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バニラパンチ  作者: うみこん(宇宙みかんコンピューター)
第二章 学園
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第47話 リンカアランロンドのコンビネーション! 三島リンカはどこへいく。

 リンカ、アラン、ロンドはアンナの元へと駆け寄り、彼女に向かって攻撃の体制をとった。


「アンナさん。降参してください。分かってるでしょう。今度こそ、本当にあなたの負けです」


 リンカはアンナに向かって拳を突き出す。


「あたしは、あたしは間違ってなんかいない!! お前も分かるだろ!! そうだ!! お前とあたしで一緒に計画を成功させないか?」


 アンナはリンカの肩を掴んで言った。


「いいえ。あなたは人殺しです。間違ってます」


 リンカはアンナの手を振り払った。


「あたしは……」


 アンナは腰を落として愕然とした表情を受かべた。


「分かった。あたしを殺せ。そうすればお前も人殺しだ」


 アンナは両手を広げて言った。


 リンカはアンナの言葉に一瞬ためらいを見せた。


「リンカ、君がやらないなら僕がやるぞ」


 アランは言った。


「仲間を守るためなら躊躇うな。お前の躊躇いで救えるはずの命も救えなくなる」


 ロンドがリンカに言った。


「リンカさん! がんばって!!」


 クリスが叫んだ。


 リンカは目を閉じて深呼吸した。


「私はあなたを倒します。クリスちゃんのために、そしてみんなのために!!」


 アランは魔力エネルギーを手の中に溜め、ロンドは斧を構えた。


「三島流……。スカーレット・ワンサード!!」


 リンカがそう言うと、彼女の拳から強大なエネルギーがアンナに向かって放たれた。


 そしてアランも魔力エネルギーをアンナに向かって放った。


「うあああああああああああああああああああ!!!!!!!」


 アンナは叫び声を上げた。


「俺たちの勝ちだ!! 死ねえええええええええ!!」


 ロンドが飛び上がり、アンナに向かって斧を振り下ろした。


 彼の攻撃が直撃したことでアンナの肉体は粉々になり、その場にいた全員を吹き飛ばすほどの爆発が起きた。


 皆吹き飛んで倒れた。


 そして砂埃が舞い上がった。


「ケホケホケホケホ」


 だんだんと砂埃が消えていき、アンナが消えていることが分かった。


「た……倒した……」


 アランは唖然とした表情で宙を見つめていた。


 散り散りになったアンナのエネルギーがキラキラとした雪のように降り注ぐ中、アンナに繋がれていたジェーンの肉体が解放されてゆっくりと地上に降りてきた。


「お、お母さん!!」


 クリスはジェーンに駆け寄った。


 アランも彼女に続いて駆け寄る。


「お母さん!! 聞こえる?」


 クリスが呼びかけるとジェーンの瞼が少しだけ動いた。


「ク……リス、アラン……」


 ジェーンはゆっくりと目を開けた。


「お母さん!!」


「大きくなったわね、2人とも……」


 ジェーンは今までに起きたことを悟ってその目から涙を流した。


「お母さん! もうアンナはいなくなったの!?」


「うん……。私の体の中からは消えたみたい」


「よかった……」


「母さん……」

 

 アランが言った。


「アランも立派になって……。あなたがアンナを倒してくれたんでしょう?」


「いいや、僕には結局何もできなかった……。すまない……」


「いいえ。あなたは頑張ってたって私にはわかる……。アランだけじゃない、2人とも。本当にこんな事になっちゃって……ごめんね……」


「いいんだよ! お母さん……。もう終わったの! アンナは死んだ! だからさ、3人で一緒に帰ろうよ!」


 クリスがそう言ったがジェーンはあまり嬉しそうではなかった。


「ごめんね。私は帰れない」


「どうして! もうアンナはいないんでしょ!?」


「私の寿命はもう残りわずか……。もうすぐ死ぬんだって感じるの」


「そんな……」


「だからね、一つだけあなた達に聞いて欲しいことがある。すごく我儘なお願いかもしれないけど……いいかな?」


「いいよ! なんでも言って!」


「私はアンナが今まで傷つけた人たちに何か償いがしたいの……」


「なんで母さんが……? やったのはあいつだ。あいつが悪いんだ」


 アランが言った。


「いいえ。確かにやったのは彼女の意思だけどこの体は私の体。しかも私は彼女の中に居て少しだけ意識があったの。そして彼女が誰かを傷つけるたびに苦しい思いをしてきた。もう誰にもそんな思いをして欲しくないの……。だから、あなたたちがアンナみたいな悪い人からみんなを救ってほしい……」


「私たちが?」


「そう。あなた達はアンナに傷つけられながらも彼女に勝った。私の自慢の子供。でもね、世の中にはそんな強い人ばかりじゃないの。弱い人は強い人には逆らえない。だからね、そんな人達をあなた達が救ってほしいの」


