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65アキリアとの再会6


 むう。硬い。

 アキリアが封印されてる黒い像。

 破壊を試みるが、なかなか手強い。

 鉄製の道具での打撃は全て弾かれた。

 なので、変幻発動。


 リトルドラゴンに変幻して黒い像をガジガジ齧る。

 ガリガリとした歯ごたえと、

 像が削れてる感覚はあるけど、噛み砕けそうにはない。

 ぐぐぐ、時間をかければ?

 なんとかなるのか?これ?

 

「うん。顎が疲れた」

(もっともっと気合を入れるんだよ。が〜って)

「ドラゴンの牙でも駄目っぽい」

(ドラゴンゾンビになってよ)


 確かに、もしかしたらそれで像を壊せるかもだけど、

 おい。魂が削れるわ。


「魂削ってまで助けようとは思わんよ」

(ケチケチケチ)

「ケチで結構」 

(ここから出してくれたら、もし死んでも生き返らせるからさ)

「え?今俺が死んだら、俺の魂どうなるんだ?」

(ん〜僕は下界にいるし、別の神の所に飛ばされるね)


 それは不味いのかな?


「その場合、俺はどうなる?」

(僕みたいに慈悲深い女神は滅多にいないし、次はドラゴンにはなれないだろうね)

「………不味いな。しばらくは命大事にしないと」

(僕を開放すれば、すべて解決なのに)


 像を噛み砕くのを諦めて、

 変幻で普通の人間の姿にもどる。

 アキリア以外とは、

 リトルドラゴンの姿で会話できないからだ。


 脳筋達にはチビ竜が一人で、ウギャミギャ言ってるようにしか見えなかっただろう。

 脳筋達の力を借りたいのだ。

 お付きの二人の脳筋につげる。


「マ、ソウルからのお告げだ」

「何でしょう?」

「この像を壊すようにと」

「皆に伝えるのじゃ」

「押忍。言ってきます」


 お付きの筋肉壱号が部屋から出ていく。

 自分に無理なら他人の力を借りる。

 他人がやるのも自分でやるのも、結果が変わらないなら。

 もしそうなら、どっちも同じ事。

 それなら上手く立ち回るべきだ。


「それと、チゴヤ商会に、この手紙を届けてくれ」

「はい。届けて来るのじゃ」


 セーラ宛の手紙を書いて、

 残ったお付きの脳筋に届けてもらう。

 俺は文字が書けない。

 だから手紙には、チビ竜の手形だけを押しておいた。

 セーラなら、これで意味が伝わるだろう。

 俺はここにいると。


 俺の手紙を持って、お付きのの筋肉が部屋から出ていく。


「チワース」

「押忍。やってきたであります」


 手紙ヲ持って出た筋肉と入れ替わりに、

 像破壊を、頼んだお付きの一人、

 それと別の筋肉達がゾロゾロやってくる。


「この黒い像を、道場に持っていって皆で破壊してくれ」

「本当にいいのでありますか?」

「ああ、中にいる神様が外に出たいとさ」

「何とマ、ソウル様が?」

(違うよ。僕は慈悲深き女神アキリアだよ)

「じゃあ頼んだ」

(無視しないでよ)

「諦めて筋肉神?マ、ソウルとして生きるのだ」

(や〜だ〜よ〜)

「マ、ソウル像を担ぐぞ。それ、わっしょい」


 わっしょい、わっしょいと、

 アキリア像は、運ばれていった。

 ………筋肉達とアキリアがいなくなる。


 ここの所。王子の所で贅沢な魔物を大量に食べてた。

 そのせいで、大食いの習慣がついたのか小腹空いた。

 何か食べ物ないかな〜?

 建物を捜索する。

 卵。鶏肉。プロテイン。

 うん。ここの連中やっぱおかしいな。

 アグアグと食べながら思う。

 魔物肉の一キロや二キロ、置いてないとか何事だ。

 やはり早急にチアゴ商会へと向かわねば。

 まだ食べていないセルバンテスコレクションを思い、

 決意を固めるのであった。

 

 像の破壊を筋肉達に頼んでは見たものの、

 筋肉達がアキリア像壊せるとも思えない。

 それよりも

 チアゴ商会。あそこになら、

 アキリアの像壊せる道具が、あってもおかしくない。





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