第120話:【120日目】ホワイト村の新たなビジョン
異世界に降り立ち、日めくりカレンダーをめくり始めてから120日目の朝。
紙の表示は「残り244日」。
魔王復活まで、あと約8ヶ月。
朝礼の時間。村の広場には、古参の獣人たちから新人の元王国兵たちまで、千人近い住人たちが整列していた。
タクトは、村役場のバルコニーから彼らを見下ろし、マイクを握った。
「みんな、おはよう。そして、昨日の復興作業、本当にお疲れ様」
広場から、活気に満ちた「おはようございます!」という声が返ってくる。
「俺たちの村は、最大の危機を乗り越えた。カレンダーというツールがなくても、君たち一人ひとりが考え、行動し、助け合ったからこそ掴めた勝利だ。俺は、君たちという最高のチームを誇りに思う」
タクトの言葉に、シルフィやルナ、ガルドたちが誇らしげに胸を張る。
「だが、俺たちのプロジェクトはまだ終わらない。魔王が復活するまで、あと244日。そして世界にはまだ、過酷な労働(ブラック環境)に苦しんでいる者たちがたくさんいる」
タクトは空を指差した。
「俺たちの次の目標は、この村だけじゃない。世界中の労働環境を、俺たちの手で『ホワイト』に塗り替えることだ! 魔王すらも、定時退社させてみせよう!」
「「「おおおおおおおおっっ!!」」」
割れんばかりの歓声が、朝の荒野に響き渡った。
たった一つのカレンダーから始まった孤独な過労死PMのプロジェクトは、今や世界を変革する巨大なうねりとなっていた。
誰もが笑顔で働き、誰もが定時で帰る世界を目指して。
タクトと最高の仲間たちの戦いは、これからも続いていく。
(残り244日。明日は何が出る?)
【現在のキャラクター紹介】
■タクト:
村の管理者。トラウマを完全に克服し、ツール依存から脱却。チームの自発性を引き出す「真のリーダー」へと成長した。
■シルフィ:
有能な秘書。タクトの心が折れそうな時、誰よりも強い信頼の言葉で彼を救った。
■ガルド&クロエ:
村の建築・技術トップ。Ver2.0に進化したラボを活用し、自らの手で次世代のインフラを生み出し始めている。
■ザンギュラ&アーサー:
防衛の要。元王国兵たちを率いる頼れる兄貴分として、新体制の軍事教練を楽しんでいる。
■スー(スライム):
清掃局長。ブラック社長を部下に従え、厳しくも愛のある(?)指導で彼を更生させている。
■元・ブラックCEO:
タクトの前世の上司。絶対的権力を失い、見習い清掃員へと降格。労働の汗と豚汁の温かさを知り、一から人生(労働)を学び直している。




