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第二百七話 第六感系能力

○モッチョムダンジョン その1○


 モッチョムダンジョンはモッチョム岳の麓、千尋の滝のすぐ近くにあるらしい。


 おっ、アレだな。


 上空から降り立つと滝壺から20m程のところにポッカリと開いたダンジョン入口、その傍には岩場に無理やり建てられている高床式の木造建築物。


 カランカラァ~ン


 夕方のこの時間、建物内に他の探索者の姿はない。

 何気に備え付けのパンフレットを手に取るとそのまましばし情報収集。


 えっとなになにぃ・・・


『モッチョムダンジョンはCランクで造りは全10階層、基本洞窟フロアでボスの居る5、10階層だけはフィールドフロアとなっている。

 出現する魔物は1階層で平均レベル5、洞窟エリアではゴブリン系が中心でフィールドフロアでは多種多様な魔物が襲ってきます。

 ※フィールドフロアの縄文の大木には登らないこと、落雷が落ちてきます』


 ラスボスのレベルは30後半ってとこかな、まっ、余裕でしょ。


「進入申請お願いしまぁ~す」


「えっ、嘘っ、ほっ、本物?

 あっ、しっ、失礼しました、えっと、帰還予定は3時間後の午後八時・・・はい、確かに」


 いや~遠くの島でこんなリアクションされると有名になったことを実感しちゃいますねぇ・・・ん、何これ?


『~陰陽術の資質判定サービス~

 君も霊力チェッカーで自分の霊力を確認しよう。

 霊力値200以上で陰陽術スキルが取得できる可能性大!

 只今チェック希望者受付中、料金御一人様1200円』


 ほう、どうやら俺は実際にスクロールを使うまで結果はわからんと勝手に思い込んでいたようだ。


「これって今すぐできますか?

 ダンジョン入る前にやってみたいんすけど」


「はい、勿論大丈夫ですよ。

 では今すぐ準備しますので少々お待ちください♪」


 としばし待っていると受付嬢が持ってきたのは大極図の意匠が入った体温計型測定器。


「これってダンジョン産のアイテムっすか」


「はい、2か月くらい前からでしょうか。

 このような測定アイテムが5階層のフロアボス討伐時の宝箱からちょくちょく発見されるようになりまして、これまで鑑定でも知り得なかった第六感系の能力値が測定可能に。

 他にも魔力、気力、念力、心力のチェッカーも発見されているんですよ」


 う~む、こんなビッグニュースがこれまで話題にもなっていないとは。

 いやまあ普通の探索者からしたら第六感系能力が測定できたところで何がどうなるわけでもないか。


「では皆さん、5本ありますのでこちらを1本づつお取りください。

 脇の下に挟んでピピッと鳴ったら測定終了です」


 各々手に取り脇の下に挟むと・・・ピピッ


「終わったぁ、37.2だってぇ」


 先生はちとお熱かな?


「42.3、今回は私の勝ちですよ、桜」


 お嬢様の方は今夜が山だな。


「私は32.4だったわ」


 思った通りこの人は冷たい人間だ。

 まっ、前座の三人衆はさておき、気になるのは大本命の茜ちゃん。チラッ


「やりましたぁ♪516.2ですぅ」


 うむ、でかした、って500越え?!


「こっ、これほどの霊力値は私も初めて見ました。

 流石はナイスキャッチのメンバーさんです」


 やはりこの数値は相当凄いのか。

 何はともあれあとは陰陽術のスクロールをゲットするだけだな。


「ところで賢斗君の霊力値はどうだったのよ」


 あっ、そういえば・・・ピピッ、おっ、やっと終わったか。


~~~~~~~~~~~~~~

 心力 測定不能

~~~~~~~~~~~~~~


 なにこれ?


「あっ、これは大変失礼いたしましたぁ。

 何かの手違いで心力チェッカーが1本混じっていたみたいです、今すぐ代わりをお持ちしますので」


 まっ、見た目同じだもんね、つか壊れてますよ?それ。


 気を取り直し再計測してみると・・・


~~~~~~~~~~~~~~

 霊力 128.6

~~~~~~~~~~~~~~


 平均よりは遥かに高く、それでいて肝心の陰陽術取得には全く届かない。

 これではまるで・・・


「皆に隠れてこっそり頑張ってたけど、結局ダメでしたの人?」


 やっぱりそう見える?


