして返してやるよ」
サイファーはそう言いながらアランに向かってエネルギーを放った。
アランも彼の攻撃に応戦するが先ほどとは比べ物にならないパワーに圧倒されてしまう。
「くそっ。どう考えてもパワーで負けてる」
アランは逃げるばかりで攻撃を繰り出せない。
何か攻撃を浴びせたとしても簡単に弾かれてしまう状況だった。
「おいまずいぞ、アラン! どうするんだ!」
いてもたっても居られなくなった熊がアランの体から飛び出して来て言った。
「出てくるなって言っただろ!」
「だって負けそうだから!」
熊がそう言っているとサイファーからもう一度攻撃が飛んできて、アランは吹き飛んだ。
「さあ!! 今度は俺がお前を殺してやる!!」
サイファーはそう言いながらアランに向かって飛んでくる。
「おいおいおい!! どうにかしないとまずいよアラン!!」
「うるさいな、今対策を考えてるんだ。静かにしてくれ」
「いいや、嫌だね。もう俺は決めた。静かにはしない。どうせ死ぬなら騒がしく死にたいからな。ワーワーワー!! クマクマクマ!!!!」
「だったら君も騒ぐだけじゃなくて何か考えてくれよ! 悪魔なんだろう!?」
「うーん。分かった。考え中考え中……」
熊が考え込んでいる間にサイファーはアランの元まで近づいて来た。
「さあ、死ね!! アラン・ブラックウォール!!」
サイファーはそう言ってアランを掴み上げるとそのまま投げ飛ばしてオーブから放ったエネルギーをぶつけた。
「うあああああああっ!!!!」
アランは再び吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。
「お、おい熊! 何か思いついたか?」
アランは聞いた。
「あ、ああ……。今の衝撃で1つ思い出した……」
「なんだ!? 早く言ってくれ!」
彼らがそんなやり取りをしている間にもサイファーは再びアランの元へと近づいてくる。
「でも危険なんだぞ!? この方法は俺たちの命を削ってしまう。つまり寿命が減るってことだ。怖いだろうが!!」
「なんでもいいから早くやり方を教えるんだ!!」
「慎重に使えよ!? 分かってるな!? 俺たちの体を構成しているエネルギーの一部を取り出してそれを放つんだ。やり方はまず全身に集中を向けて……」
熊がそんな説明をしている間にアランはサイファーに向かって攻撃を放った。
今までにない強力なエネルギーが彼の手から放たれ、サイファーは吹き飛んだ。
「ほう、これはなかなか強力だな」
「おい!! まだ話してる途中だったろうが!!」
「僕たちは繋がってるんだぞ? 離さなくても君の考えは筒抜けだ」
「なんだよはずかしいなあ」
「アラン、危ない!!」
ビビエルが叫んだ。




