78ドラゴンブレス6
なんとかカルナの下へとたどり着く。
カルナは5人の凶悪そうな、デカい男達を従えていた。
相変わらず、白虎の白い装備に身を包んでいる。
なんか偉そうだな。
う〜む。何か違和感を感じる。
何かを思い出さなきゃいけないような?
だがそんな事を考えていると、
カルナの取り巻きに声をかけられた。
そのカルナの取り巻きの第一声が奮っていた。
俺に向かって、
「おう。誰だそいつ等?マッチョ共はともかく、隣の男と女二人は、マトモな人間だな?マトモな人間。ぶち転がすぞ」
おい?なんだそれ?
ここにはマトモな人間は、いちゃいかんのか?
マトモな人間扱いされるのはともかく。
いや、野盗にマトモな人間呼ばわりされるのは、
褒められてるのか?けなされてるのか?
基準がわからんな?
しかし俺が反射的に動くよりも前に、上腕二頭筋が、
「我等はマ、ソウル教団のものじゃ。たった今から、お前達も、我等が軍門に下るのじゃ」
上腕二頭筋は、勧誘をはじめた。
おい?なんだそれ?
もうどっちが悪いかとかじゃなくて、
どっちが狂ってるかもわからんね?
おれの連れは確かにまともじゃ無かった。
凶悪な顔で凄む山賊?と、
にこやかに微笑みながら、この集団のトップ達を、無理矢理勧誘しようと試みる筋肉。
残りの筋肉三人も、ポーズとって筋肉ピクピクさせてる。
筋肉達は俺の言う事など、はなから聞いてないな。
ここの連中締め上げて、教団に取り込む気だったか。
ヤル気まんまんだ。
とりあえず、筋肉達と違って理性的で紳士的な俺は、
俺に、ぶち転がすぞと言った山賊の胸を、
思いっきり素手で撃ち抜いていた。
………………………貫通はしないか、残念。
崩れ落ちる山賊。
人間形態でもレベル上がってるから、たいした威力だ。
俺はレベル100くらいあるのかね?
続けて理性的で紳士的な俺は、
「お前ら、人間だな。ぶち転がしてみろよ」
大きく息を吸い込む。ブレスの準備をする。
人間形態で初の試し打ちだ。
そもそも発動するかもわからないが、
それも兼ねての実験だ。
『ミギャン』
俺の口からそんな言葉と共に、
レーザーの様なブレスが放たれる。
カルナの取り巻きの一人に、命中。爆発した。
竜の時よりもはるかに小さな爆発。
それでも、取り巻きのデカい山賊は焦げて崩れ落ちた。
ショボイが、人間形態でもブレス出せるな。
それがわかっただけでも収穫だ。
驚く人間達。
無理もない。人間がブレス吐いたら驚くわな。
だが、全く驚かず、怯まぬ筋肉もいた。
「おお、指導者様がお怒りじゃ、お主等、我等が軍門に下らないと、皆裁きを受けるのじゃ」
「押忍」
「丸焦げだ」
「それが嫌なら、我等が教団に入って筋肉を育てるのだ」
わらわらと、意気揚々にポーズを決める、筋肉達。
いや、俺にはそういう意図は全く無いんだが、
無理矢理勧誘に繋げようとするな。
俺等は何処の怪しい宗教だ?
そんな俺達と一緒にいた、唯一まともな女は、
「どうして貴方が、一番初めに暴発してるんですか?」
などと、わけのわからないことを言っていたが、
全く意味がわからなかった。
弱肉強食は自然の法則。
ここにいる。全員俺に従うべきで、
カルナという女は、俺に齧られるべきなのだ。
異議は認めない。
俺は混乱していた。




