命と愛
過去作品晒し一弾目です
1
この世には
幾つもの生命が芽生え
幾つもの生命が息を引き取る
この一時にも
一分にも
一秒にも
世界中のどこかで
生命は生まれ
生き抜いて
終わりを迎える
繰り返されること
2
貴方は何故死ななければからない?
貴方のつがいであるわたしは
貴方の死を受け入れられない
泣き続けるわたしに
貴方は残された力を振り絞り
悲しむわたしを抱き締める
貴方の温もり
貴方の笑顔
貴方の想い
貴方の勇気
わたしの生命が尽きるまで
わたのは貴方のことを
絶対に忘れたりはしない
3
運命は幸せな時に牙を剥く
最愛の女性との子供は
最愛の女性との引き換えだった
悲しみの淵
抜け出せない沼
だけど君との子供が差し伸べた
小さな手に救い出された
その時
君との子を
ずっとずっと
生命の灯火が消えゆく時まで
守っていきたいと誓った
4
月明かりが灯す草原に
君と私はワルツを踊る
月の明かりの下で
たった二人
風が奏でる音楽に合わせ
月明かりが照らし終える時まで
私たちのワルツを踊ろう
月の明かりに癒されながら
5
雨の音が
わたしたちの
心を癒やす
それは自然の子守歌
貴方がいない時間は
悲しく冷たい時間
貴方といる時間は
わたしに心地良さを
与えてくれる
願わくば
ずっと一緒の時間を
貴方と共にいたい
6
私の死は君の心を傷つけるだろう
でも私は信じてる
君が私の死という
悲しみを乗り越えて
私の分まで
生き抜いていくことを
7
生まれてきた生命
亡くなった貴方との子供
わたしはこの子を抱き締める
貴方の分まで愛を注ぎ
貴方の分まで生き抜いてくれることを
小さな生命に願って
8
大樹は見守る
己が大葉の加護の下に住まう
生命たちの生き様を
葛藤を
個々に課されしこんなんを
何百年 何千年 何万年
最初に加護を与えてから
ずっとずっと見守っている
いつの日か
己が枯れるその時まで
9
物語は始まり
物語は歩み
物語は終わる
だけど
新しい物語は始まり続ける
それは様々で
それは色々で
たくさんある
物語を歩み続けさせるために
本当の終わりへと――
《終》