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奇妙な悪夢

活動報告で言っていた「夢」の作品です。

――此処は、ああ夢か――


 私は気がつくと、見覚えの無い建物にいた。

校舎のような場所だったと思う。

 陽光が差していたから昼間だろう。

時計が無かったから分からないが。


 身体が勝手に動いて、どんどん進んで行った。

 例えるなら、カメラを見ている感じだろうか。

身体については意識していなかったのだから。


 校舎内をどんどん歩く。人は影も見当たらない。

 陽光が不気味さを取り払っていたと推測する。

……今にして思えば、嵐の前の静けさでしかなかったのだがね。


 前方に変化が訪れた。学生服を纏った少女の後ろ姿が見えたのだから。

 角から曲がってきたのだと思う。


 声は掛けなかった。掛ける必要性が無かったからだろう。


 少女の姿を具体的に、一言で言うなら、二次元やアニメ的になるな。

特に深夜系のアニメがピッタシとも言える。


 さらに現実的に考えても、新緑色の髪色なんて見かけない。

あったとしても、関わりたくないから避けるだろうしな。

 髪型はショートじゃなく、ロングのストレートヘアーだったな。

髪の長い市松人形のおかっぱみたいではなかったが。


 少女の姿を追いかけるように、しかし、ゆっくりと歩いていた。

 書いていて我ながらストーカーのように思える。

 後から夢での記憶を書いてるからかもしれない。

空想と言う脚色もあるのは否めないがね。


 校舎内の廊下を歩いている。

 少女の同級生や先生などの教師とかは、姿は見かけなかった。

少女がただ一人歩いていただけ。

その後ろを私が追いかけている。

 しばらくはそれだけだった。


 不意に変化が訪れた。

映像を切り替えるような形で、場所が廊下から、業務用の大型洗濯機がある洗濯室に変わったのだ。

 窓を介して外を見た。明るかったので、まだ昼間の時間帯だろう。

 不意に大型洗濯機の扉が開いた。

誰の手も借りることなく、自然に。

 ある種のポルターガイストであると今は思う。


 大型洗濯機の扉は左側へと開くように作られているものだった。

そして、左側にはベランダに繋がるガラス戸。

 そのことも考慮してあったのか、大型洗濯機の位置は扉を開けてもガラス戸に当たらない所にあった。


 不意に開かれた大型洗濯機の中にあったもの。

洗われた衣類、それなら納得できる。

しかし、それ以外にあったものは納得できない。

 それは本来なら、大型だろうがそうでなかろうが、洗濯機自体に入っているべきではないものだから。


 それ以外のもの、それは――私の目の前で廊下を歩いていた少女の生首――だった。


 少女のストレートヘアーが一部だが洗濯物に絡みついて、ごわごわとしていたのを今も思い出す。

 そして、奇妙にも少女の生首に血は無かった。


 そこで再び場面が切り替わる。

 私はどこかの部屋で、誰かに――おそらく、校舎内の権威者に――一方的に話を聞かされていた。

多分、注意言に類するものだろう。

 何を言っていたのか、全く記憶にないが。


 それを聞き終えると、また場面が切り替わった。


 今度は同じ校舎内の廊下で、またも陽が射している。

 時間の流れすら曖昧なのは、夢の特徴だろうか?

そう思えて来るほどに、昼間の場面が多い。

 後から書いている今だからこそ、気にできることかも知れない。


 廊下には遠さと近さが妙な位置に、――背丈や服装から推測するに女性ではないだろう――一人の男性が歩いていた。

 黒く薄汚れた格好で後ろ姿を見てだが、気味の悪さを感じさせているのを見て、直感が囁くように私に言った。


『――あの男が少女の首を切断した犯人だ――』と。


 私は男の後を追っていた。

少女の時と同じように。


 しばらく歩く、男は振り返らない。

後を追われているのに気づいていないのか?

それとも、気づいているが気づかないふりをしているのか?


 所詮は夢での出来事でしかない。


 歩いていると、屋上に場面が切り替わった。

男は屋上の角を曲がっているのが見えた。

男を追いかけるようにして角を曲がる。

 目に入ったのは、トタン板が入り混じった不自然な廃材置き場。

 普通、廃材を置くなら、一目につかないところに置き場を作るはず。

なのに、屋上に廃材置き場があるのだから、不自然としか言いようがない。

 辺りを見ると、男の姿は廃材に隠れてしまったのかいなくなっていた。

 その代わりに見つかったのは、学生服を乱暴に開けた様で着た首の無いマネキンだった。

 男を追っていた緊張からか、視界が若干ぼやけていたみたいだ。

 視界が回復した後によく見ると、マネキンでは、そう、マネキンなんかじゃなかった。

 手足や開けた学生服から見える肌色からは、生気が喪失したことが明らかであったし、何よりも、私の中の直感が囁きではなく断言している。

『――あの死体は彼女だ――』と。

『――首が無いのは、切断されたから――』だと。


 今にして思うが、少女の血は無かったのが。

夜の闇の中ではなかったのが。

太陽が照らす昼間だったのが。

奇妙である救いなのだろう。


 あの場面が最後だったのか私は夢から覚めた。

 毛布で身体を覆って疲れを取るために横になっていた、とある土曜日の午後の時間に目が覚めた。


 夢の中での出来事に叫び声をあげるほどではなかったが、背中にかいた冷や汗を数日経った今でも覚えている。

 あの夢を見た意味は何だったのかは分からない。

しかし、利用できることはある。

 こうして、私が見た奇妙な夢を文章に起こして、興味を持った読み手に読解してもらうということが――


《終》

あの夢を見た前日が「実わた」の最終回だったので、少女のモデルが「実わた」のヒロインであると思います。

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