13:続・2匹の冒険
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地獄の番犬ガルムが待ち構えている
全身が真っ白の狼であるが、胸元だけ血で染まったように真っ赤である。
ヘルヘイムを守る門番であり入るものは拒まないが、出るものは許さない。
その名の通り地獄の番犬である。
俺と弟はすたすたとガルムに向かって歩いていくとガルムから声をかけてきた。
ガ「フェンリルさんじゃないっすか!お久しぶりです。今日はどういった御用で?」
ゼ「久しいな 妹に用があってきた」
ガ「そうなんすね。まあ入るのは構いませんが、タダで出ることはできませんよ」
俺は今までこの入口まで来たことはあるが、実際に入ったことはない。
弟もないはずだ。
帰りはそのとき考えよう。弟と二人がかりなら強行突破できるだろう。
ゼ「ヘルはどこにいる?」
ガ「ヘル様ならお屋敷にいるぞ、まあお前なら匂いをたどって行けばすぐわかるだろう」
ゼ「わかった。」
そのままガルムの横を通り過ぎて妹のにおいをたどってヘルヘイムを進んでいく。
・・・
・・・・
ヨ「兄貴、遠くね?」
確かに、俺たちの歩みは遅くない。すでに数百キロは進んでいる。
妹はあまりヘルヘイムの奥地に住むつもりはないと言っていたが、まあ気が変わったのか。
途中、様々なモンスターがいたが遠巻きに見ているだけで手を出してこなかった。
ゼ「あそこだな」
平地に突然大きな屋敷がたっている、あまりにも不自然だ。
さらに周囲には何百というアンデットがたむろしている。
こいつらを蹴散らして屋敷まで行くのは面倒だなと思っていると、アンデットの一団が向こうから近づいて来た。
「フェンリル様とヨルムンガンド様ですね。ヘル様にご案内するように仰せつかっております。」
空中に浮かぶリッチが直接思念を送ってきた。
負けることはないだろうが、こいつらはヘルヘイムでは不死身だと聞く。
やりあうのは面倒くさいので素直に従っておこう。
ゼ「では案内してもらおうか」
リッチに案内されて屋敷に入り、謁見の間のようなところへ案内される。
その奥の玉座のような椅子がそびえたっている。
そこには玉座に不相応な幼女が座ってこちらを眺めている。
上半身は人型であるが、下半身は闇に溶け込んでいるようにはっきりしない。
以前別れた時と同じ姿のヘルが座っている。
へ「やっと私を助けに来てくれたのかしら?」
機嫌悪そうなヘルの言葉にはトゲがある。
確かに妹がヘルヘイムに幽閉された時に何もしてやれなかった。
当時オーディン達に喧嘩を売るにはまだまだ力不足だったからだ。
だが、今はご主人様がいる。ヘルを自由にしてやることができる。
ご主人様の命令でヘルを連れに来たのだ、家族として保護してくれるだろう。
子熊を生き返らせるために来たのではるが、これを機会に妹を助け出したかった。
ゼ「頼みがあって来た」
へ「やっと助けに来てくれたと思ったのに、一言目がそれ?」
さらに機嫌が悪くなってきているのが分かる。
ゼ「主人の命で生き返らせてほしい命がある」
へ「何よそれ!閉じ込めらえた私を放っておいて、何が主人の命よ!
誇り高き兄様はどこにいったの?主人って誰にしっぽ振っているのよ。
この駄犬!!!!!」
ゼ「今までは助けに来ることができなかった。俺の力では無理だったんだ。
だが、今のご主人の力があればお前を助けることができる。」
へ「絶対に嫌、いーやーだー!私の誰にも縛られないお兄様に主人がいるなんで絶対いーやー
むしろお兄様のご主人様はわーたーしー、あんなことやこんなことして~ぐへへ~」
ゼ「兄ちゃんがこんなにも頼んでもだめか?」
へ「いうこと聞かせたいなら、力づくでやってみなさいよ!」
ヘルは完全に怒っている、視線を横に向けると弟はオロオロしている。
ヨ「兄貴と同じくどうしていいかわかんない、兄貴同様、俺、動揺!」
へ「だまれ!ニョロニョロ!」
妹の容赦ない言葉に弟は「動揺、動揺、こんな俺どうよう?」と壁に向かって話しかけている。
うん、こいつは使えない・・・
ゼ「力ずくか・・・では人間界で磨きのかかった俺の最高の技にたえられるかな。」
俺は妹の前に前に歩いていくとゴロっと横になるってお腹を見せた。
手を伸ばせば触れるか触れないかという絶妙な距離をとる。
ヨ「服従のポーズ!キタ――(゜∀゜)――!!」
弟の感嘆の声が聞こえる、俺のこの技は以前の俺とは違う。
人間界にて毎日モフられるなかで、絶妙な角度と視線を研究して日々研鑽した究極のTHE服従!
どうだ妹よ、この兄のおなかに飛び込んで来い!
ヘ「そ!そんなものが私に効くわけないでしょう」
(きゃー、お兄様のおなか・・・どストレートです)
ゼ「まだまだー!」
俺は服従ポーズをとりながら、ゆっくりと尻尾を振り始めた。
相手の興味を引くように計算された速度でしっぽを振ってゆく。
ヘ「ふんっ!お兄様には負けませんわ、汚らわしい尻尾がふれた程度で・・・」
「(くぅ~お兄様大好きです~、愛らしいお兄様の尻尾が揺れているなんて)」
そう言うと妹は恐ろしい形相でにらみ付けてきたが、
・・・
・・・・
・・・・・
数分後、妹は俺のおなかに顔を埋めてモフモフしながら、よだれを垂らしていた。
「お兄様~モフモフ~」
さすが我が妹、手強かった。人間界で技を磨いていなければ勝てたかどうか。
帰ったらレージングたち実験台としてさらに技を磨かねばなるまい。
しばらくたって、妹が落ち着くと本来の目的を伝える。
ゼ「ヘルよ、主の命により、子熊を生き返らせなければならない。手伝ってくれるか?」
へ「お兄様がどうしてもっていうのなら手伝ってあげなくもないわ」
何とか妹も説得できたようだし、あとは無事にヘルヘイムを出ることができるかだな。
周囲のアンデットや、地獄の番犬と言われるガルムが素直に通してくれるかどうか。
ちなみに落ち込んでいた弟のヨルムンガンドはというと・・・
へ「いつまで落ち込んでるのよこのニョロニョロ!「ガツ」」
ヨ「ニャー!ヘルたんのピンヒール~」
と妹に踏まれて機嫌を直していた。
あいつはあいつでかなりのシスコンだが踏まれても喜ぶとは・・・




