96、海神の使徒5
半魚人にはリクエスト通りに、そのうち叛逆してやるとして、
取り敢えず問題はセーラとセルバンテスだ。
どうしてくれよう?
本当にどうしてくれようか?
俺の首を落としてくれたセルバンテス。
計画をたてた、セーラ。
多分生き返っても翼は失ったまま。
全部。全部。あ、い、つ、ら、のせいだ。
どうしてくれよう。
目の前では、半魚人が口をパクパクさせながら
「セーラ最高である。すぐに送り返すのである」
会話の内容はわからないが、
たぶんセーラに、なにかしら騙されている。
それはいい。ほっとこう。
そもそもセルバンテスに力で勝てるか?
前回死んで生き返ったときは、レベルは1だった。
今回はどうだ?
「なぁ俺は生き返ったらレベル1に下がるのか?」
「レベルの継承は、運次第である。でも………使徒として蘇る故に、どのみち弱くなる事は無いのであるが」
レベルの継承って運次第なんだ?
生まれつき才能持ってる人はレベル受け継いでんのかな?
にしても使徒ってなんだ?
「どういう事だ?」
「吾輩の力を一部受け継いで、圧倒的に強くなるのである」
「そうか、どのくらい?」
「数人いれば吾輩に匹敵するくらいである。吾輩三人の覇者に、なかなか勝てないのである」
「え?」
まずコイツが、どのくらい強いのかわからないけれど、
もしかしたら?
半端な力では無い?
セルバンテスは、なんとかできそうだが。
使徒が強いとなると。
セーラ。
「もしかして、セーラも強い?」
「結構強いのである」
「俺と、どっちが強い?」
「セーラかしこ強いから、汝は、たぶん力が強くても、勝てないのである」
いや、まぁ、げんに一度殺されてるしね。
………ぐぐぐ。
そうか、セーラ強いのか。不味いな。
あいつ等に復讐しようにも勝てないんじゃ。
どうしてくれよう。
「よし。汝の体の調整が終わった。汝を生き返らせるのである」
「体の調整ってなんだ?」
「アキリアの匂いのついた、巨大なドラゴンゾンビを、綺麗に蘇生させて2M程の海竜に改造。アキリアの匂いの付いたスキル福音、魂の劣化、変幻を捨てて、吾輩の福音、吾輩の加護、あと喋れないと不便だろうから、人間語のスキルをつけとくのである」
『おい?勝手に改造するな。福音付け替える意味あるのか?」
「匂いが違うのである」
いや、わからんし。
ま、そこはどうでもいいか。
だけど変幻取られると不味い。
あれは便利だ。
「魂の劣化はいらないけど、変幻は残してくれ」
変幻無いとイロイロ不便だ。
「駄目である。アキリアの匂いの付いたスキル最悪である」
「そこを、なんとか」
「あのスキルは下等生物には、分不相応なスキルである。本来神が別の神に神化する為の、スキルである」
「下等生物ってお前」
何?変幻ってそんなに凄いスキルだったの?
俺結構使えてたけど。
「あれを下界の生物に付与するのは、下等生物が操りきれずにスキルを暴発させて死亡、それを見て楽しむためのスキルである」
「へ?」
「アキリア最悪である。猿に使いこなせないのわかった上で、核ミサイルのスイッチを渡すようなものである。汝は、ほとっけば変幻スキルを暴発させて、面白い死に方するであるぞ」
「そんなに不味いの?」
「まぁ、変幻は成功率9割。失敗すると、神のなりそこないの化物になるからして。程なく力に耐えきれず狂死するである」
げげ、何かエラくヤバそうだね。
「………俺もしかしてヤバイスキルを使い続けていた?」
「である」
半魚人がマトモな顔で頷いた。
………ア〜キリ〜ア。
あいつ、本気で俺を使って遊ぶ気だったか。
「アキリアめ。アキリアめ〜」
「アキリア最悪である」
くそう。危ないところだった。
結構ポンポン変幻使っていたぞ。危なかった。
使うごとに10パーの確率で、面白い死に方する所だったか?
それを知っててアキリア、俺を観察してたな。
あいつならやりかねん。
俺を壊して治して、あそぶって言ってたし。
そ、そうだ
「スキルブレスとデイジーカッターは良いのか?』
「その2つにはアキリアの匂いが無いのである」
「そ、そうなのか?良かった?のか?」
「他に質問はないであるか?突然セーラからの福音が切れたのである。早く汝を送らないと、吾輩イロイロ貰えないかもなのである。汝を送るである」
よく喋る半魚人だが、頭以外は悪くない神なのか?
翼取られたのは痛いが、何か改造されたのも尺に触るが。
それでも、
それでも、それ以外は結構助かった気もする。
「おう。俺を生き返らせてくれ。あと………イロイロありがとな」
「行ってセーラとつがって稚魚作るのである。覇者を討伐するであるぞ」
コイツって、俺の事を鉄砲玉だと思ってるよな?
アキリア俺の事を、おもちゃだと思っていたけど。
前言撤回。コイツもアキリアもたいして変わんね。
出来るならば、
もうちょっと、まともな神様に出会いたかった。
そして………生き返った。
辺り一面、血の海だった。




