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A.S  作者: オーレリア解放同盟
第二章 過去編
28/71

STAGE4:ミーティング

シュージ・・・本名唐木修二。年齢20歳。大学2年。俺の4つ上の人だ。


俺をこのギルドに誘ったのはこの人であり、なにより現実世界においての知り合いだ。


知り合いというほどの知り合いではないが顔見知り以上ではある。親父同士の仲が良く小学校まではよく遊んだ。修二さんが中学に入ってからは修二さんの親父さんの仕事の都合によりあえなくなってしまっていた。


「エージから話は聞いていないのか?」


「ええ。リリアの面倒を見てあげろとしか言われてません」


「成程」


アスガは考え事がよく顔に出る。“嘆きのライオン”メンバーは満員一致でそう答えるだろう。エージはアスガにはリリアのメンタルケアをさせようとしている。ならそのメンタルケア中に支障が出るのは困る。そう考えたのだろう。


(慎重なのはいいが、エージも考えすぎだ)


「今度の威力偵察・・・アガルタ管理局と戦争になった際の司令部となる基地だ」


「司令部・・・そうなると」


「ああ。考えているとおりだ。アガルタ管理局中央議会18柱がいるところであり、アガルタ管理局の新根拠地である場所だ」


「最強の18人か・・・」


上は推定Lv.160で、18番目でもLv.50と聞く。A.S内最強最大のギルドであり、また強大な軍事組織である。


「威力偵察する必要もないと思うが・・・仕方ない。エージは頼み事を絶対に断らない」


「俺はあの人とは付き合いが少ないから、そのへんはよく解りません」


「そうか。それともう一つ。敵の司令部まで偵察に行うということは敵の地に踏み込むということだ。分かっているな?」


「はい」


「ならよし。戻ってリリアちゃんを安心させてやれ」


「了解」


二人は敬礼をすると互いに逆方向へ歩きだした。


アスガは自室に入る前に扉を二回ほどノックした。


「開いてますよ」


「入るぞ」


「アスガさん・・・どんなお話でしたか?」


「ん?ああ。3日後の威力偵察についてだ。俺はお前の面倒を見ていたから伝えていなかったらしい」


「そうですか・・・威力偵察とは、どんな内容でしたか?」


「そうか。お前も俺と一緒に行くんだったな。敵地をくぐり抜けて、敵の総本山アガルタ管理局中央議会18柱が蔓延る司令部へと威力偵察に」


「・・・・生きて帰れるんですかね?」


「・・・・死ぬかもな」


俺の説明が終わる前にリリアの放った言葉。かなりの場数を踏んでいるリリアですらその言葉を発したのだ。それにお答えするかのようにアスガが放った言葉。


18人より少ない人数、そして合計のレベルが劣るのにもかかわらず偵察をするとなると普通に考えて死という言葉を思い浮かべてもおかしくない。


「憂鬱です」


「俺も・・・」






「敵の司令部はリークされた情報によると敵の最前線から約170km後方のレオン王国南山間部にある。予想される地点は山間部の中でも一番高い山にあると予測される」


予定通り行われたミーティングではオーレリシア大陸の地図が広げられている。

そこにいくつかの凸が書かれておりひときわでかいのが例の司令部とやらだ。


でかいのもそのはず。アガルタ管理局中央議会根拠地なのだから。


「そこまで行くのにはいくつかのルートがある。海を渡って陸に上陸し山間部の裏側を回るルート。直線の最短ルート。遠回りの迂回ルート。海上ルートでは敵の船舶による警戒態勢が敷かれているから無理とこちらで判断」


海上に記された矢印にエージはバッテンを付ける。


「では次の最短ルート。ここは都市部を通るため、関所を行く必要がある。さらに敵の基地も数多くある。迂回ルートは森林や川を通り、危険なモンスターが数多く生息する。敵の隠密部隊も見過ごせない」


エージは地図に次々に書き込んでいく。


「だが、我々部隊は平均Lv.70という驚異的な数値が出ている。さらに全員がステルスを保持していることから、都市部を通るよりは迂回ルートの方が戦闘も少なく効率が良いとみた」


「2日後・・・お前たちはここを通る。携帯MET送還機による後方指示は任せておけ。では以上でブリーフィングを終わる」


「起立!!敬礼!!」


シュージのいつもどおりの模範的な挨拶でみんなが敬礼をしブリーフィングは終わる。


威力偵察まであと二日。


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