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三代勇者   作者: しゅーまい
禁忌死域攻略編

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155/156

150話 禁忌死域下層 その2


「っ!!」


気づけば、俺は大雨に打たれていた。

ここは……どこだ?

そこは何もない無の所だった。


「……………」


ドゴッ!!!

小魚……!?


「雷魚兄ちゃん……毎回毎回、僕を盾にして………それでもリーダーか!?」


「!!」


なんなんだ…………急に……


「お前の存在価値はなんだ?正直俺一人でよくないか?」


宝魚………


「グッ!!」


「宝魚の言う通りむし。雷魚は正直いらないむし。」


「まあ、ただのリーダー気取りしてるだけのやつって感じ。」


「いらないよね。正直言って。」


「…………………」


皆も…………俺のこと、いらないって思ってたのか………まあ当り前だ。

俺は天を仰いだ。

すると一瞬で口の中に水が溜まった。


「うがっ………」


思わず飲み込む。


俺……は…どうすればいいんだ…………これから………


―――・・・―――


「う………」


「「「あっ!!」」」


小魚、ムッシー、宝魚、ノエル、晴魚が俺の顔を覗き込んでいた。

病室……?

夢……だったのか………

だが、夢の中で殴られた所が、まだかすかに痛みが残っていた。


「……………」


今のは、本当に夢だったのか?

皆の安心の顔がどんどん怖く見えてくる。

ふと、窓の外を見た。

雨が降っていた。

しかも、夢と同じくらいの大雨だ。


「………」


「雷魚、3日間眠ってたんだよ?」


晴魚が言った。

3日間も…………?

そういえば、クートから喰らった傷が治っている。

痛みは、殴られたところだけだ。


「皆は…………無事なのか?」


「「「うん」」」


なんだ………なんでだろう?手が震える………なぜか1年以上も旅をして来た仲間が敵に見える………まるで…………真の感情を表にださないピエロのような……

奴らの顔が歪む…………ピエロの顔が歪んだようだ…………


「雷魚兄ちゃん?どうしたの?顔が真っ青だよ……?」


声までも歪んでいる…………


「うぐぅ…………」


頭が痛い…………眩暈がする………全身が………痙攣する…………


―――・・・―――


しばらくすると、症状は落ち着いたが…………


「無理しないでよ?本当に。」


「あぁ…………」


小魚、ムッシー、宝魚、晴魚は俺の為に薬を買いに行ってくれたらしい。

この部屋にはノエルと俺だけだ。


「なあ、俺って本当にリーダーでいいのか?」


「え?」


「正直俺、ただ魔法を撃つだけのやつになってるだろ?」


「そうかな?」


それだけなら、まだ耐えられたが、俺のこと、仲間がいらないと思っている。

そんなことを思い浮かんだ自分をぶん殴りたい。

そんなことが頭に浮かぶ自分の愚かさが辛い。

考えれば考えるほどつらくなっていく。


「俺なんて………いらないんじゃないのか?」


「雷魚…………雷魚は作戦を考えるのが得意。だけど、私達は作戦がない方がうまく立ち回れたりする。だから存在価値が分からなくなってるんでしょ?」


「うん」


「正直、私だけじゃなくて雷魚の作戦が活かすことができなくなってることは皆気づいてると思う。でも、それだけが雷魚の取り柄じゃない。戦闘面だけじゃなくて日常でも雷魚は不可欠だよ!」


そう……か……戦闘のことだけを考えてしまうのが…………俺の悪い癖だ。


「それに、私みたいに自分のもっともな長所をさらに活かせばいいんだよ。ほら、クートとの戦いでのこと。」


「そう……だよな。ありがとう。」


「うん。よかった………」


―――・・・―――


次の日…………


「雷魚、ホントに大丈夫むしか?」


「大丈夫だ。」


7層目に戻ってきた。

クートと戦った場所が7層目の最後でよかった。

8層目だ。

ここからは、俺もどんどん活躍していきたい。

ノエルも目がいいことを活かしていたから、俺も耳がいいことを活かしたい。

うーん…………まあ、今考えても仕方ない。

とにかく進もう。

8層目も相変わらずの地獄絵図だった。

変わったことと言えば、ヘルシャーの肉が動く回数が増えたこと。


「私達が近づいてきてることを感じてるのかな?」


晴魚が言った。

そういえば、ヘルシャーの肉に回収されたクートはどうなったのだろうか?


「取り込んで自分が強くなった。とかじゃねえのか?」


宝魚が言うが………なんか違う気がするんだよな…………勘だけど。


「ヘルシャーはかなりの巨体なんだろうね?肉をこんな広いダンジョンに張り巡らしてるんだから。」


小魚に続いて晴魚が言った。


「どんな姿してるんだろうね?人型ではないと思うんだよなー。」


「こんなでかいダンジョンのボスなんてRPGゲームで例えるとしたら体力バケモノ、攻撃力普通、3回行動、地味に厄介なことしてくる。これむし。」


地味に共感できるわ。

グググ……


「!!」


ドドドドドドドドドドドド!!!!!!


「「「うわああぁ!?」」」


「「キャアアァァ!!」」


突然、大量の肉の触手が飛び出してきた。

直前まで気付かなかった………しかも前の層より太くなっている。

直径40㎝くらい………しかも……威力が上がってる…………苦しい……

俺は雷杖、宝魚、ノエルは剣、晴魚は体を捻り、蹴りで肉の触手と壁の圧縮から開放された。

ムッシーは相変わらず小魚の肩の上だ。

小魚だけが開放されずにいた。


「ねえ、僕のサブ固有魔法って”大食い”でしょ?最近分かったんだけど、普通の人間じゃ、食べられない物も食べれるんだ!」


「こ、小魚……?まさか、」


グシャァァ!!!


「「「!?」」」


小魚は肉の触手にかぶりついた。

触手をかみちぎり、開放された。

血まみれの口を手で拭ってから一息つく。


「はぁ、まっず。」


「いやいやいやいや!!」


「小魚、さらにバケモノに近づいてるって!」


「けど普通に強い!」


「こ、小魚、血を被ったむし……」


「あはは、ごめんごめん。」


小魚は水が入ったビンをムッシーにかける。


「ぶるるるる!!…………むし。」


「それにしても、7層目と比べてかなり強くなってるね、この肉。」


ノエルが肉を剣で突き刺しながら言う。

宝魚も剣を突き刺してながら言った。


「多分、ヘルシャーに近づいていってるから力が増していってるんだ。」


ゴゴゴゴゴゴ………!!!

これは…………


「くる!」


ドドドドドドドドド!!!!!!

また肉の触手が大量に飛び出してくるが、俺が叫んだから、皆は攻撃を回避した。

これだ…………俺の長所、耳がいいから、相手の次の一手とか、不意打ちとかに気づける!


その後も、何度か不意打ちをしてきたが、俺の警告で全員、最初以外一度も攻撃を食らわずにこれた。


「さすが雷魚だな。本当頼りにしてるぜリーダー。」


「おう!」


と、言った瞬間、


「うん……?」


なんだ…………触手でもない………なにかが………

ドゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!


「なん…だ!?」


「しん………侵入者……」


そこには、大量の触手に操られている巨大な人型……というか、トロルのような”肉”がいた。

天井からの触手に、まるで操り人形のように。


「なに……こいつ…………」


「そろそろヘルシャーも本気で反撃しに来たってところむしかね………」


「そいつは燃えるな。」


「今の僕たちなら…………勝てるはず……」


「皆、頼りにしてるぜ!」


「「「任せろ(て)!」」」

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