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81、ドラゴンブレス9



 ぐすぐすと、半裸で泣き崩れるカルナ。

 竜に変幻したために、俺の服もボロボロで、半裸と変わらない。


「おい。誰か清潔な服を持ってきてくれ」

「あ、は、はい。おいテメェらドラゴン様が服を御所望だ。もってこい。ダッシュだ」

「へ、へい。かき集めるぞ。急げ」

 

 俺が一声かけると、山賊崩れは我先に散っていく。

 そんなに怖いのか?


「お前達プロテインも持ってくるのじゃ」

「そうだ一汗かいた後はプロテインだ」

「運動後すぐに取らなと効果は半減だから急ぐのだ」


 脳筋共の戯言は置いとくとして、


「逃げた奴も呼び戻してこい。呼んでも戻って来ない奴は追いかけていって殺せ。死体は食べるからもってこい。見つからないやつは、後で匂いを辿って俺がおいかける。連座でその仲間も食うから、気合入れて全員連れ戻せ」


 山賊は逃がすと後始末が大変だからね。

 軽く嘘で脅しとく。

 低レベルな人間とか食べないよ。

 不味いとカルナでわかった。

 外見の良い、女性のカルナが不味いんだ。

 山賊男なんて、よほど高レベルじゃないと、

 食えたもんじゃ無いだろうし


 だが、脅しの効果は抜群だった。

 山賊モドキ達は、逃げ出した仲間を探して散っていく。


「おお、計画通りに皆指導者様に、ひれ伏したのじゃ」

「このままマ、ソウル教団を拡大しましょう」


 いや、やらないが。

 というか、気がつくと、いつの間にやら上腕二頭筋の計画通りになりつつあるのはどういう事だ?

 俺は彼奴に操られてる気がして、少し納得がいかない。


 大体が白虎装備が悪い。

 あれのせいで混乱してしまった。

 むう、少し暴れたら、のどが渇いた。


「飲み物をくれ」

「プロテインを早く指導者に献上するのだ」

「いや、プロテインはいらん。茶か何か頼む」

「は、はい。ただいま」


 山賊モドキ達は大慌てだ。

 茶葉がどうとか服がどうとか、プロテインとか持ってないとかばだばたしている。


「ど、どうぞお召し上がりください」


 ぬるくて、たっぷりのお茶と、

 皿に載せられた女性物の服が運ばれてきた。

 一息にお茶を飲み干す。

 飲みやすくて美味い。が足りない。


「おかわり」

「は、はい。ただいま」


 女性物の服を半裸でメソメソ泣いてるカルナの方へほうる。

 まじまじと俺の唾液で汚れたカルナを改めて見る。


「………カルナって白虎装備つけてるときは、97点くらいの可愛い子だと思ったのに、露出高くなると魅力が落ちるな〜」

「指導者それは間違いなのじゃ、男も女も露出は高ければ高いほど魅力的になるのじゃ」


 上腕二頭筋がポーズをとり、筋肉をアピールしながら持論を展開する。


「いや、待った上腕二頭筋どの、彼女は筋肉が足りない子では?」

「そうだ。もっと筋肉をつけて露出しないから、服を脱ぐと魅力が落ちるのだと思う」

「それじゃ。わかった。あの女を指導者好みの筋肉に、儂が責任を持って鍛え上げるのじゃ」


 筋肉を見せびらかす上腕二頭筋。

 筋肉がピクピク動く。


「さあ。儂らのように、究極の肉体美を手に入れて、指導者様の目を楽しませるのじゃ」

「ひ、い、いやだ〜〜〜。そんな筋肉になりたくないさ〜」


 更に泣きわめくカルナ。

 やめてあげて。


 ………周りの山賊モドキ達の目が、ドン引きを通り越して氷河期みたいになってら。

 誤解だ。

 筋肉達はともかく、俺をそんな目で見るな。


「お、おかわりをお持ちしました」


 コップに7割くらいの量に、そこそこの熱さのお茶。

 皿に女性者の下着が乗せられてやってきた。


 お茶を飲む。

 また美味い。

 お茶を飲み干して、女性物の下着を、筋肉に泣かされて大泣きしているカルナへ投げる。

 カルナの頭に白い下着がのっかった。

 ………哀れだ。少し前まで数百人の山賊モドキを率いてブイブイ言わせてた、女傑の姿とは思えんな。


 というか、何故わざわざ女性物の服を皿にのせてもってくる?


「駄目だぜ、ヒャッハー。そんなお茶やお茶菓子では、お頭の心は掴めね〜ぜヒャッハー」


 いま、なんて言った?

 なんか、ヒャッハーヒャッハー言いながら、

 モヒカンがお茶を運んでくる。

 その後ろには綺麗な女性が、ギャン泣きしながら連れられてきた。


「おい?何だこれ?」

「さあ。コレプロテイン飲んでヒャッハー。この女ごと好物の女性服を食べてヒャッハーしてくれお頭」


 モヒカンは少量で熱々のプロテインが入ったコップと、泣きわめく20才後半位のスタイル良い妖艶な女性を俺に食べろと差し出した。


「そ、そうか。お頭は、女性物の服だけ与えても食べないんだ。女性が着ている服だけ脱がして食べるのか」

「な、なんて変態だ。レベルたけ〜」

「な、なんと。あの男。指導者の好みを完璧なまでに理解しておる。恐ろしい洞察力じゃ〜」

「そんなに褒めるなよヒャッハー」


 ………誰がお頭だ?

 とかプロテイン持ってくるな。

 とか服だけ食べる変態ってなんだとか?

 いろいろ言いたい事があったが。


「ミギャン」


 それら全てをブレスに込めて、筋肉やヒャッハーをふっ飛ばした。






PV1万。P100超えました。

ありですm(_ _)m

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