STAGE3:入隊式
「本日付で戦争ギルド“嘆きのライオン”に入隊しますリリアです。よろしくお願いします」
イスパーニア帝国の首都マドリードにある俺たち戦争ギルドの本拠地では、リリアの入隊式が行われていた。
とはいえ、一時的にも中隊規模の人数を誇ったが今となっては1個分隊程度である。
人数にしてわずか10人ちょっと。猫の手も借りたいとはまさにこのことだ。
ここ最近西オーレリシア諸国がアガルタ管理局に追い詰められており、西オーレリシアの様々なギルドが駆り出されている。俺たちもその一つだ。
西オーレリシア最強のギルドと謳われる俺たち“嘆きのライオン”は毎度のこと駆り出され何百人ものメンバーがなくなっている。残ったメンツでレベル50以下はいない。
新しく入るリリアもレベル56。とは言え、わずか十数人で戦局などひっくり返せるものだろうか?
俺たちがレベル10~30程度の雑魚共相手ならまだわかる。だが、向こうにも俺たちの名前が知られているだろう。俺たちが相手するのは紛れもないアガルタ管理局上層部だ。
レベル100代も数名いると聞く。俺たち嘆きのライオン内でレベル100代と戦えるのは正直俺だけだ。持ちこたえられるのは一人。Lv.99のシュージのみだ。
「パートナーは今フリーのアスガだ。よろしく頼むぞ」
「はっ!!」
数週間で刻み込まれた敬礼をする。それと同時にエージも敬礼をし、リリアも敬礼をする。
「以上だ。なお、3日後には敵の威力偵察が俺たちに回ってきた。明日にはミーティングを行う。解散」
本拠地の広場に集まった十数名が一斉に敬礼をする。
「わ、わたし入隊していきなり戦場ですか?」
「ああ。それなりに戦場の地は踏んでいるだろう?」
「はい。でも、リアルIRAとはいえども、こんなにメンバーのレベルは高くありませんでしたし・・・付いていけるか心配です」
「大丈夫だ。お前のパートナーは誰だと思ってる?」
「ア、アスガさん・・・です」
「俺のレベルを言ってみろ」
「141です」
「俺に敵うものはいない。心配するな」
「はい」
頭を撫でられたリリアは安心したのか、少し表情が和らいだ。
「リリア・・・」
「はい?」
今度はアスガから言葉をかける。シリアス口調のアスガに今度はなんだろう?と変な心配をリリアはしていた。
「お前の名前リリアだよな」
「はい。そうですけど・・・」
「・・・・ぷっ・・・ぷっ・・・」
「なっ!!な、なにがおかしいんですか!!」
顔を真っ赤に紅潮させて怒るリリア。
「だ、だって、容姿が大和撫子みたいなやつなのに、名前が“リリア”って・・・俺初めて会ったときから思ってたんだよな。言い出しずらかったけど・・・それってネタ?」
「違います!!」
「やばい・・・腹筋破れる!!」
「本当に怒りますよ!!」
「分かったわかった。ごめんってば」
「もう。アスガさんの背中守りませんよ?」
「おっと?そんな減らず口を言うのはこれか!?」
アスガはリリアのほっぺを引っ張る。
「ひ、ひはいでふ・・・あふがはん・・・」
「何言ってるか全然わからん」
引っ張っていた頬を離すとリリアのさらなる猛抗議が続いた。
「痛いって言ってるんです!!」
「悪い悪い」
「悪いなんて全く思ってないですよね?」
「ばれた?」
他愛ない話をしながら向かう先は自室。まだリリアの部屋が決まってないので俺と同室。一部男女一緒にするのはどうかとの声が出たがあのアスガだから大丈夫という屈辱を浴びて一緒に寝食を共にしている。
「アスガ・・・ちょっといいか?」
「なんです?」
「お前にちょっと用事がある。来てくれ」
「わかりました。リリア・・・先に部屋に戻っていってくれ」
そう言い残すとアスガは自分の次に強いLv.99のシュージの元へと走っていった。