「弱い人たちを……」


「分かった。僕はやる。僕もそういう人間を何人も見てきた。これ以上は看過できない」


 アランが言った。


「だから僕がみんなを救う。だから安心しな」


 アランはジェーンの手を握った。


「私も! 私も頑張る」


 クリスもそう言って2人に手を重ねた。


「よかった……。やっぱり自慢の子供達ね……。これで安心して死ねる……」


「そんなこと言わないでよ……」


 クリスはジェーンに抱きついた。


「ママ……。死なないで……」


 クリスは涙を流しながら言ったが、ジェーンはそこで息絶えた。


 クリスはそのまましばらく彼女を抱きしめ続け、アランはその場から離れた。


 リンカはその様子を少し離れて見守っていた。


 突如前世の記憶を全て取り戻したこともあって彼女は複雑な感情に支配されていた。


 そんなリンカの背後に1人の人物が近づく。


 リンカは気配に気づいて振り返った。


「ジム!? 生きてたの?」


 そこに立っていたのはジムだった。


 リンカが話しかけてもジムは返事はしない。


 それどころかジムは虚な目でリンカを見つめると、突然リンカの頭を掴んだ。


「な、なにするの!?」


 ジムはニヤリと笑った。


「あたしは死なない。必ず戻ってくる。いいや……。むしろお前たちの方からあたしを求めに来る。だがな、お前のその記憶だけはなんとしても消し去らなくてはならない」


 ジムはアンナの声でそう言うと、リンカの頭を掴んだ彼の手が光を放ち、リンカの意識は次第に遠くなっていった。


「アンナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 アランは叫びながらジムに近づき、魔術でジムを吹き飛ばした。


 そして魔力エネルギーをジムに向かって放つと、ジムは跡形もなく消し飛んだ。


「リンカちゃん!!」


 倒れたリンカにミルが駆け寄った。


「あれ……?」


「どうしたの!? 何が起きたの?」


 ミルが聞いた。


「思い出したはずの前世の記憶、全部忘れちゃった……」


「クソッ!!」


 アランはイライラしている様子だ。


「アンナはまだ生きていたんだ!! でも一体どこに隠れてるんだ……」


「アランさん、今はそれよりも……」


 リンカは言った。


「ああ。分かってる……」


「ロンドさん」


 リンカがロンドに近づいた。


「このオーブ私にくれませんか?」


 リンカがロンドに借りていたフラグメントオーブを見せながら言った。


「はぁ!? 何言ってるんだ! これはロンドさんのものだ! お前みたいなちんちくりんにはやらん!!」


 フォックスが叫んだ。


「タダでくれと言ってるわけではなさそうだな?」


 ロンドがリンカに聞いた。


「はい。これを持ってきたんですけど」


 リンカはアーミーから奪った、壊れたインフィニティシールドの装置をロンドに見せた。


「これは、インフィニティシールド!」


 ロンドは興味津々に見ている。


「はぁ〜? こんなボロボロのシールド使えるわけないだろ! アホかお前は!!」


「いいや、直せば使える。いいだろう。交換してやろう」


「えっ!!」


 驚くフォックスをよそに、リンカとロンドはインフィニティシールドとフラグメントオーブを交換した。


「ありがとうございます!」


 リンカはアランの元に駆け寄った。


「クリス。もういいだろ? 諦めろ」


 いつまでも母親を話さないクリスにアランは話しかけた。


「お兄ちゃんは、お兄ちゃんは悲しくないの?」


 クリスは言った。


「悲しいさ。でも悲しむことに特に意味はない。母さんのためにこれから何ができるか考えるんだ」


「お母さんのために……」


「僕には今助けなくちゃいけない人間がいる。クリスはロンド達と行くだろう?」


「うん」

 

 クリスは頷いた。


「リンカ」


 アランが言った。


「はい、なんですか」


「僕の力は結局アンナには敵わなかった」


「そんなこと……」


「いいや、そんなことある。あれだけ準備をしてきたのにな……。正直自分に失望してる」


「そんな……。アランさんはアンナに十分ダメージを与えてくれました!」


「いいや。そんなことないさ。このままじゃ僕はリリィにも勝てない。あいつの持ってるエレメンタルジェムの力はフラグメントオーブに匹敵するほど強力だ。そんな力を持った魔術師は今の僕の力では倒せない」


「一緒に戦いましょうよ! 私たちにだってオーブがあります!」


「いいや。まずは君1人で行ってくれ。僕は何か策を考える。それまでは……」


「……」

 

 リンカはしばらく黙って考えたがすぐに顔を上げた。


「わかりました! 私はアランさんを信じます!」


「ありがとう、リンカ」


「もちろんです、だって私の師匠ですから!」


 リンカはそう言ってアランに背中を向けた。


「ミル、帰ろ?」


 リンカはミルを連れてその場を去ろうとした。


 だが、一度だけ振り返ってアランに言った。


「ずっと、待ってますから」


 そう言って2人は学園に向かって消えていった。

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