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


○モッチョムダンジョン その2○


 このモッチョムダンジョンでやることは陰陽術スクロールのゲット、ついでにハイテンションタイムで千里眼スキルも取得できたら嬉しいなといったところ。

 ダンジョンに入り適当に広くなってるスペースを見つけると・・・


 そんじゃあ早速ショートカットして行きますか。ポイッ


「来いっ、ドリリンガー」


 ブォン、ガラガラガラガラ・・・


 入口付近から地中に潜り始めると3階層を一気に突き抜け4階層へ。

 ちなみに富士では階層隔壁突破ブーストの連続使用は叶わずその動力消耗の激しさが浮き彫りになっていた。

 しかしダンジョン規模によるものなのか、ここでは富士ほどの消耗はなく1階層当たり30%ほどの消耗で済んでいる。


 ガッシャン


 また階層ボスが居る階層への突破ブースト使用には制限がかかる。

 そんなわけでここ4階層は普通に攻略するのかと思っていたら、桜さんが方角ステッキで下層に繋がる階段の方角を指し示しドリリンガーに乗ったままダンジョンの壁を突き崩してゆく荒業を披露。

 ダンジョン進入僅か30分後、辿り着いた5階層フロアを望むその景色は古代の杉が生い茂る森林地帯と真ん丸い美しい湖、遥か遠くの小高い丘にはまるでスケールの違う巨木がそびえ立っていた。


「こんな大自然、何だか富士を思い出しちゃうわね」


 まあねぇ、んであれが縄文の大木って奴か。

 多分だけど階層ボスもあそこでしょ。


 距離的には数十km先だが視認できれば話は早い。

 短距離転移であっという間に巨木の前まで辿り着くと息をつく間もなく地面が揺れ始めた。


 ゴゴゴゴゴゴ・・・


 一旦空中へ退避し様子を窺っていると地中から姿を現したのはネームドのジャイアント縄文トレント、モッチョム太郎とモッチョム花子。


「それっ、阿鼻叫喚の電撃地獄」


 バリバリバリバリィィィィ


「いきなさい、猛威を振るう悲しみの嵐」


 ビュウウウォォォォォォ


 久しぶりの格下ボスとの戦闘にテンション上がっちゃったのか知らないが大層な台詞と共に放たれたのは普通のサンダーストームとウィンドストームである。

 とはいえこの二人とて今やレベル40越え、5階層のフロアボスは出現と同時に消滅していった。


「やりますね先輩、その猛威を振るう何とかって奴。アハハハハハ♪」


「あら、賢斗君の阿鼻叫喚何たらも素敵だったわよ。オホホホホホ♪」


 そして魔物からのドロップ品は魔石の他に縄文樹エキス配合のエナジードリンク、縄文汁HPと縄文汁MPが各5本。

 これを飲めば6時間ほどそれぞれHPとMPを微回復してくれるらしい。


 おおっ、何という都合のいいアイテム。


 また縄文の大木前には下階層へ繋がる階段と銀の宝箱がひとつ出現していた。


「おったかぁらおったかぁら、出てこぉ~・・・」


 宝箱係の桜さんが意気揚々と開封しようとすると・・・


「ちょっと待った桜ぁ!」


「なんで止めるのぉ?」


「いや、お前が開けるととんでもなく凄いお宝が出ちゃうだろぉ?

 今俺達に必要なのはそこまでレアでもなさそうだったあの第六感チェッカーシリーズだからな」


「どうしてあの体温計が必要なのよ」


「あの受付嬢の言っていた第六感系の能力ってスキルの系統とほぼリンクしてるでしょ。

 つまり第六感系能力値の把握って自分がどのスキル系統と相性がいいのかを把握するのと同じことなんすよ。

 だとすればある程度狙ったスキルを取得できる俺達にとってあのシリーズは是非とも手元に置いておきたいアイテムってことになりませんか」


「あ~確かに、最近は新しいスキルに手を出すことも少なくなったし、自分がどんなスキルを取得していくべきかいいヒントになるもんね」


「うんうん、というわけでここはお宝開封に際し極めて真っ当な結果をお届けできるこの賢斗さんが」


 いや~久々にワクワクしますなぁ♪


「ちょっと待って賢斗君、極めて真っ当な結果って君が開けたら石ころが出かねないわ。

 ここは正真正銘普通の人代表であるかおるちゃんに任せておきなさい」


「何を仰いますやら先輩、いくら何でも銀の宝箱から石ころなんか出ませんよ」


「そうかなぁ、賢斗君ってほら意外と不可能を可能にしちゃう方だし」


 いや~それほどでもぉ♪

 って危ない危ない!危うく台詞のカッコ良さに騙されるとこだったわ。


 なぁ~んてことをやっていると・・・


「ピピッ、まあこんなもんですか」


「円ちゃんすっごぉ~い、462.6だってぇ」


 何時の間にか円お嬢様が宝箱から気力チェッカーを取りだし圧倒的なハイスコアを叩き出していた。


 ふむ、これがかの有名なトンビに油揚げという奴か。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


○モッチョムダンジョン その3○


 5階層のボス討伐が済めば後は10階層のラスボスを目指すのみだがドリリンガーの動力回復はまだ5割弱、はてさてどうしたものかと考えていると・・・


 ゴゴゴゴゴゴ・・・


 30分間のリスポーンタイムを終えたモッチョム太郎&花子が復活した。


 おお、サイクル早いな。


「いっくぞぉ、ぽっかぽかのお日様ゲンコツぅ!」


 ブゥゥゥオオオオォォォ


 ほんわか台詞に反したえげつない高威力魔法が二体の魔物を焼き尽くす。


 いやこれ、阿鼻叫喚の灼熱地獄だろ。


 するとまたしても銀の宝箱が出現。


「というわけで今度こそ宝箱はこのプリティキューティーかおるちゃんに任せておきなさい、ってあれ?

 ちょっと賢斗君、何でツッコんで来ないのよ」


「だってほら、既に手遅れだし」


 テケテケテケテケ・・・


 今度は止められる前に開けてしまおうと宝箱係の桜さんがスタートダッシュを決めていた。

 しかしお宝を取り出したその顔は何だか少し曇っていたり。


「やっぱり私だと体温計は出ないのかなぁ」


 なっ、これは?!


「桜、落ち込む必要なんかないぞ。

 つか初めから宝箱係であるお前に全て任せるべきだったと今俺は猛省しとるところだ」


 見つかったお宝はモノクル型の第六感スカウタープレミアム。

 魔力、気力、念力、霊力、心力全てが上限なしに測定可能なチェッカーシリーズの完全上位互換アイテムだった。

 ってなわけで早速全員の能力値を順次測定していく運びに。ピピッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 小田桜 魔力526.2 気力32.6 念力33.2 霊力37.2 心力102.1

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 平均値とかまだ何もわからん状況だがこの魔力値相当ヤバいだろ。ピピッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 紺野かおる 魔力47.6 気力35.1 念力426.8 霊力32.4 心力96.2

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そうでしょうそうでしょう、昔からこの人にはエスパーのけがあると疑っていましたよ僕は。ピピッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 蓬莱円 魔力43.4 気力462.6 念力31.1 霊力42.3 心力93.5

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 これまた予想通りというべきか、見かけによらずこのお嬢様は鋼鉄の意思をお持ちだからな。ピピッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 緑山茜 魔力42.3 気力34.2 念力28.5 霊力516.2 心力87.4

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 まあ今更だが神様と交信しとる時点でこの巫女さんも相当ヤバい。

 にしてもうちのメンバーってもれなく何かしらの突出した能力を持っとるな。

 つってもこの賢斗さんに限っては良く言えばバランス型、何か一つ飛び抜けて凄い能力なんてものとは無縁だったりしちゃうんですよねぇ。ピピッ


 ブフォッ!?ゴシゴシ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 多田賢斗 魔力46.2 気力33.2 念力29.5 霊力128.6 心力1836.7

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 あらビックリ。

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― 新着の感想 ―
まぁドキドキ星人だから、、、
し・・心力が1836.7だとぅ!?
更新ありがとうございます。
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